10/10 18:07
来週は米金融大手の決算を無事通過できるか否かが焦点に
 来週は波乱含みの展開となりそうだ。日経平均心理的な節目の8000円及び10月限SQ値(7992.60円)を割り込むと、2003年4月末につけたバブル崩壊後の安値7603円が視野に入ろう。ただ、日経平均の25日移動平均乖離率が-27.4%に達するなど、下げが急ピッチなうえ、バリュエーション面では説明がつかない水準まで下落している。具体的には、東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)が「売られ過ぎ」と言われる70%を大幅に割り込み、東証1部の配当利回りも歴史的な高水準、PBR1倍割れの銘柄も急増している。投資家心理は極度に冷え込んでいるが、外部環境が好転に向かう兆候が見えればショート・カバーやリバウンド狙いの買いが入っても不思議ではない。

 今週は世界10中銀中銀による緊急利下げ、英国政府による大手金融機関に対する公的資金の注入(最大500億ポンド、約8兆8000億円)、ポールソン米財務長官が金融機関への公的資金注入を示唆するなど、金融危機打開策が相次いだが消化不良に終わった。万策尽きた感は無きにしもあらずだが、震源地の米国が金融機関へ強制的に公的資金注入などの動きが見られれば、新たな局面を迎える可能性がある。その意味でも、シカゴ・オプション取引所の「恐怖指数」との異名を取るVIX(ボラティリティー)指数や、利下げにも関わらず高止まりする銀行間金利などの動向に注目したい。

 日本の主力企業の中間決算発表は10月下旬からスタートするが、米国では一足先に主力企業の四半期決算を開始。先陣を切ったアルコアは大幅減益で、株価が急落するなど暗雲が漂っている。来週はインテルノキア、シティなど主力株の決算発表が多数予定されている。インテル半導体業界のみならず、ハイテク全体への影響度が大きいだけに、足元の実績および今後の見通しは要注目だろう。また、米金融危機の行方を占う意味でもシティの決算を無事通過できるか否かも注目される。