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　日経平均は5月7日につけた直近の戻り高値（14208円）を上回り、終値ベースでは1月10日以来の高水準となった。東証1部の売買代金は活況の目安とされる3兆円に迫り、年初来高値更新銘柄数は今年最多の245を記録するなど、商いを伴って幅広い銘柄が上昇している。特に、前日のＮＴＴに続き、きょうはソニーが一時Ｓ高まで買い進まれたのが目を引く。株主還元姿勢や、コンセンサスを上回る増益見通しなどが評価されたにせよ、これだけの大型株がＳ高まで買い進まれるのは相場が転換期を迎えている象徴なのかもしれない。メリルリンチの「5月ファンドマネージャー調査」によると、今後1年間に日本株を最もオーバーウェイトしたい世界の投資家が+5％（4月は-3％）と、昨年8月以来のプラスに転じたという。また、日本企業の業績見通しが最も暗い、日本株をアンダーウエイトする投資家が減少する一方、日本株をオーバーウエイト、最も割安と考える投資家が増加するなど、外国人投資家が日本株を見る目が変化しつつあるようだ。

　ただ、マクロ環境は依然として厳しい。寄り付き前発表の3月機械受注は市場予想（-5.1％）を下回る8.3％減で2ヵ月連続の減少。同時に発表された4-6月期見通しも10.3％減で、内閣府は基調判断の下方修正を余儀なくされた。あすは1-3月期のＧＤＰ速報値が発表されるが、市場予想は前期比年率+2.5％程度と、1％台後半ぐらいとされる潜在成長率を大幅に上回ると見込まれている。市場予想を上回る着地となれば、上昇相場の追い風になりそうだが、逆に大きく下回る着地となれば冷や水を浴びせかねないだけに注目したい。なお、先月末から週末は債券相場・日経平均とも波乱の展開をみせている。直近3週間をみると、4/25、5/2は「債券売り・株買い」で、債券相場が急落・日経平均は急騰。一方、5/9は「債券買い・株売り」で債券相場が急騰・日経平均は急落しただけに、債券相場の動向にも注意を払いたい。

　■□　本日の株式市場の全般的な動き　□■

　2008年5月15日の東京株式市場は日経平均株価が続伸いたしました。
昨晩の米NY株式市場は上昇。DOWは＋66ドルの12,898ドル、NASDAQ総合指数は＋1.58ポイントの2,496.70ポイントとなりました。
　シカゴ平均株価先物は大証終値＋95円の14,205円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り2120万株、買い3410万株で、差し引き1290万株の大幅買い越し(金額ベースも買い越し)観測でした。

　東京株式市場は買い安心感が広がり上昇。日経平均株価は始値14,167円と前日終値14,118円から49円高くスタート。ソニーなど主力株に強い動きが見られ幅広い銘柄が買われました。引けは＋133円の14,251円で取引を終了。後場に入り＋234円の14,352円まで上昇する場面がありました。
　東証１部の騰落数は、値上がり1,305銘柄、値下がり341銘柄、変わらずは76銘柄。東証１部の売買代金は2兆9,519億円、売買高は24億4,603万株となっております。

　■□　主力株・１部２部銘柄などの動き　□■

　本日の東京株式市場は主力株を中心に幅広い銘柄が買われ、日経平均株価が続伸いたしました。
　個別では、三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、大和証券グループ本社(8601)、野村ホールディングス(8604)、新光証券(8606)など証券株が買われ上昇。

　 新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、神戸製鋼所(5406)など鉄鋼株や、住友金属鉱山(5713)、東邦亜鉛(5707)、ＤＯＷＡホールディングス(5714)など非鉄金属株が上昇。
　商船三井(9104)、川崎汽船(9107)、新和海運(9110)など海運株や、伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)など商社株、京セラ(6971)、キヤノン(7751)などハイテク株も上昇いたしました。

