NY市場に於いて発表された住宅新築販売の悪化を受けてサブプライムローン問題が再燃、ダウ311ドル安ナスダック48p安シカゴ225先物も17.270円の大幅下落となっている。これを背景に東京市場も朝から全般的に大量な投売りとなって247円安で始まり安値505円安があって大引け418円安の17.283円、先物は本日も大量の売り叩きが入って出来高17万1.536枚の大商いで17.290円引けとなっている。本日は選挙を控えて昨日の売り玉の動向が注目される所であったが、NY市場に於けるサブプライムローン問題の再燃とこれが今度は欧州にも広がる懸念に加えて為替に於いて円借り取引の巻き戻しに依る大幅な円高から本日の大幅下落につながっている。この全面大幅安の中では相場の中身に於いても好決算を発表した銘柄の反応も薄く柱になる流れも無い非常に悪い相場付きとなっているが、あくまでNY市場に於いて消えては再燃を繰り返すサブプライムローン問題は東京市場の実質的な悪材料では無い事を頭に入れておきたいものである。本日の総弱気の市場でも相場は辛うじて200日移動平均線17.265円を上回って引けており、今夜の4〜6月期GDP発表を受けてのNY市場と選挙を終えた来週の東京市場の相場の中身がどう変化するかに注目する所である。
東京市場の一株益は26日時点で933円、更に08年3月期は一株益1.057円が期待できるとの事である。これを元に指数的に出す株価は26日時点の933円で18.660円であり08年3月期の1.057円では21.140円であるが、念の為本日の大引け17.283円である。いかに現在の相場が雰囲気的な不安が先行して実体経済の好調を織り込んでいないかがよく解る数字である。また、これを背景に国内の投資家が売っている一方で一貫して外人が買っているという構図も出来ている。改めて自国の経済と相場に自信を持って臨みたいものである。
 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 7月27日の東京株式市場は日経平均株価が大幅続落いたしました。
昨晩の米NY株式市場は大幅下落。DOWは−311ドルの13473ドル、NASDAQ総合指数は−48.83ポイントの2599.34ポイントとなりました。

 シカゴ平均株価先物大証終値−430円の17,270円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り4730万株、買い2740万株、差し引き1990万株の大幅売り越し観測(金額ベースでも大幅売り越し)でした。

 東京株式市場は米株式相場の急落を受け大幅安。日経平均株価始値17,454円と前日終値17,702円から248円安くスタート。寄り付き後も明確な反発を見せることなく売り物に押される展開となり、ザラ場では前日比−506円の17,196円まで売られる場面もありました。引けは−418円の17,283円で本日の売買を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり134銘柄に対し、値下がりは1,543銘柄、変わらずは50銘柄。東証1部の売買代金は概算で3兆6261億円、売買高は25億505万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 週末金曜日、本日の東京株式市場は暴落。昨晩の米NY株式市場の大幅安を嫌気し売り物殺到。東証1部の騰落数は、値下がりは1,543銘柄と全面安となりました。
 個別では、新日本製鐵(5401)、神戸製鋼所(5406)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)など鉄鋼株や、住友金属鉱山(5713)、東邦亜鉛(5707)など非鉄金属株は続落。

 また、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、りそなホールディングス(8308)など大手銀行株や、大和証券グループ本社(8601)、新光証券(8606)など証券株も下落。三井不動産(8801)、住友不動産(8830)など不動産株や、三菱倉庫(9301)、三井倉庫(9302)など倉庫株も売られております。
 トヨタ自動車(7203)、ホンダ(7267)、スズキ(7269)など自動車株や、富士通(6702)、キヤノン(7751)、TDK(6762)などハイテク株も売り物に押され株価を落としております。

 その中目立った銘柄では、「ザラ場の銘柄情報」でピックアップしたオリエントコーポレーション(8585)が大幅上昇し東証1部上昇率ランキングトップに君臨。仕手化のクボテック(7709)はストップ高が続き、第1四半期決算発表からローランド ディー.ジー.(6789)も好人気。業績予想の上方修正からホクシン(7897)、澤藤電機(6901)も上昇。
 その他、NISグループ(8571)、アルテック(9972)、オーエムシーカード(8258)などが買われております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り物に押され続落。主力株では、楽天(4755)を始め、SBIイー・トレード証券(8701)、インデックスHD(4835)、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ(8458)、GCA(2126)、フィンテック グローバル(8789)、ACCESS(4813)、ダヴィンチ・アドバイザーズ(4314)などが売られましたが、ディー・エヌ・エー(2432)は好決算から買われております。
 JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数は続落いたしました。

 個別では、パソナテック(2396)、ザインエレクトロニクス(6769)、シンプレクス・インベストメント・アド(8942)などがストップ高まで買われた他、ソルクシーズ(4284)、エヌ・ピー・シー(6255)、リビングコーポレーション(8998)、ラ・パルレ(4357)などが買われております。

 さて、日経平均株価がここまで売られ個別銘柄も上昇トレンドを崩した銘柄が続出しております。既にズルズルと長期間に渡り売られている新興市場銘柄の下落は、日経平均400円安にしては限定的ですが、それでもほとんどの銘柄が下落しております。
 来週以降は底打ちからの反発・反騰相場を期待する見方となります。狙いは反騰時に上げ幅が大きい新興市場銘柄となります。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−418円の17,283円と暴落。昨晩の米NY株式市場は住宅市場の低迷深刻化とサブプライムローン懸念の高まりなどから大幅下落。NYDOWは−311ドルの13473ドルと今年2番目の下げ幅を記録。
 また、寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況が、差し引き1990万株の大幅売り越し観測となったことや、シカゴ平均株価先物大証終値−430円の17,270円と大幅に下落したことなどを受け、東京株式市場は売り気配で取引を開始いたしました。

 為替市場で一時1ドル=118円まで円高が進んだことも嫌気。日経平均株価は−248円の17,454円で始まり、引けは−418円の17,283円と大幅安。ザラ場では−506円の17,196円と17,200円を割り込む場面もありました。
 中期基調は下向き。短期基調も下向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは●●○●●○○●○●●●で「4勝8敗」。25日移動平均線は18,047円と下向き。日足は短い下ヒゲを持つ下放れ陰線を形成、暴落線。
 昨日の下落で5日移動平均線・25日移動平均線に続き、75日移動平均線も割り込み調整色を強め更なる下落が懸念された日経平均ですが大幅続落。慎重姿勢で臨んでいるものの29日の参院選前に暴落と予想外の動きとなりました。

 通常天井形成から下げ始め最初の「底打ち」となるには1ヶ月ほどの期間がかかります。それを考えると18,269円の直近高値をつけた7月17日から1ヵ月後は8月17日となり、その近辺で「底打ちとなる」ことが予想されます。
 しかし、調整には「時間の調整」と「価格の調整」があります。今回は7月17日18,269円から本日安値の17,196円まで、既に1,073円もの下落を演じており、いつ反発に転じても可笑しく無い状態です。
 本日は17,200円のサポートが働き17,283円で引けておりますが、終値で17,200円を割り込んでくると次のサポートラインは17,000円となります。来週は小幅反発の動きに期待しておりますが、小幅反発後も再度下値を確認する為の下落が待っていることと思われますので、引き続き慎重姿勢で取り組んでいきます。