NY市場は昨日も堅調で連日の新高値取りとなっているが東京市場の本日は全面大幅下落となっている。朝方は81円安の寄付きから安値252円安まで売られて後場からは大引けまで揉み合って201円安の18.015円引け、先物出来高11万6.669枚の大商いで18.050円引けの終りである。本日の下落について市場では柏崎刈羽原発に先日の地震に依るトラブルが今日になって50カ所以上出て来た事やNY市場の取引終了後に発表されたヤフーやインテルの決算が予想を下回った事を言う向きが多いがいずれも全体相場が200円以上下げる程の悪材料では無い。昨日も触れたが東京市場は弱気が多く増えやすいだけに先物の売り叩きを見て一斉に投売った事が背景である。しかし、外人動向は昨日に続いて本日も買い越しとなっている点、大引けで18.000円を保った点、先物も含めて出来高が急増している点、更には折から続く質である売り方の買戻しに依る踏み上げ相場の押しと上昇が3月以来極端になって来ているに注目である。今回の18.300円乗せを目前とするこの下落について先週NY市場が新高値取りを前に一旦下へ振った動きと同様の相場であるものと筆者は見る所であり、この一押しをバネに重かった上値を突き抜ける事になるであろう。その時は本日の先物の下落をキッカケとする全般的な投売りに依る大幅下落と正反対に先物の上昇をキッカケに相場全体が踏み上げを交えた大幅な上昇となる。売りがあっての踏み上げであるだけに弱気は禁物である。
 7月18日の東京株式市場は日経平均株価が大幅続落いたしました。
 昨晩の米NY株式市場は堅調。DOWは+20ドルの13971ドル、NASDAQ総合指数は+14.96ポイントの2712.29ポイントとなりました。

 シカゴ平均株価先物大証終値同値の18,210円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り3000万株、買い3020万株、差し引き20万株の買い越し観測(金額ベースでは小幅売り越し)でした。

 東京株式市場は全面安商状。日経平均株価始値18,136円と前日終値18,217円から81円安くスタート。ハイテク株中心に利益確定売りが広がり、前日比−253円の17,964円と下げ幅を拡大。後場も反発は見られず18,000円付近で推移し、引けは−201円の18,015円で本日の売買を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり273銘柄に対し、値下がりは1,353銘柄、変わらずは102銘柄。東証1部の売買代金は概算で3兆33億円、売買高は22億2175万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 『高値突破へ挑戦しても上がらなければ下げる』と言われますが、東京株式市場はそうした動きとなっております。米インテルや米ヤフーの決算見通しが市場予想を下回ったことから時間外取引で売られる動きに。
 東京株式市場も、この動きを嫌気し主力ハイテク株を筆頭に幅広い銘柄が売られ全面安商状となりました。

 個別では、キヤノン(7751)、京セラ(6971)、TDK(6762)、シャープ(6753)など値がさハイテク株が下落。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、りそなホールディングス(8308)など大手銀行株や、大和証券グループ本社(8601)、野村ホールディングス(8604)など証券株、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)など不動産株がそろって売り物に押され下落。
 また、これまで買われていた伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)、三菱商事(8058)などの商社株や、明治海運(9115)、飯野海運(9119)、太平洋海運(9123)など海運株も利益確定売りに押され下落しております。

 その中目立った銘柄では、短期資金流入ゴールドウイン(8111)が+46円の260円と大幅上昇を演じ東証1部上昇率ランキングトップに君臨。ゴールドマン・サックス証券が同銘柄の投資判断を「中立」から「買い」に、目標株価を1,000円から1,300円に引き上げたエプソントヨコム(6708)はストップ高
 その他、植木組(1867)、東北ミサワホーム(1907)が人気継続し続伸。金門製作所(7724)、中国工業(5974)、石川製作所(6208)、クボテック(7709)なども買われております。また、特別会員銘柄の川田工業(5931)も幅のある上昇を演じております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り物に押され続落。主力株では、楽天(4755)を始め、SBIイー・トレード証券(8701)、インテリジェンス(4757)、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ(8458)、アルデプロ(8925)、ACCESS(4813)などは下落いたしましたが、ミクシィ(2121)、GCA(2126)、マネーパートナーズ(8732)などは押し目買いが入り反発しております。
 JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数は続落いたしました。

 個別では、日本工業検査(9784)がストップ高となった他、フリービット(3843)、ジャストシステム(4686)、ジャパン・デジタル・コンテンツ信託(4815)、総医研ホールディングス(2385)、TCBテクノロジーズ(2356)、インタートレード(3747)などが買われております。
 反面、サムシングホールディングス(1408)、日本一ソフトウェア(3851)、インデックスHD(4835)、リンク・ワン(2403)などが売られております。

 さて、高値更新が期待されていた日経平均株価ですが、今回も高値を抜けきれずに下げております。これまでは主力株が売られても材料株や仕手性株、中低位株などが買われるように循環物色が続いていたのですが、本日は東証1部で1,353銘柄が値下がりするなど全面安に近い商状となっております。
 米NY株式市場が腰折れにならなければ、商社株を始め、海運株、石油株、非鉄金属株など上昇トレンドを描いている強い銘柄をじっくりと見ていけるのですが、腰折れとなり方向が変わってしまうと、こうした強い銘柄も調整入り懸念も高まりますので、ひとまず利食いを入れる形となります。
 ただ、本日新興市場銘柄の一角に押し目買いが入ったように、新たに動き出す銘柄も期待されるだけに、「次に買われる銘柄」「短期資金が集中する銘柄」を探っていく形となります。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−201円の18,015円と大幅下落。昨晩の米NY株式市場は上昇いたしましたが、24時間取引のGLOBEXでナスダック100株価指数先物や、S&P500種株価指数先物が売られたことから、日経平均株価先物主導で下落。
 日経平均株価は−81円の18,136円と安く寄り付きそのまま更に下落。引けは−201円の18,015円と18,000円台をキープいたしましたが、ザラ場では−253円の17,964円まで売られた場面がありました。

 中期基調は上向き継続。短期基調は本日の下落で上向きから下向きに転換いたしました。日経平均株価のサイコロは○○○○●○●●●○●●で「6勝6敗」。25日移動平均線は18,096円と上向き。日足は下ヒゲを持つ下放れの陰線を形成。
 長期上昇トレンドは継続しておりますが、高値を抜け切れなかったことから再度売られております。買い材料難の中、今晩の米NY株式市場の動向を懸念する見方が広がり、反発という反発を見せることなく200円幅の下落を演じております。

 ここから更に大きく下げるような動きにはならないのではないかと思われますが、明日以降12日の直近安値17,919円を割り込んでくると調整色を強めることも考えられます。米NY株式市場の動向も含め動きを見守っていきます。