預金準備率を引き上げたうえ、四川省で大地震が発生した中国市場の動向が懸念されたが、影響は限定的との見方が優勢となった。現地に拠点を持つトヨタセブン&アイなどが朝方から堅調に推移したほか、コマツ日立建機などが復興需要期待で大幅高。10時半スタートの中国株式市場も比較的落ち着いた値動きを見せたことで、相場全体に安心感を与えた。とはいえ、被害状況の全貌は未だ把握できていない状況だけに、楽観視するのも禁物だろう。

 日経平均は中国市場の落ち着きを背景に、後場先物主導で上げ幅を拡大したが、14000円を目前に失速した。5月限SQ値が13,974円であるだけに、心理的な節目である14000円手前は戻り待ち売り圧力が強いと思われる。相場全体の上値が重くなる状況では、個別の銘柄選別の動きが強まりそうだ。足元では、3月期本決算発表が相次いでおり、前日に市場予想を上回る見通しを発表した富士通、SANKYOなどが商いを伴って急騰した一方、市場予想を下回る見通しを示した丸井が急落するなど明暗を分けた。決算発表のピークは15日だが、あすも240銘柄近く(ザラ場中に50銘柄近く)が予定しており、決算発表に一喜一憂する銘柄が多くなりそうだ。