ブッシュ大統領は返済が困難な住宅保有者に対して政府の信用保証の拡充や優遇税制の導入を中心とする具体的な対策案の中身を発表、バーナンキ氏も講演でサブプライムローン問題からの金融市場の混乱に対して追加措置を行う準備がある事を表明、いよいよ米政府はサブプライムローン問題に本腰を入れて来た。これを好感してダウは119ドル高ナスダック31p高と堅調な動きとなっており連休明けの動きが更に注目される所である。
NY市場の上昇及びシカゴ225先物の16.585円引けと寄り付き前の外人動向は870万株の買い越しとまずまずの背景で迎えた週明けの東京市場であるが、先週の大幅高に対する利食い売りから58円安で始まり一時はプラスに転じる所もあったが今夜のNYは休場である事から様子見も強く大引けまで揉み合う形で44安の16.524円引け、先物は8万3.623枚の出来高で16.540円の終りとなっている。外人動向は本日で2日連続の買い越しとなっている点、更には先物を含めて相場全体が先週の555円上昇した2連騰に対する一服にしては非常に強い動きとなっている点に注目である。
■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 9月3日の東京株式市場は日経平均株価が反落いたしました。
先週末の米NY株式市場は上昇。DOWは+119ドルの13357ドル、NASDAQ総合指数は+31.06ポイントの2596.36ポイントとなりました。

 シカゴ平均株価先物大証終値−15円の16,585円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り2710万株、買い3580万株、差し引き870万株の買い越し観測(金額ベースも買い越し)でした。

 東京株式市場は利益確定売りに押されております。日経平均株価始値16,511円と前日終値16,569円から58円安くスタート。プラスに転じる場面も見られましたが、戻り待ち売りが多く、−117円の16,452円まで下落。後場は16,500円前後でもみ合う動きが続きました。引けは−44円の16,524円で本日の取引を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり807銘柄に対し、値下がりは793銘柄、変わらずは120銘柄。東証1部の売買代金は2兆376億円、売買高は15億1786万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 週明け月曜日、9月相場入りとなった本日の東京株式市場は高安マチマチもみ合い商状となっております。先週末はブッシュ大統領が「サブプライムローンの借り手が債務不履行に陥るのを避けるために対策を発表する」と伝わり大幅上昇いたしましたが、本日はその反動安となっております。

 個別では、バルチック海運指数(不定期船運賃指数)の上昇から太平洋海運(9123)、共栄タンカー(9130)、明治海運(9115)、乾汽船(9113)がストップ高まで買われ、第一中央汽船(9132)、大平洋金属(5541)など海運株が人気化し大幅上昇。
 また、新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)など鉄鋼株や、住友金属鉱山(5713)、三菱マテリアル(5711)など非鉄金属株が上昇。日本冶金工業(5480)、日本金属工業(5479)なども買われております。

 反面、みずほフィナンシャルグループ(8411)、りそなホールディングス(8308)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、野村ホールディングス(8604)、新光証券(8606)、松井証券(8628)など証券株が下落。
 三井住友海上火災保険(8752)、日本興亜損害保険(8754)、あいおい損害保険(8761)など損保株や、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)など不動産株も売られております。

 その中目立った銘柄では、東北ミサワホーム(1907)が急反発し一気にストップ高まで買われた他、短資金流入紀州製紙(3882)が買われ、ニッケル関連から大平洋金属(5541)、日本冶金工業(5480)も上昇。コスモ証券が8月30日付で投資判断を引き上げている東京鐵鋼(5445)も大きく買われております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り買い交差し高安マチマチ。主力株では、アルデプロ(8925)、アンジェス MG(4563)、日本ベリサイン(3722)、大阪証券取引所(8697)などが買われましたが、楽天(4755)、スパークス・グループ(8739)、インテリジェンス(4757)、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ(8458)、GCAホールディングス(2126)などは売られております。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数は続伸いたしましたが、ヘラクレス指数は反落いたしました。

 個別では、「ザラ場の銘柄情報」でピックアップした銘柄からジャストシステム(4686)、「特別会員銘柄」のフィンテック グローバル(8789)がストップ高まで買われた他、モスインスティテュート(2316)、ビービーネット(2318)、シーフォーテクノロジー(2355)、T&Cホールディングス(3832)、データ・アプリケーション(3848)、エヌアイシ・オートテック(5742)、サマンサタバサジャパンリミテッド(7829)なども値幅制限いっぱいまで買われております。

 さて、先週の日経平均400円幅の大幅上昇明けということもあり利益確定の売り物も多く、指数は下落しております。ただ、東証1部の騰落数では値上がり807銘柄と、値下がり(793銘柄)銘柄より多く比較的しっかりとした動きとなっております。
 基本的にはリバウンド狙い継続となります。狙っていく銘柄も変化無く、下げすぎ銘柄の反発狙いとなります。短期・短期で見ていく方は、朝方動きが出た銘柄の「飛び乗り・飛び降り」となります。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−44円の16,524円と小幅反落。先週末の米NY株式市場は上昇。バーナンキFRB議長がサブプライムローン問題に対して追加措置準備を表明。ブッシュ米大統領も政府の信用保証の拡充、優遇税制の導入などを発表したことが好感されました。
 米NY株式市場は上昇し、寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況も差し引き870万株の買い越し観測となりましたが、朝方からやや売り物に押される展開となっております。

 日経平均株価は−58円の16,511円と小安くスタート。売り一巡後に前日比プラス圏まで上昇する場面もございましたが、買いは続かず反落。後場は引けにかけてやや下げ幅を縮小し引けましたが、大きな戻りは無く引けは−44円の16,524円となっております。

 中期基調は上向き。短期基調も上向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは●○○●○●○●●○○●で「6勝6敗」。25日移動平均線は16,495円と下向き継続。日足は十字線を形成。「上伸途上のクロス」を形成。
 市場では今日のウダウダとした動きを見て「反発は終わった。次はW底形成だ、下げるぞ」と早くも弱気な見方も出ておりますが、先週末の「415円高」を考えればここでの一服は当然。むしろ44円安に留まったのは“強い”との見方も出来ます。

 先週末に書かせて頂きましたが、今週は先の暴落からの下げ幅の半値戻しとなる16,765円前後までの上昇に期待。ただ反発も3週目に入ることから、スルスルと上昇した場面では利益確定も優先してみていきます。