日経平均は100円超上昇する場面もみせたが、14000円を目前に失速。大引けにかけて下げに転じ、小幅ながら6日続落となった。米FOMCが無事通過したことで、様子見を決め込んでいた投資家の戦列復帰を期待したが、肩透かしに終わったようだ。東証1部の売買代金は辛うじて2兆円台はキープしたとはいえ、前日比6.5%減の2兆254億円と低迷し、上値を積極的に買い進むだけのエネルギーは乏しい。また、これまで相場を賑わっていた材料株は下火になりつつあるようだ。GSユアサに代表される電池関連、井関農機に代表される農業関連が総崩れとなり、材料株物色も終盤を迎えたとみられる。その一方で、外国為替相場で円相場が対ユーロで導入後の最安値を更新し、ユーロ高メリットのハイテク株に堅調な銘柄が散見された。特にソニーの上昇が目立ったが、引け後に中期経営計画を発表しており、市場がどのような評価を示すか注目されよう。

 日経平均が6日続落する一方で、債券相場は5日続伸。6月16日に1.895%まで上昇した長期金利は1.645%まで低下している。これまでのように明確な「債券買い・株売り」のような極端な動きはないが、債券相場の上昇は投資家のリスク回避姿勢の証左と思われる。その意味でも、あすは5月CPI(全国消費者物価)に注目したい。4月末発表の3月CPIは前年同月比+1.2%と10年ぶりの上昇率を記録し、エネルギーと食料を除くベースでも+0.1%と9年半ぶりに上昇に転じた。5月末発表の4月CPIは暫定税率の期限切れに伴うガソリン価格の下落で伸び率は+0.9%に鈍化したとはいえ、穀類を中心に食料品が幅広く値上がりした。今回の5月分は暫定税率が復活したことで再び上昇幅が拡大する公算が高いが、市場予想(+1.4%)を上回るか否か要注目だ。CPI上昇が債券相場の下落に繋がれば、「債券売り・株買い」の構図が復活する可能性もあろう。また、足下の景気動向を確認する意味でも5月鉱工業生産が市場予想(+2.7%)を上回るか否かを併せて注目されたい。