本日の東京市場はNY市場の下落に反して終始堅調な一日となっている。シカゴ225先物の18.090円を背景に80円高で始まり後場1時頃にかけて21円高まで上げ幅を縮小したが新日鉄の新値取りをキッカケに大引けにかけて再び上げ幅拡大100円高の18.116円引け、先物も8万1.426枚の出来高で18.130円引けとなっている。
本日の相場の注目点は何と言っても新日鉄の復活であり、これを柱とする上昇が大引けにかけての全体相場の盛り返しにつながっている。この所の相場の柱となっていた丸紅を中心とする商社株や東芝を始めとする原子力関連株の勢いがしぼんで来た所へ出て来た新日鉄を中心とする鉄鋼株の強い動きであり、明日以降第二第三の大きな流れを作って相場は柱を新たに上値に挑戦する動きとなるであろう。その初動の本日の動きとして全体相場がすぐに反応した点に筆者は注目している。これは昨日の先物に対する売り叩きにすぐ反応して全体相場が下落した逆の動きが出て来たものと見る所であり、NY市場が安かったにも関わらず100円高となった事がこれを裏付けている。折から筆者は売りを誘い込んではその買戻しで上値を抜く相場であると解説しているが、本日を以って相場の方は準備完了であり後はここ数日大量に入った売り玉の買戻しに依って達成する18.300円抜けが楽しみな所である。
 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 7月19日の東京株式市場は日経平均株価が反発いたしました。
 昨晩の米NY株式市場は反落。DOWは−53ドルの13918ドル、NASDAQ総合指数は−12.80ポイントの2699.49ポイントとなりました。

 シカゴ平均株価先物大証終値同値+40円の18,090円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り3450万株、買い3550万株、差し引き100万株の買い越し観測(金額ベースでは売り越し)でした。

 東京株式市場は反発に転じております。日経平均株価始値18,095円と前日終値18,015円から80円高くスタート。買い一巡後は売り物に押され18,037円まで上げ幅を縮小いたしましたが、後場に入って再び買われる形となりました。引けは+100円の18,116円で本日の売買を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり1,092銘柄に対し、値下がりは517銘柄、変わらずは120銘柄。東証1部の売買代金は概算で2兆7765億円、売買高は21億1290万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 昨日は、米NY株式市場安が懸念されたところに先物への売り仕掛けから日経平均株価が200円幅の下落を演じましたが、本日は押し目買いも入り反発に転じております。
 個別では、「ザラ場の銘柄情報」でピックアップした新日本製鐵(5401)が+41円の919円と上昇し高値を更新・新展開入りに至ったのを始め、住友金属工業(5405)、神戸製鋼所(5406)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)など鉄鋼株が出来高を伴って上昇、6月粗鋼生産量が前年比2.9%増と13ヶ月連続で増加したことも鉄鋼株買いの動きを後押ししております。

 また、明治海運(9115)がストップ高まで買われた他、乾汽船(9113)、飯野海運(9119)、共栄タンカー(9130)、第一中央汽船(9132)など海運株が大幅上昇。「特別会員銘柄」の新和海運(9110)も大きく買われております。
 AOCホールディングス(5017)、昭和シェル石油(5002)、コスモ石油(5007)などの石油株や、住友石炭鉱業(1503)、三井松島産業(1518)、太平洋興発(8835)など石炭株も買われております。

 目立った銘柄では、「ザラ場の銘柄情報」で前場動き出した場面をピックアップした丸山製作所(6316)が+78円の425円と暴騰し東証1部上昇率ランキングトップに君臨。三洋信販(8573)はプロミス(8574)との合併検討報道を受け上昇。またこの報道から業界再編思惑が働き、アコム(8572)、アイフル(8515)、武富士(8564)など消費者金融株が人気化し上昇しております。
 その他、日本金属(5491)、レンゴー(3941)、クボテック(7709)、高島(8007)なども買われております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り物に押され大幅続落。主力株では、楽天(4755)を始め、スパークス・グループ(8739)、インテリジェンス(4757)、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ(8458)、ミクシィ(2121)、GCA(2126)、ACCESS(4813)などは下落いたしましたが、インデックスHD(4835)、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(4281)、プレステージ・インターナショナル(4290)などはしっかり。
 JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数は続落いたしました。

 個別では、アライヴ コミュニティ(1400)、フリーワーク(2486)、フラクタリスト(3821)、ピーエイ(4766)がストップ高となり、BBH(3719)、ハドソン(4822)、セプテーニ・ホールディングス(4293)などが逆行高となっております。

 さて、原発関連銘柄から海運株に資金が移り、本日は鉄鋼株にも向かっております。また、丸山製作所(6316)が急反騰を演じ大幅高と仕手性銘柄の一角も買われております。短期では短期資金流入から動き出した仕手性銘柄の飛び乗り飛び降りとなりますが、あまりバタバタとした売買を避ける方は、鉄鋼・非鉄金属・石油株など資源関連銘柄や商社株、海運株など上昇トレンド銘柄をじっくりと追っていくスタンスを継続。

 また、下げが加速している新興市場ですが、テクニカル的には大きく下落している銘柄からリバウンドが期待される位置に差し掛かっております。ただ、新興市場銘柄は相場のムードに左右され下方へのオーバーシュートも多くありますので、「買い」は割り切れる範囲に留めるか、出来高増加・明確な買い転換など確認してからの買いでも遅くはないでしょう。

 個別では、丸山製作所(6316)を始め、丸善(8236)、東都水産(8038)、宮地エンジニアリング(3431)などの仕手性株。また、東証2部では富士電機E&C(1775)、理経(8226)、オーバル(7727)などに反発期待が持たれます。その他では、鉄鋼株、海運株、商社株などの順張りとなります。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+100円の18,116円と反発。昨晩の米NY株式市場は下落いたしましたが、シカゴ平均株価先物大証終値同値+40円の18,090円と小高く回ってきたことなどから、押し目買い優勢の動きとなっております。
 日経平均株価は+80円の18,095円と小高くスタート。その後ダレる場面もありましたが、後場に入り鉄鋼株の上昇なども刺激となり再上昇。結局+100円の18,116円で本日の売買を終えました。

 中期基調は上向き継続。短期基調は下向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは○○○●○●●●○●●○で「6勝6敗」。25日移動平均線は18,112円と上向き。日足は下ヒゲを持つ短小陰線を形成。
 長期上昇トレンドは継続する中、高値を抜けきれずにもみ合う動きが続いております。世界の主要マーケットが高値を更新する中、「日本株」だけが取り残されております。

 市場では「円安基調が続く限り外国人が日本株を強く買ってこない」とも指摘されております。29日の参院選、そしてその後に予想される「金利引き上げ」後の動きが注目されます。「金利引き上げ」から円キャリートレードの回帰から崩れを懸念する見方もございますが、「それをきっかけに為替が円高基調に傾けば日本株上昇へのサインとなる」との声もございます。
 引き続き、明確に高値を抜けてくるまでは、17,900円〜18,300円前後でのボックス内で上下に揺れる動きが続くことと思われます。