NY市場の独立記念日を背景に引き続き見送り気分の強い東京市場である。NY市場の上昇とシカゴ225先物の18.250円引けを受けて小高く始まったが終始小幅に揉み合う動きで大引け18円高の18.168円、先物は5万8.404枚の出来高で現物に対して約20円順ザヤの18.190円引けである。本日も出来高売買代金共に少なく大引けは変わらずと言って良い程の小幅高となっているが、今月に入って政府と選挙に対する不安が高まる中で下げそうで下げない連日の上昇は注目すべき動きである。今夜のNY市場は休みであるだけに突発的な目立つ材料でも出ない限り明日の相場も大人しい動きとなるであろうが、ここは選挙までにもう一相場作る前のキッカケ待ちとして相場の変化に注目する所である。
昨日の久間氏辞任のニュースに依って市場は選挙に対する不安で一杯となっているが、その前に東京市場の相場は未だ世界主要国で一番出遅れている点に注目である。そもそも安倍政権は誕生の時から期待されていなかったのに今更選挙で負ける事が心配されるのものおかしな話であり、市場はまた要らぬ心配をしているという事である。そこへ持って来て東京市場の一株益は現在928円で指数として18.560円近辺にあって当然であり、加えて最近の為替に依る差益を考慮すると更に上にあって良い。つまり、今回の安倍政権に対する不安を背景とする弱気も折からの定期的に不安材料が出ては急増する弱気の買戻しをバネに上値を取るという形に変わり無いという事である。最近の取り越し苦労の例として、世界的な金利の上昇懸念、中国市場の下落懸念、チャートの「三空」に対する心配、サブプライムローン問題及びNY市場の下落懸念、等々あるが今回はたまたま政権に対する懸念となっただけの事であり、結果はこれまでと同じ様に惑わされた者が上昇を手伝う事になる。この相場に於いて弱気は禁物という事である。
個別では、三井不動産(8801)、三菱地所(8802) 住友不動産(8830)など大手不動産株が上昇。中部電力(9502)、北陸電力(9505)、東北電力(9506)などの電力株や、三菱商事(8058)、双日(2768)など商社株の一角も買われております。
 また、NTT(9432)、KDDI(9433)、ソフトバンク(9984)、光通信(9435)などの通信株や、ソニー(6758)、シャープ(6753)、ニコン(7731)などハイテク株の一角も買われております。
 更に本日は『ザラ場の銘柄情報』でピックアップした銘柄から大幅上昇銘柄が続出いたしました。三菱系の機械商社の西華産業(8061)や、エネサーブ(6519)、東洋建設(1890)、富士通ゼネラル(6755)、不動テトラ(1813)とそれぞれが東証上昇率ランキングトップ10入りとなっております。
個別では、アライヴ コミュニティ(1400)、アガスタ(3330)、メディアシーク(4824)、日本エンタープライズ(4829)、YAMATO(7853)などがストップ高まで買われた他、フリービット(3843)、エイティング(3785)、オプト(2389)などが幅のある上昇を演じております。
 一方、UBIC(2158)を始め、アイル(3854)、ジェーソン(3080)、ネットインデックス(6634)、日本一ソフトウェア(3851)、カービュー(2155)など直近公開銘柄が売られております。
 さて、原発関連銘柄を始めとした東証1部の材料株に短期資金が向かっていることから新興市場は目立った動きはございません。ただ、本日買いの注目銘柄のシルバー精工(6453)が+5円の63円と上昇、暴騰銘柄の暴落後の反発狙いで先日提案させて頂いた佐伯建設工業(1889)も+8円の121円と上昇し東証上昇率ランキング12位にランクインしたように、大きく下げた銘柄はリズムをもって反発してきます。
 デイトレードでは動きある銘柄、或いは動きが出た銘柄の『飛び乗り・飛び降り』、1週間程のスタンスでは暴騰銘柄の暴落後の反発を狙っていきます。仕手材料株では東証2部のラピーヌ(8143)をマーク。暴騰銘柄の暴落後の反発狙いではアイ ビー ダイワ(3587)。新興市場では引き続きアウトソーシング(2427)、日本エス・エイチ・エル(4327)などをマークしていきます。