本日の東京市場、NY市場の堅調とシカゴ225先物の17.025円引けを受けて小高く始まり先物への買戻しを背景に高値163円高を付けて103円高の17.029引け、先物は13万3.403枚の出来高で17.100円高値引けと久々に終始堅調な一日となっている。先週の底を固める動きからようやく反転の動きとなった全体相場であるが、本日のその中身は一部の売り込みの多い優良株の反発と買戻しに依る上昇で全般的に動きが非常に悪くなっている点が気にかかる所である。本日の相場を見る限りではあくまで先物に連られた動きであって相場の柱の流れの上昇に依る真っ当な上昇ではないだけにもう少々見極めが必要な所である。
 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 8月8日の東京株式市場は日経平均株価が続伸いたしました。
昨晩の米NY株式市場は続伸。DOWは+35ドルの13504ドル、NASDAQ総合指数は+14.27ポイントの2561.60ポイントとなりました。

 シカゴ平均株価先物大証終値+85円の17,025円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り4200万株、買い3450万株、差し引き750万株の売り越し観測(金額ベースでも売り越し)でした。

 東京株式市場は好業績銘柄中心に買われております。日経平均株価始値16,930円と前日終値16,921円から9円高くスタートし、買い優勢の展開で17,000円台を回復。前日比+164円の17,085円まで上昇する場面がありました。引けは+107円の17,029円で本日の売買を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり672銘柄に対し、値下がりは964銘柄、変わらずは89銘柄。東証1部の売買代金は概算で3兆5733億円、売買高は25億4314万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は銀行株や保険株が買われております。寄り付き前に発表された6月機械受注統計は、前月比10.4%減と市場予想の平均値(同1.8%減)を大きく下回りましたが、日経平均株価先物主導で買われ上昇しております。

 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、横浜銀行(8332)、静岡銀行(8355)など地銀株が上昇。野村ホールディングス(8604)、三菱UFJ証券(8615)など証券株や、三井住友海上火災保険(8752)、日本興亜損害保険(8754)、損保ジャパン(8755)、ニッセイ同和損害保険(8759)など保険株が買われております。
 また、キヤノン(7751)、シャープ(6453)、TDK(6762)などハイテク株の一角や、NTTドコモ(9437)、KDDI(9433)、ソフトバンク(9984)などの通信株も買われております。

 目立った銘柄では、業績見通しの上方修正を発表した名古屋銀行(8522)、第1四半期決算発表からネツレン(5976)がストップ高と人気化。富士通ゼネラル(6755)は短期資金流入から高値更新・新展開入りとなり大幅上昇を演じた他、業績上方修正のCSKホールディングス(9737)、稲畑産業(8098)も買われております。
 その他、サイボウズ(4776)がストップ高となり、アルパイン(6816)、今仙電機製作所(7266)なども幅のある上昇を演じております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り物に押され下落。主力株では、楽天(4755)を始め、SBIイー・トレード証券(8701)、インデックスHD(4835)、ACCESS(4813)、GCA(2126)、日本M&Aセンター(2127)などが買われましたが、インテリジェンス(4757)、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ(8458)、ディー・エヌ・エー(2432)、アルデプロ(8925)などは売られております。
 JASDAQ平均、マザーズ指数は続落となりましたが、ヘラクレス指数は反発いたしました。

 個別では、デジタルアーツ(2326)を始め、ディア・ライフ(3245)、イーシステム(4322)、マネーパートナーズ(8732)、グラウンドファイナンシャルアドバイザリー(8783)などがストップ高まで買われ、ジャルコ(6812)、ネクストジェン(3842)、チップワンストップ(3343)、フルスピード(2159)なども大きく買われております。
 一方、コムチュア(3844)、ジェイテック(2479)、ジャパン・デジタル・コンテンツ信託(4815)、ジャストシステム(4686)、フォトニクス(7708)、ハイブリッド・サービス(2743)などがストップ安に沈んでおります。

 さて、日経平均株価が続伸し17,000円台に戻してきました。銀行株も反発し底打ち機運も高まっております。ただ、東証1部の騰落数を見ると、値上がり672銘柄に対し、値下がりは964銘柄と1,000銘柄に近く、指数は高いが個別では下落銘柄が多い状態。また、新興市場ではマザーズ指数が安値を更新するなど下げ止まり感が見られず、スッキリとしない動きが続いております。
 ただ、下げ続けている新興市場もテクニカル的にはいつ何時反発に転じても可笑しくは無く、ここからは反発を待つ形となります。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+107円の17,029円と続伸。寄り付き前に発表された6月の機械受注は前月比10.4%減と市場予想(2%減)を大幅に下回りましたが、昨晩の米NY株式市場の続伸や円安方向に傾いた為替などから押し目買いが入り上昇。
 FOMC、機械受注統計のイベント通過から買戻しも手伝い先物主導で上昇いたしました。銀行株の上昇も買い安心感を与えております。

 日経平均株価は+9円の16,930円で寄り付きジリジリと上昇。後場はもみ合う動きが続きましたが、+107円の17,029円と17,000円台に乗せ大引けとなりました。中期基調は下向き。短期基調は下向きから上向きに転換いたしました。日経平均株価のサイコロは○●●●○●●○●●○○で「5勝7敗」。25日移動平均線は17,714円と下向き継続。日足は短い上ヒゲを持つ陽線を形成。

 先日、米NY株式市場が大幅下落を演じた場面で安値更新とはならず下値を守り、本日は米NY株高を素直に好感。先物主導で上昇いたしました。日々強弱感が対立し読み難い動きとなっておりますが、ひとまず予想されたリバウンドの動きとなっております。
 「下げ終了となり17,500円に向かう」との見方も高まっておりますが、再度下落し2番底確認に向かう動きとなる可能性もあるだけに今しばらく見定める必要もあります。