先週末発生した英国海軍兵15人がペルシャ湾でイラン海軍に連行という事件から、英国、イラン、更に米国の間で核実験問題に絡んできな臭い動きとなって来ている。また、イラン政府は石油代金の利用をドルから他国の通貨に変更すると発言、これを背景に原油は昨日68ドル台を付けて為替は本日一時1ドル117円11銭まで大幅にドル安円高となって来ている。
以上の動きに依って本日の東京市場は堅調であった前場から後場に入って一気に下げとなって一時223円安を付けて大引け110円安の17.254円、先物も11万6.383枚の出来高で17.250円の終りとなっている。本日の下落はドル安円高をキッカケに輸出株が一斉に下げた事が全体相場の一時の大幅下落につながっているが、引けにかけて100円以上戻した点と相場の中身に於いても他の流れはいずれも堅調な動きとなっている点に注目である。折から相場は年度末及び新年度入りを控えて外人も機関投資家も大きく動けないだけに見送り気分が強く、これに加えて昨日のNY安と今夜のバーナンキ氏の発言に対する様子見の動き、更に本日の為替の動きから発した輸出株の下落がたまたま重なったまでの事であり、一過性の動きとして心配無しである。
来週から名実共に新年度入りする現在は相場の踊り場にある。上にも下にも力の無い相場であるが今年度もあと2日であるだけに時間の問題であり、NY安と為替に依って下げた本日の動きは今夜のバーナンキ氏の発言次第で明日一転する可能性も十分である。残す2日、新年度相場への準備の動きとして注目である。