本日の東京市場はNY市場の下落とシカゴ225先物の13.685円引けに加えて英系ファンド資金繰り悪化の噂が流れた事を受けて190円安で始まり安値392円安を付けて大引け322円安の13.603円、先物出来高9万5.852枚で13.560円と久々に一日を通した大幅下落となっている。今週の相場は順調に下値を切り上げて一昨日の14.000円乗せから当然の一服として多少の押し目を入れる所へ週末月末である事とNY市場の下落、更には外資ファンドに絡んだ悪材料が重なった事が本日の大幅下落の背景であるが、なかなか抜く事ができなかった13.800円を突破した先週の形と非常に似た相場付きとなっている点に注目である。今回も今後も節目を抜くにはそれなりの力が必要であり、試して力不足であれば下落を入れて力を蓄え直す事に依ってこれを達成するものである。筆者が言う所の「相場に弾みを付ける」という事であり、目先の下落が先々の上昇への原動力となるであろう。特に本日の大幅下落に対してこの相場の柱となっている銘柄群はいずれも底堅い動きで高値圏を維持する小幅安で終わっている事は来週早々の反転に期待して良いものと筆者は見る所である。
 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年2月29日の東京株式市場は日経平均株価が大幅続落いたしました。
昨晩の米NY株式市場は反落。DOWは−112ドルの12582ドル、NASDAQ総合指数は−22.21ポイントの2331.57ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値−235円の13,685円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り2600万株、買い3000万株、差し引き400万株の買い越し観測でした。

 東京株式市場は米株式市場の下落や円高が嫌気され大幅に続落。日経平均株価始値13,735円と前日終値13,925円から190円安くスタート。主力株中心に幅広く売られ全面安の様相となりました。13,600円前後でもみ合う動きが続き、引けは−322円の13,603円で取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり247銘柄、値下がり1,410銘柄、変わらずは66銘柄。東証1部の売買代金は2兆3,628億円、売買高は19億7,982万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 週末金曜日、本日の東京株式市場は売り物に押され大幅安となりました。米NY株式市場の下落を嫌気し売られたところに、週末・月末要因からの手仕舞い売りも広がり全面安となりました。
 個別では、新日本製鐵(5401)、神戸製鋼所(5406)、住友金属工業(5405)など鉄鋼株や、日本郵船(9101)、商船三井(9104)、乾汽船(9113)など海運株が売り物に押され下落。

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、りそなホールディングス(8308)など大手銀行株や、野村ホールディングス(8604)、大和証券グループ本社(8601)など証券株も下落。
 また、ソニー(6758)、京セラ(6971)、ファナック(6954)、東京エレクトロン(8035)、キヤノン(7751)などハイテク株や、トヨタ自動車(7203)、ホンダ(7267)など自動車株、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、東急不動産(8815)など不動産株も売られております。

 その中目立った銘柄では、グッドウィル・グループ(4723)が連日のストップ高となったのを始め、三井住友系カード・信販4社の経営統合報道からオーエムシーカード(8258)、セントラルファイナンス(8588)が大幅高。大和総研がレーティングを新規「1」、目標株価1,400円としたKIMOTO(7908)も+118円の1,171円と大幅な上昇を演じております。
 その他、アーク(7873)、セガサミーホールディングス(6460)、ゴールドウイン(8111)、日本金属(5491)、NECモバイリング(9430)などが上昇、逆行高となっております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り物に押され下落。主力株では、楽天(4755)を始め、スパークス・グループ(8739)、ACCESS(4813)、サイバーエージェント(4751)、アルデプロ(8925)、日本ベリサイン(3722)、ぐるなび(2440)、アセット・マネジャーズ(2337)などが売り物に押され下落。日本風力開発(2766)、フルスピード(2159)は買われ上昇しております。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数が揃って反落いたしました。

 個別では、シーフォーテクノロジー(2355)、綜合臨床ホールディングス(2399)、ワールドインテック(2429)、デジタルスケープ(2430)、インタートレード(3747)、アドバンスト・メディア(3773)、ターボリナックス(3777)、イー・キャッシュ(3840)、新星堂(7415)などがストップ高となるなど、新興市場の中でも小型の銘柄が上昇しております。

 さて、米NY株の下落や為替の円高から大きく下げてきました。以前のような500円安・600円安から見れば慣れたような下げですが、これまでの反発ムードに水を差してしまったことは確かです。新興市場銘柄の上昇に期待しておりますが、あまり日経平均が弱い動きとなってしまうと足を引っ張られてしまい、本日のように踏ん張りきれず下落してしまうことから、とにかく来週は頑張ってもらいたい。

 仮に来週もう一段大きく下げてくれば反発期待の買いとなりますが、中途半端にダラダラとしているようでしたら、その中人気化し動き出す銘柄に飛び乗っていく形となります。ニチアス(5393)、ルック(8029)などの材料株や先日暴騰した後に大きく売られている超低位銘柄などの動きを追っていきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−322円の13,603円と大幅続落。昨晩の米NY株式市場は反落。バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の発言や住宅金融関連の悪材料が嫌気され売られました。
 東京株式市場は、急ピッチな円高の進行に米NY株式市場の下落、シカゴ平均株価先物大証終値−235円の13,685円と安く回ってきたことから昨日に続き売り優勢で取引をスタートいたしました。

 日経平均株価は−190円の13,735円と安く始まり、安寄り後も反発という反発を見せることなく13,500円台前半から13,600円台でもみ合う軟調な動きが続きました。引けは−322円の13,603円と大幅安です。
 中期基調は上向き。短期基調は上向きから下向きに転換いたしました。日経平均株価のサイコロは○●○○●○●○●○●●と「6勝6敗」。これまで●⇒○⇒●⇒○⇒●⇒○と交互に上げ下げを重ねてきましたが本日続落となりました。25日移動平均線は13,523円と上向き。日足は下放れ陰線で売り線を形成。

 27日に終値ベースで1月11日以来約1ヶ月半ぶりに14,000円台を回復し昨日の下落。そして本日は大幅安となり、目標達成感から調整入りの形となったようです。
 週明けから急反発を演じ再度14,000円にアタックする動きを見せてくれば戻り継続の動きとなりますが、25日移動平均線を割り込みさらに13,300円を割り込んでくると、再度安値を確認する下げとなる可能性もあるため注意も必要です。

 昨日に「騰落レシオは短期的な天井とも取れる数値を示し、1月22日12,572円安値から既に1,533円幅(12.19%)の反発を演じている。いつ何時短期調整入りとなっても可笑しくない、むしろそれも自然の動きと認識される」と書かせていただきましたが、本日一気に25日線付近まで売られるとは、また値動きが激しくなってきました。
 来週は25日線付近で踏みとどまり25日線を下値サポートとする動きとなるか?或いは、27日高値を2番天井とし下落し再度安値付近まで下げてしまうのか?どちらの動きとなるかが注目されます。下げだしたので無理をしないで慎重姿勢で臨みましょう。