米国株、3日ぶり急反落――ダウ281ドル安、ナスダック64ポイント安
 3日の米株式相場は3日ぶりに急反落。ダウ工業株30種平均は前日比281ドル42セント安の1万3181ドル91セントと5月1日以来の安値を付けた。ナスダック総合株価指数は同64.73ポイント安の2511.25と4月19日以来の安値だった。市場予想を下回る経済指標や、信用リスクへの警戒から売りが出た。



 S&P500種株価指数は1433.06と4月2日以来の安値だった。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は午後4時までの通常取引(速報)で約20億8000万株。ナスダック市場(速報)は約24億9000万株だった。



 7月の雇用統計で非農業部門の雇用者数は9万2000人増と市場予想(13万人増)を下回った。政府部門の減少が全体を押し下げた。5―6月の増加数が下方修正された。7月のサプライマネジメント協会(ISM)非製造業景気指数は前月から低下し、市場予想も下回った。米景気への先行き不透明感から売りを誘った。



 午前中ごろに、格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がベアー・スターンズの格付け見通しを「中立」から「ネガティブ」に引き下げた。格付け自体は据え置いた。昼過ぎにベアー・スターンズは「業績や資金の流動性などに不安はない」との見方を示したが、市場心理は改善せず株価は急落した。



 メリルリンチやJPモルガン・チェースなど金融株全般に売りが出た。経営難観測が高かった住宅ローン大手アメリカン・ホーム・モーゲージ・インベストメントが前日夜に大幅な人員削減を発表し、朝方から株価が急落。信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題に端を発した信用リスクへの警戒が強まりやすかった。午後に幅広い銘柄に売りが広がり、主な株価指数は安値圏で終えた。



 業種別S&P500種株価指数は全10種が下落。「公益」や「金融」の下げが目立った。ダウ平均構成銘柄は全30銘柄が下落。



 ベアー・スターンズは6%安。アメリカン・ホーム・モーゲージは5割以上下げた。増収増益決算と併せて発表した利益見通しが市場予想を下回ったプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)も安い。業績予想を引き下げたネットワーク・アプライアンスは20%の大幅安。アメリカン・エキスプレスは5.6%安で、ダウ平均で下落率トップ。



 一方、イーベイや食品のケロッグは上昇。