本日の東京市場、NY市場の大幅安とシカゴ225先物の18.080円引けを受けて136円安で始まり安値223円安まで下げる所があって大引け203円安の18.049円、先物は久しぶりにまとまった売り叩きが入って出来高8万5.639枚の18.060円引けとなっている。日銀金融政策決定会合に於ける金利動向と週末のSQを控えての様子見で商いも少なく力も弱い所へNY市場の大幅下落が重なった事で全面大幅安となっているが、あくまでNY市場に於けるダウ新値取り前のサブプライムローン問題再燃に依る一服がキッカケであるだけに本日の下落は以前よりあるSQ前の一押しとして見る事が大切である。
本日の相場は久しぶりの200円を超える大幅下落という事で中身に於いても全面安となっているが、その中でも東芝を中心とする原子力関連株、丸紅を中心とする商社株、更には機械株や繊維株等々、折からのテーマを背景にうねりを伴った強い動きが目立っている。本日の一日を通した大幅な下落の中でも強い流れがあるという点は相場は生きているという事であり、本日の下落を弾みにした反発に依ってこの所の無気力な相場から次の段階へ入るものと筆者は見る。動揺する事無くSQに向けた反転に期待である。
■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■
 7月11日の東京株式市場は日経平均株価が大幅続落いたしました。
 昨晩の米NY株式市場は大幅反落。DOWは−148ドルの13501ドル、NASDAQ総合指数は−30.86ポイントの2639.16ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値−180円の18,080円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り2950万株、買い3100万株、差し引き150万株の買い越し観測(金額ベースでは小幅売り越し)でした。
 東京株式市場は米NY株安を嫌気し幅広い銘柄が売られております。日経平均株価始値18,116円と前日終値18,252円から136円安くスタート。売り優勢の展開で前日比−224円の18,028円まで下げ幅を拡大。後場軟調に推移し、引けは−203円の18,049円で本日の売買を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり261銘柄に対し、値下がりは1,373円銘柄、変わらずは93銘柄。東証1部の売買代金は概算で2兆7165億円、売買高は19億7574万株となっております。
 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■
 本日の東京株式市場は主力株を筆頭に幅広い銘柄が売られ続落となりました。昨晩の米NY株式市場が企業業績の悪化やサブプライムローン問題などから下落した影響を受け、東京株式市場も下げております。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、大和証券グループ本社(8601)、野村ホールディングス(8604)など証券株、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)など不動産株が売り物に押され下落。
 新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)など鉄鋼株、住友金属鉱山(5713)、DOWAホールディングス(5714)など非鉄金属株も売られております。
 その中、NY原油先物高から国際石油開発帝石ホールディングス(1605)、昭和シェル石油(5002)、AOCホールディングス(5017)など石油関連株の一角が上昇。第一中央汽船(9132)、乾汽船(9113)、共栄タンカー(9130)など海運株の一角も買われております。
 本日は「ザラ場の銘柄情報」ピックアップ銘柄から暴騰銘柄が続出。プラント関連出遅れ銘柄のチノー(6850)が+100円の606円とストップ高まで買われた他、特定資金介入のエネサーブ(6519)もストップ高。同じく動きあるところをピックアップしたミサワホームホールディングス(1722)、クリード(8888)、日本農薬(4997)なども幅のある上昇を演じました。
 一人旅を続ける木村化工機(6378)がストップ高を重ねた他、宇徳運輸(9358)、NECエレクトロニクス(6723)もストップ高まで買われております。
 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■
 本日の新興市場は売り物に押され続落。主力株では、ジュピターテレコム(4817)、スパークス・グループ(8739)、インデックスHD(4835)、ディー・エヌ・エー(2432)、ソネットエンタテインメント(3789)などそろって売られております。
 JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数は下落いたしました。
 個別では、「ザラ場の銘柄情報」でピックアップした銘柄からジャパン・デジタル・コンテンツ信託(4815)、アガスタ(3330)、ターボリナックス(3777)がそろってストップ高となりました。その他、ジャストシステム(4686)、コモンウェルス・エンターテインメント(7612)、サイバーステップ(3810)、アイディーユー(8922)などが逆行高となっております。
 さて、日経平均株価は200円幅の下落を演じ、東証1部の騰落数は値下がり銘柄1,373円銘柄と全般安の様相となっております。日経平均株価が大きく下落したことから、市場では慎重な見方が高まっております。
 しかし、大幅上昇を遂げる銘柄も散見され短期資金の動きは衰えておりません。むしろ大型株が弱いことから材料株を中心に特定の銘柄に資金が集中しており、そうした銘柄へ資金を傾けるとサクサクと取れる環境といえます。
 昨日に「まだ上値が残っているものと思われます」と書かせて頂いた、田淵電機(6624)、日本農薬(4997)もそろって上昇しております。明日以降は木村化工機(6378)の次に動き出す銘柄を探っていく形となります。航空機関連銘柄から東レ (3402)、サカイオーベックス(3408)などの上昇に期待しております。
 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■
 本日の日経平均株価は−203円の18,049円と大幅続落。昨晩の米NY株式市場安にシカゴ平均株価先物も大きく売られたことが嫌気され下落。明日に日銀金融政策決定会合、週末にオプション7月物のSQ算出を控えていることも見送り姿勢を強めております。
 日経平均株価は−136円の18,116円で買い約定。寄り付き後も売り圧力は続き、明確な反発は演じぬまま−203円の18,049円で引けております。
 中期基調は上向き継続。短期基調は上向きから下向きに転換いたしました。日経平均株価のサイコロは●●○○○○○○●○●●で「7勝5敗」。25日移動平均線は18,055円と上向きからフラットに。日足は下放れ短陰線を形成。
 チャートは三角保ち合いを形成し煮詰まり状態となっておりました。上に抜けるのか?下に落としてしまうのか?注目されておりましたが、本日ストンと下げてきました。
 高値圏で硬直状態が続いた後に下げてきたことから通常でしたら「下落の始まりで売り」となるのですが、上昇トレンドは崩れてはおりませんので、「下落スタート」と決め付けるにはまだ早いか。引き続き高値を抜き去るエネルギーが蓄積されるまで、上下に揺れる動きが続きます。