本日の東京市場、NY市場の上昇とシカゴ225先物の18.125円引けを背景に56円高で始まり18.100円中心の堅調な動きであったが2時過ぎから先物に大量の売り叩きが入って一気に130円安まで急落して大引け65円安の17.984円、先物は10万6.925枚の大商いで17.980円引けと波乱の一日となっている。NY市場で折に触れては再燃するサブプライムローン問題が我が国の一部大手金融機関にも関係するとの噂が流れた事が2時過ぎの先物売りへとつながっている。本日はこれに依って堅調であった相場が大引け直前で一変して昨日に続く出来高増加を伴う全面安となっているが、いずれにしても毎度SQ前は一旦下に振ってここまで来ているだけに今回サブプライムローン問題が無くとも他の不安材料を理由に一度は下げている程度に筆者は受け止めるものである。そもそもサブプライムローン問題はNY市場の問題である上に既に山を越えてFRBも改めて「連鎖破綻の恐れは無い」と発表しており悪影響を受けるのはこれを投信に組み込んでいるごく一部の企業だけであって東京市場の相場全体が下げる様なものでは無い。心配するどころかこんな理由で大幅に下落したという点と先物出来高が久々に10万枚乗せた点を今後の上昇の素として強気で臨む所である。折から筆者は選挙前に一相場ありと見ているが、本日の動きでその可能性はより高まったという所であり今夜のNY市場と明日のSQをどう通過するかに注目である。
■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■
 7月12日の東京株式市場は日経平均株価が続落いたしました。
 昨晩の米NY株式市場は反発。DOWは+76ドルの13577ドル、NASDAQ総合指数は+12.63ポイントの2651.79ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+65円の18,125円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り3100万株、買い3300万株、差し引き200万株の買い越し観測(金額ベースも買い越し)でした。
 東京株式市場は大口売りが出て急落となりました。日経平均株価始値18,105円と前日終値18,049円から56円高くスタートし小高く推移しておりましたが、後場中頃から下げに転じました。一時前日比−130円の17,919円まで下げ幅を拡大。引けは−65円の17,984円と18,000を割り込み本日の売買を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり609銘柄に対し、値下がりは972円銘柄、変わらずは147銘柄。東証1部の売買代金は概算で2兆8607億円、売買高は22億55万株となっております。
 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■
 本日の東京株式市場は売り物に押され続落。材料株相場を引っ張ってきた原発関連の木村化工機(6378)が一気にストップ安に崩れたことから短期資金が利食いを急ぎ、材料株を中心に売りが広がる形となりました。
 個別では、新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)など鉄鋼株が軟調もみ合い小幅安。コマツ(6301)、日立建機(6305)、オークマ(6103)など機械株の一角が下落。また、アコム(8572)アイフル(8515)、プロミス(8574)など消費者金融株も売られております。
 目立った銘柄では、短期資金流入から丸山製作所(6316)、北野建設(1866)、東都水産(8038)が人気化し暴騰。丸山製作所(6316)はストップ高買い気配で終えております。また、大日本印刷(7912)と資本・業務提携するとの報道から丸善(8236)が上昇。
 その他、石井鐵工所(6362)、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(4756)、共立メンテナンス(9616)、日本化成(4007)なども買われております。
 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■
 本日の新興市場は売り物に押され続落。主力株では、ダヴィンチ・アドバイザーズ(4314)、アセット・マネジャーズ(2337)など不動産ファンド関連株の一角が買われましたが、SBIイー・トレード証券(8701)を始め、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ(8458)、インデックスHD(4835)、ACCESS(4813)、ミクシィ(2121)、GCA(2126)などはそろって下げております。
 JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数は続落いたしました。
 個別では、イーネット・ジャパン(3334)、ターボリナックス(3777)、フォトニクス(7708)などがストップ高まで買われ、ジェーソン(3080)、ジャストシステム(4686)、ピーアンドピー(2426)なども買われております。
 反面、ジェイプロジェクト(3063)、TCBテクノロジーズ(2356)、UBIC(2158)、フリービット(3843)、ファンコミュニケーションズ(2461)などが大きく売られております。
 さて、これまで派手な上昇を演じていた木村化工機(6378)が崩れ、それに代わるような形で丸山製作所(6316)、北野建設(1866)、東都水産(8038)などが人気化しております。それぞれ過去に暴騰した仕手性株となっており、明日以降も人気が継続し続騰するかが注目されております。
 ただ、短期資金が向かう銘柄が広がりを見せていることや、資金の逃げ足も早まっていることから仕手性銘柄への買いは注意も必要といえます。
 航空機関連の東レ(3402)や底値もみ合いを離脱してきた豊田通商(8015)などをじっくりと見ていかれても良いかと思われます。日本化成(4007)、共立(6313)は直近高値を抜けてきました。
 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■
 本日の日経平均株価は−65円の17,984円と続落。昨晩の米NY株式市場の反発にシカゴ平均株価先物も小高く買われたことから+56円の18,105円と小高く始まりました。
 しかし後場に入り先物主導で下落。引けは−65円の17,984円と3日続落となり、6月28日以来2週間ぶりに18,000円台を割り込みました。
 中期基調は上向きから下向きに転換しようとしております。短期基調は下向き継続。日経平均株価のサイコロは●○○○○○○●○●●●で「7勝5敗」。25日移動平均線は18,052円と下向きとなりました。日足は下ヒゲを持つ陰線を形成。
 チャートは右上がりの三角フラッグを形成、上に抜けるのか?下に落としてしまうのか?注目されておりましたが、続落しトレンドラインを割り込み下放れの形に。本日続落したことからチャートが悪化、きついチャートとなっております。
 テクニカル的には一端反発が期待される位置に差し掛かっており、明日以降戻りを試す動きが予想されますが、このまま18,000円を割り込みがちとなると、反発しても上値が重くなります
 ただ長期上昇トレンドは崩れてはおりませんので、ここから更に深く下げるような動きにはならないのではないか、と思われます。「下落スタート」と決め付けるよりは、17,900円〜18,300円前後でのボックスの動きと思われます。引き続き高値を抜き去るエネルギーが蓄積されるまで、上下に揺れる動きが続きます。