　目立った銘柄では、本日買いの特別会員銘柄からドリームインキュベータ(4310)がストップ高まで買われたのを始め、決算発表銘柄から近畿車輛(7122)、ＮＳＷ(9739)がストップ高。サニックス(4651)、アリアケジャパン(2815)、フジシールインターナショナル(7864)、藤倉化成(4620)などが上昇。
　その他、ＮＥＣエレクトロニクス(6723)、サンフロンティア不動産(8934)、フィデック(8423)、ゴールドクレスト(8871)、グッドウィル・グループ(4723)などが買われております。

　■□　新興市場銘柄の動きと投資戦略　□■

　本日の新興市場はしっかり。主力株では、インデックスＨＤ(4835)、オプト(2389)、アルデプロ(8925)、日本風力開発(2766)、スタートトゥデイ(3092)などは株価を落としましたが、ＧＣＡサヴィアングループ(2174)、サイバーエージェント(4751)、ダヴィンチ・アドバイザーズ(4314)、エヌ・アイ・エフＳＭＢＣベンチャーズ(8458)、サイバー・コミュニケーションズ(4788)などは上昇いたしました。
　新興3市場は、JASDAQ平均、ヘラクレス指数は続伸いたしましたが、マザーズ指数は下落しております。

　個別では、ケアネット(2150)を始め、ビジネス・ブレークスルー(2464)、チップワンストップ(3343)、イー・キャッシュ(3840)、イマジニア(4644)、インテリジェント　ウェイブ(4847)、ニューフレアテクノロジー(6256)、ネットインデックス(6634)、アイディーユー(8922)、リプラス(8936)などが値幅制限いっぱいまで買われました。

　さて、日経平均株価は続伸しとうとう高値を抜いてきました。個別銘柄の動きも良く幅広い銘柄が上昇。底上げ循環物色は継続しております。日経平均株価も４日続伸ですので明日以降２日３日もみ合う動きが予想されます。主力株の多くは指数に連動するので、そうなると主力株がお休みの時に動き出す材料株や仕手株、新興市場銘柄などに目を向けていきます。
　銘柄では、ピックアップしていた　シナジーマーケティング(3859)が本日ストップ高まで暴騰いたしました。株価位置の低い底値遊びを続けている銘柄が今後も順番に飛び出してくることが予想されます。ＵＳＥＮ(4842)、アイフリーク (3845)、スター・マイカ(3230)、トレイダーズＨＤ(8704)などを上昇期待で追っていきます。

　■□　日経平均株価の動向と予想　□■

　本日の日経平均株価は＋133円の14,251円と４日続伸。昨晩の米NY株式市場は上昇。4月の米消費者物価指数(ＣＰＩ)が落ち着きインフレは抑制されているとの見方から堅調な動きとなりました。
　東京株式市場は米NY株式市場の上昇や、円安方向の為替、シカゴ平均株価先物が大証終値＋95円の14,205円と高く買われたことなどから買い優勢で取引を開始いたしました。

　日経平均株価は＋49円の14,167円と高くスタート。寄り付き後も買いは続き上昇。2時半以降に売られ上げ幅を縮小いたしましたが＋133円の14,251円と続伸。終値で明確に5月7日の高値14,208円を上抜けてきました。
　中期基調は下向きからフラットに転換。短期基調は上向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは○○●●○○●●○○○○と「８勝４敗」。25日移動平均線は13,604円と上向き。日足は上ヒゲを持つ幅のある陽線を形成。陽線は４本連続で窓を開けております。

　4月7日の14,208円から12日の13,540円まで3営業日で668円幅の下落を演じ、過熱感を解消した後に本日も上昇し４日続伸となりました。終値では高値を更新し更なる上昇が期待される形となっております。ただ、13,540円から本日高値の14,352円まで812円の上昇となっており、ここから上は徐々に上値も重くなってくることが考えられます。
　昨日に「場中にしっかりと上げる強い動きが続いておりますので週末にかけ高値を取ってくることが考えられます」と書かせて頂きましたが、強い動きは続いております。テクニカルで超過熱圏に入るまで、或いは腰折れになるまでは順張りで見ていく形となります。ただ４日続伸ですので明日は一服で弱い動きが予想されます。