昨日の引け際の急落を背景に注目されたNY市場はダウ、S&P、ナスダック、いずれも寄りから引けまで一貫した強い上昇で新高値、シカゴ225先物も18.195円引けとなって完全に弱気筋の期待を裏切る動きとなった。これを受けて本日の東京市場は朝から大量の買戻しが入って176円高で始まりザラ場で高値更新の284円高まであって254円高の18.238円引け、先物も10万8.625枚の出来高で18.270円の終りとなっている。本日の相場はここ数日急増した弱気の売りの買戻しに依って作られており、一気に高値挑戦に入ってSQ値18.177円とシカゴ225先物の18.195円のいずれも大幅に上回る大引けは文句無し最高の相場付きである。相場は理想的な動きでSQを通過して次の段階に入ったという所であり、これで来週早々18.300円を抜いて筆者の言う「選挙前に一相場」が現実のものとなるであろう。
この所しばらく続いて来た無気力な相場は昨日大量の売りが入った事に依る本日の踏み上げで完全に決別した。

本日の株式市場の全般的な動き

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 7月13日の東京株式市場は日経平均株価が大幅反発いたしました。
 昨晩の米NY株式市場は大幅上昇。DOWは+283ドルの13861ドルと高値更新、NASDAQ総合指数も+49.94ポイントの2701.73ポイントと上昇しました。

 シカゴ平均株価先物大証終値+215円の18,195円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り3130万株、買い3990万株、差し引き860万株の買い越し観測(金額ベースも買い越し)でした。

 東京株式市場は米NY株市場の大幅高を好感し大きく反発。日経平均株価始値18,161円と前日終値17,984円から177円高くスタート。先物主導で買い進められ、前日比+284円の18,268円までの上昇が見られました。引けは+254円の18,238円で本日の売買を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり1,029銘柄に対し、値下がりは558円銘柄、変わらずは144銘柄。東証1部の売買代金は概算で3兆1061億円、売買高は20億2267万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 昨日までの下落で「調整入りか?」と思われた東京株式市場ですが、米NY株式の大幅高の後押しから日経平均株価が一気に高値圏まで戻していきました。
 個別では、伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)、三菱商事(8058)など商社株が上昇。住友金属鉱山(5713)、三菱マテリアル(5711)、DOWAホールディングス(5714)など非鉄金属株も買われております。

 また、商船三井(9104)、新和海運(9110)、明治海運(9115)など海運株や、キヤノン(7751)、ソニー(6758)、京セラ(6971)などハイテク株も上昇。三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)などの不動産株も買われております。
 目立った銘柄では、「ザラ場の銘柄情報」でピックアップしたゼクス(8913)を始め、東北ミサワホーム(1907)、エネサーブ(6519)、クボテック(7709)がストップ高。道路関連株物色の流れから世紀東急工業(1898)も人気化。その他、日本農薬(4997)、シルバーオックス(8024)、第一中央汽船(9132)、真柄建設(1839)なども幅のある上昇を演じております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場押し目買いが入り小幅反発。主力株では、楽天(4755)を始め、SBIイー・トレード証券(8701)、ACCESS(4813)、USEN(4842)などが買われましたが、インテリジェンス(4757)、ミクシィ(2121)、GCA(2126)などは売られております。
 JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数は反発いたしました。

 個別では、ソフトフロント(2321)、ハブ(3030)、グリーンフーズ(3367)、ギガプライズ(3830)、ODKソリューションズ(3839)、日本一ソフトウェア(3851)、ジャパン・デジタル・コンテンツ信託(4815)などがストップ高まで買われた他、コモンウェルス・エンターテインメント(7612)、アイ ビー ダイワ(3587)、エイチアイ(3846)なども幅のある上昇を演じております。
 反面、ジャストシステム(4686)、データ・アプリケーション(3848)、ファンコミュニケーションズ(2461)などが大きく売られております。

 さて、日経平均株価が大きく上げてきましたが、東証1部の騰落数は値上がり1,029銘柄に留まり、東証1部で10%以上の上昇を演じた銘柄は僅か4銘柄となっております。本日は米NY株高を見て、主力大型株を始め材料株、仕手性銘柄などと資金が広がった為、個別株ではそれほど大きな動きになっておりません。
 ただ、本日の反発から連休明けの動きに期待する見方も多く、高値は抜け切れなかったにせよ、下げたままではなくしっかりと反発したことから良い形で1週間を終えたといえます。

 個別では、日本農薬(4997)が大幅上昇を演じ高値を更新。特別会員中期注目銘柄の三菱マテリアル(5711)も徐々に目立つ動きとなってきました。また、水曜日提案の注目銘柄の第一中央汽船(9132)も+57円の766円と反発し終値ベースで高値を更新。本日しっかりと買われたことから来週は更なる上昇が期待される足取りとなっております。

 その他、これまで派手な上昇を演じていた木村化工機(6378)に代わり暴騰した丸山製作所(6316)、北野建設(1866)が続伸いたしました。東都水産(8038)は反落となりましたが、月末に向け仕手株人気が更に高まり熱い相場を演出するかも注目されます。

 個別では、かつて丸山製作所(6316)、東都水産(8038)などと歩調を合わせ仕手相場を演じた銘柄から宮地エンジニアリンググループ(3431)などをマーク。新興市場銘柄では、底値遊びを終え上昇転換のピーアンドピー(2426)をマーク。アガスタ(3330)のような上昇に期待しております。
 その他、航空機関連の東レ(3402)やサカイオーベックス(3408)もマーク継続となります。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+254円の18,238円と大幅反発。昨晩の米NY株式市場がM&Aの報道や、企業業績への期待感から大幅続伸。NYDOW、NASDAQ総合指数の両指数ともに過去最高値を更新いたしました。
 東京株式市場は、米NY株式市場の大幅上昇やシカゴ平均株価先物高を素直に好感し上昇。円安基調の為替やSQ通過による買い安心感も後押ししております。

 日経平均株価は、+177円の18,161円と高く始まりましたが、寄り付き後も腰折れすることなくジリジリと上げ幅を拡大。引けは+254円の18,238円と、再び18,200円台に乗せてきました。
 中期基調は上向き継続。短期基調は下向きから本日の上昇で上向きに転じようとしております。日経平均株価のサイコロは○○○○○○●○●●●○で「8勝4敗」。25日移動平均線は18,071円と下向きから上向きに転換。日足は上放れの陽線を形成。

 昨日に「長期上昇トレンドは崩れてはおりませんので、ここから更に深く下げるような動きにはならないのではないか、と思われます」と書かせて頂きましたが急反発。来週は、7月5日の18,295円、6月20日の18,297円を抜けてくるか注目されます。
 明確に高値を抜けてくるまでは、17,900円〜18,300円前後でのボックスの動きと思われます。引き続き高値を抜き去るエネルギーが蓄積されるまで、上下に揺れる動きが続くことと思われます。