NY市場の大幅下落をキッカケに売り一色で始まった朝方は一昨日と同様の本日の東京市場であるが、後場からの全体相場とその中身は全く違う強い動きとなっている。大引けまで下げっぱなしであったNY市場に対して本日の東京市場は191円安で始まり安値268円安を付けた所から戻しに入って大引け143円安の17.858円、相場の中身に於いて昨日入れ替わった柱としての新しい流れが後場から強く高値を取って来た事がこの動きの背景である。本日の全体相場の下落はNY市場に於いて期待されていた各企業の決算が予想を下回った事を受けての動きであって東京市場の実質的な悪材料では無い点、相場の内から発する新しい相場の流れの強い上昇に依って大引けにかけて100円以上戻した点に注目である。
NY市場の相場は連日の強力な上昇で14.000ドルにも乗せた新高値からの一服であり、折から上昇し切れず出遅れたままちんたらしている東京市場の相場とは根本的に違うものである。本日の後場の切り替えしは相場がそれを証明したものと筆者は見る。これに加えてNY市場の相場が高値からの一服に留まらずこのまま調整に入るとなると割安な東京市場を狙って外人買いが更に加速する可能性も出て来た所である。いわゆる「NY売りの東京買い」の動きであるが、その意味でも参院選までの残す2日間は重要な意味を持つ相場として注目する所である。
■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 7月25日の東京株式市場は日経平均株価が反落いたしました。
昨晩の米NY株式市場は大幅反落。DOWは−226ドルの13716ドル、NASDAQ総合指数は−50.72ポイントの2639.86ポイントとなりました。

 シカゴ平均株価先物大証終値−275円の17,745円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り4070万株、買い2720万株、差し引き1350万株の売り越し観測(金額ベースでも売り越し)でした。

 東京株式市場は米NY株式市場の大幅下落を嫌気し反落。日経平均株価始値17,810円と前日終値18,002円から192円安くスタート。前日比−269円の17,733円まで下げ幅を広げる場面がありましたが、その後は押し目買いが入り下げ幅を縮小。引けは−143円の17,858円で本日の売買を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり390銘柄に対し、値下がりは1,247銘柄、変わらずは89銘柄。東証1部の売買代金は概算で2兆8577億円、売買高は20億4700万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 東京株式市場はまたもや米NY株安と円高を嫌気し下落いたしました。参院選前で積極的な買いは限定的。市場では本日米国での住宅関連指標発表からの米NY株式市場の動向を見極めたいと様子見姿勢が強まっております。

 個別では、原油価格の下落から国際石油開発帝石ホールディングス(1605)、新日本石油(5001)、昭和シェル石油(5002)、コスモ石油(5007)などの石油株が下落。為替の円高からトヨタ自動車(7203)、ホンダ(7267)など自動車株や、キヤノン(7751)などのハイテク株も売られております。
 また、日本興亜損害保険(8754)、富士火災海上保険(8763)、T&Dホールディングス(8795)など保険株は売り物に押され下落。住友金属工業(5405)、神戸製鋼所(5406)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)など鉄鋼株や、東邦亜鉛(5707)、DOWAホールディングス(5714)など非鉄金属株も調整継続となっております。

 その中目立った銘柄では、東芝(6502)を割当先に24億5266万円の第三者割当増資を行うとの発表が好感された池上通信機(6771)が+31円の203円と上昇し東証1部上昇率ランキングトップに君臨。「伊勢丹資本提携に向けた交渉に入ることが明らかになった」と報じられた三越(2779)や、原子力発電所主体のメインテナンスを手がける東京エネシス(1945)、業績の上方修正が好感されたSMK(6798)などが人気化し上昇。
 その他、日本橋梁(5912)、パシフィックゴルフグループインター(2466)、エー・アンド・デイ(7745)、クボテック(7709)などが上昇。川崎汽船(9107)、乾汽船(9113)、明治海運(9115)など海運株も買われております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は高安マチマチの動きとなっております。主力株では、楽天(4755)を始め、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ(8458)、インデックスHD(4835)、ACCESS(4813)、ミクシィ(2121)、フィンテック グローバル(8789)などが上昇いたしましたが、インテリジェンス(4757)、GCA(2126)、USEN(4842)、ガンホーオンライン(3765)などは売られております。
 JASDAQ平均、マザーズ指数は上昇いたしましたが、ヘラクレス指数は下落いたしました。

 個別では、「ザラ場の銘柄情報」でピックアップしたファーストエスコ(9514)、ジャストシステム(4686)がストップ高まで買われた他、ノバレーゼ(2128)、日本ファルコム(3723)、アルファ・トレンドHD(4352)、応用技術(4356)、ミマキエンジニアリング(6638)などがストップ高。その他、ラ・パルレ(4357)、ケアネット(2150)、ケイブ(3760)、テクノマセマティカル(3787)なども買われております。

 さて、新日本製鐵(5401)は小幅続落となりましたが、三菱重工業(7011)は出来高トップで+12円の890円と逆行高となりました。三菱重工業(7011)は原発関連の中核銘柄として存在感を発揮。「インドネシア電力会社から老朽化した重油焚き火力発電所の再生プロジェクトをフルターンキー契約で受注した」との発表が好感された形となっておりますが、市場では参院選後の相場のリード役として期待する見方も強まっております。

 また、三菱重工業(7011)の上昇から他の「重厚長大」大型株への再人気化も期待されるだけに、明日以降の動きが注目されます。
 短期資金を巻き込んだ「重厚長大」大型株相場が、再スタートを切るのか?或いは、相場の動向がはっきりとするまでは、大きく下げている新興市場銘柄のリバウンド狙いの動きが継続するのか?の動きが注目されます。
 個別では、新日本製鐵(5401)、住友金属鉱山(5713)など東証1部の大型銘柄や、ファンドクリエーション(3233)、トラストワークス(2154)、ngi group(2497)、ジェイエイシージャパン(2124)など新興市場の下げすぎ銘柄をマークしていきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−143円の17,858円と反落。昨晩の米NY株式市場はサブプライム問題に発表された決算への失望からデュポンやアメリカン・エキスプレスが急落。NYDOWが−226ドルの13716ドルと大幅な下落を演じるなど大幅反落となりました。
 寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況が差し引き1350万株の大幅な売り越し観測となったことや、円高基調の為替を嫌気し東京株式市場は朝方から売り優勢の展開となりました。

 日経平均株価は−192円の17,810円と大きく下落した水準で始まり、前場10時前後には−269円の17,733円まで売られましたがその後は押し目買いも入り下げ幅を縮小。引けは−143円の17,858円と少し戻して引けました。

 中期基調は下向き。短期基調も下向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは○●●●○●●○○●○●で「5勝7敗」。25日移動平均線は18,106円と下向き。日足は下放れの下ヒゲを持つ短小陽線を形成しております。
 本日の下落からチャートは更に弱くなっております。ただ明日以降の短期間でしっかりと反発し18,000円台に乗せてくると「この下落も調整だった」という見方も強まり、もみ合いながらも25日移動平均線上を目指す動きが期待されます。

 しかし、6月27日につけた直近安値の17,848円を本日下回って推移した場面があり、これまで続いていた17,850円〜18,250円前後での動きから下に落っこちた形となっております。
 素早く幅のある陽線を形成し反発力のあるところを見せないと調整期間が長引くこととなり、もう一段下でのもみ合いに変化いたします。ただ、市場では本日下げ渋ったことから明日以降の反発に期待する見方も強まっております。