注目された昨日のNY市場は小幅安で始まりFOMCに依る0.5%の利下げ発表を受けて一気に200ドル高まで一転したが大引けにかけては景気後退懸念とモノラインに対する格下げへの心配からダウ37ドル安ナスダック9p安の終わりとなっている。これを受けた東京市場は昨日の引け味の悪さも相まって117円安で始まったが190円安を安値とする底堅い動きで10時頃のモノラインMBIAに対する投資ファンドの資本出資完了との報道から先物へまとまった買戻しが続けて入った事に依ってプラスに転じて大引けにかけて高値277円高を付ける一段高の247円高13.592円引け、先物出来高16万6.681枚の13.550円引けとなっている。この所筆者はFOMCに依る追加利下げの発表をキッカケに相場は明るくなるものと見方を解説して来たが、先物の強く上値を取る動きと安値190円安から高値277円高までその幅実に467円上昇した本日の相場は正に踏み上げの動きである。サブプライムローン問題は未だ解決していないだけに今後とも世界の株式市場に波乱を起こす可能性はまだまだあるが、ひとまず東京市場の相場は完全に好転した形で今月を終えたものと筆者は考える所である。明日からは名実共に2月相場となる。明るく新しい相場に大いに期待である。

本日の株式市場の全般的な動き

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年1月31日の東京株式市場は日経平均株価が反発いたしました。
昨晩の米NY株式市場は下落。DOWは−37ドルの12442ドル、NASDAQ総合指数は−9.06ポイントの2349.00ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値−37ドルの12442ドル、NASDAQ総合指数は−9.06ポイントの2349.00ポイントでした。

 東京株式市場は安寄り後に買いが広がり急反発。日経平均株価始値13,227円と前日終値13,345円から118円安くスタート。前日比−191円の13,154円まで下げ全面安の展開でしたが、急速に上昇に転じました。後場中頃から上げ幅を拡大し全面高に。引けは+247円の13,592円で本日の取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり1502銘柄、値下がり178銘柄、変わらずは48銘柄。東証1部の売買代金は3兆210億円、売買高は23億9283万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 1月最終売買日となる本日の東京株式市場は引けにかけて買いが広がり全面高となりました。米国でのモノライン格下げ報道が市場心理を後退、朝方は金融株中心に売り物に押される展開となりましたが、月末ドレッシング買い期待に加え買戻しの動きも後押しし大幅反発に至りました。
 個別では、新生銀行(8303)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、りそなホールディングス(8308)など大手銀行株の一角や、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)など不動産株が買われ上昇。

 伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)、三菱商事(8058) など商社株や、飯野海運(9119)、新和海運(9110)など海運株、トヨタ自動車(7203)、マツダ(7261)、日産自動車(7201)など自動車株、ソニー(6758)、ファナック(6954)、富士通(6702)、日立製作所(6501)などハイテク株も上昇。
 また、三菱倉庫(9301)、三井倉庫(9302)、住友倉庫(9303)など倉庫株や、昭和シェル石油(5002)、コスモ石油(5007)、石油資源開発(1662)など石油株も買われております。

 目立った銘柄では、今08年3月期第3四半期連結決算発表のナナオ(6737)、今08年3月期連結決算見通しを増額したダイハツ工業(7262)、クレディスイス証券など証券各社の格上げが相次いだヤフー(4689)や、宇徳(9358)、木村化工機(6378)、ショーワ(7274)などがストップ高
 その他、GMOインターネット(9449)、セイコーエプソン(6724)、サイバネットシステム(4312)、インターネットイニシアティブ(3774)などが大きく買われております。また、東証2部では「特別会員銘柄」のトウアバルブグループ本社(6466)がストップ高と暴騰いたしました。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は反発期待の買いが広がり上昇。主力株では、ACCESS(4813)、ワークスアプリケーションズ(4329)、アクロディア(3823)、USEN(4842)などが買われ上昇いたしましたが、楽天(4755)、スパークス・グループ(8739)、ミクシィ(2121)、インテリジェンス(4757)、アルデプロ(8925)、ぐるなび(2440)などは売られております。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数共に上昇いたしました。

 個別では、「一般会員注目銘柄」のSJホールディングス(2315)を始め、リンク・ワン(2403)、セレブリックス・ホールディングス(2444)、ネットプライスドットコム(3328)、ディー・ディー・エス(3782)、応用技術(4356)、アンジェス MG(4563)、オンコセラピー・サイエンス(4564)、ジュピターテレコム(4817)、ヤマックス(5285)がストップ高まで買われた他、スタートトゥデイ(3092)、リプラス(8936)、トレジャー・ファクトリー(3093)、メディア工房(3815)、エムティーアイ(9438)などが大きく買われました。

 さて、寄り付きは多くの銘柄が弱く売られたことから「2番底に向かってしまうのか」と不安視されましたが、1日を終えてみれば日経平均株価は247円高を演じ全面高となっております。新興市場銘柄は弱い銘柄もございますが、ズルズルと下げが続いていた東証1部銘柄は主力株を筆頭に幅広い銘柄が買われました。
 暴落時に立て続けに提案させて頂いた「セット買い銘柄」も東証1部銘柄から続々と目標達成し、同時に提案した新興市場銘柄にまだ目標達成に至っていない銘柄がございます。

 本日、IT関連の代表的銘柄といえるヤフー(4689)がストップ高と急反発を演じたことから、これをきっかけに下げ続けていた新興市場のIT関連銘柄にも買いが広がると、この反発相場も一段と儲けやすくなります。

 ただ、はっきりとした動きが出るまでは、東証1部の下げすぎ銘柄の反発を狙う形となります。銘柄では、三井造船(7003)を始め、トプコン(7732)、スター精密(7718)、日本製紙グループ本社(3893)、加藤製作所(6390)、中国塗料(4617)、大和システム(8939)などをじっくりとマークしていきましょう。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+247円の13,592円と急反発。
 昨晩の米NY株式市場は下落。FRBが0.5%追加利下げ、FF金利年3%となり声明では追加利下げの可能性にも含みを持たせたことから好感し上昇する場面がありましたが、米金融保証のアムバック・フィナンシャルとMBIAが格下げされる可能性があると報じたことが嫌気され下落。

 東京株式市場は米NY株式市場の下落や為替の円安進行などを受け売り優勢でスタート。日経平均株価は−118円の13,227円と安く始まり、寄り付き後に−191円の13,154円まで売られた場面がありましたが、反発に転じ10時過ぎには前日比プラス圏まで上昇。後場に入っても買いは続き上げ幅を拡大。引けは+247円の13,592円と大幅上昇いたしました。
 中期基調は下向きから上向きに転換。短期基調は上向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは●○○●●○○○●○●○と「7勝5敗」。25日移動平均線は14,130円と下向き。日足は前日の陰線を大陽線が包む「包み足」が出現、一般的には買い線と判断されます。

 昨日に「窓空け上昇から本日まで上下に揺れながらもヨコヨコの動きが継続しており、明日以降どちらか振れたほうに幅が出やすい形となってきました」と書かせて頂きました。実際は安寄り後、上方ブレイクとなりました。
 明日以降、暴落後の高値である1月25日の13,647円を抜けてくると14,000円方向の動きが期待されます。「マエストロ」では引き続き14,200円方向への上昇に期待しております。