本日の東京市場、NY市場の上昇とシカゴ225先物の17.300円引けを背景に141円高で始まり高値245円高まで上昇したが明日のSQに対する見送りの動きで大引け141円高の17.170円、先物は本日も10万7.857枚の大商いで17.220円の終りとなっている。昨日に続いて本日も先物を主導に動いた一日であるが、出来高38億1.000万株の売買代金5兆2.673億円と最近に無い大商いとなっている点に加えて寄り付きと引け値が1円単位まで同値となっている点に注目である。相場は先週で底を固めて昨日までで反転の形を作った所であり、これに本日の動きと明日のSQを以って上値取りに入るものと筆者は見る。本日の相場からして明日の前場にはこの所の不安定な相場に決着が付くのではないかと筆者は感じる所であり、明日は全体に於いても中身に於いても大きな変化を迎える事になるであろう。明日の相場の中身とSQ後の全体相場の動きに注目である。
 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 8月9日の東京株式市場は日経平均株価が続伸いたしました。
昨晩の米NY株式市場は続伸。DOWは+35ドルの13657ドル、NASDAQ総合指数は+51.38ポイントの2612.98ポイントとなりました。

 シカゴ平均株価先物大証終値+200円の17,300円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り4470万株、買い3950万株、差し引き520万株の売り越し観測(金額ベースでは買い越し)でした。

 東京株式市場は買い安心感が広がり続伸。日経平均株価始値17,170円と前日終値17,029円から141円高くスタート。前日比+245円の17,274円まで上昇し、その後も高値圏で推移しておりました。終盤に上値の重さから上げ幅を縮小し、引けは+141円の17,170円で本日の売買を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり884銘柄に対し、値下がりは782銘柄、変わらずは58銘柄。東証1部の売買代金はなんと5兆2673億円、売買高は38億1044万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は米NY株式市場の続伸を好感。内需関連株を中心に買われております。
 個別では、奥村組(1833)、鹿島(1812)、戸田建設(1860)など建設株の一角や、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、静岡銀行(8355)、広島銀行(8379)など地銀株が上昇しております。

 また、三井住友海上火災保険(8752)、日本興亜損害保険(8754)、ニッセイ同和損害保険(8759)など保険株や、三菱地所(8802)、平和不動産(8803)、住友不動産(8830)などの不動産株、東京電力(9501)、北陸電力(9505)、中部電力(9502)など電力株も買われております。
 目立った銘柄では、飯野海運(9119)が大幅上昇を演じ高値を更新した他、ダラダラと下げ続けていた富士興産(5009)が暴騰。その他、サニックス(4651)、ニッセンホールディングス(8248)、日本ケミファ(4539)、サンドラッグ(9989)、奥村組(1833)、カカクコム(2371)など多くの銘柄が幅のある上昇を演じました。

 反面、今期業績の大幅減額予想が嫌気された酒井重工業(6358)がストップ安に沈んだ他、日本電子材料(6855)、チノー(6850)、黒田電気(7517)、東洋鋼鈑(5453)、山善(8051)などが株価を落としております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場押し目買いが入り反発する銘柄も散見されます。主力株では、楽天(4755)を始め、SBIイー・トレード証券(8701)、インデックスHD(4835)、ACCESS(4813)、日本ベリサイン(3722)などが買われましたが、サイバーエージェント(4751)、ディー・エヌ・エー(2432)、GCA(2126)、アルデプロ(8925)などは売られております。
 JASDAQ平均、マザーズ指数は続落となりましたが、ヘラクレス指数は小幅続伸となりました。

 個別では、アジア・メディア(2149)、セントケア・ホールディング(2374)、フレームワークス(3740)、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(4281)、エフアンドエム(4771)、トライアイズ(4840)、リプラス(8936)などがストップ高となった他、ブイ・テクノロジー(7717)、デジタルアドベンチャー(4772)、デジタルアーツ(2326)なども大きく買われております。

 さて、東証1部市場の売買高は3810.44百万株と過去最高を記録いたしました。日経平均株価は141円幅の上昇を演じたのですが、値上がり銘柄・値下がり銘柄数は拮抗しており高安マチマチとなっております。しかも、上昇銘柄・下落銘柄を見てもそれぞれ値幅が大きく、暴騰銘柄・暴落銘柄が多数出現しております。

 中には「何故ここまで売られたのか?ここまで買われたのか?」と材料が確認できない銘柄も多く、市場では「危機に直面したヘッジファンドが大幅なポジション調整を行った」との見方も伝わっております。
 その中、新興市場は本日もダラダラと売られている銘柄も多くマザーズ指数は続落するなど下げ止まり感が見られません。しかし個別で見るといつ反騰スタートとなっても可笑しくない位置まで下落している銘柄も散見されるだけに、ここからの動きは日々注視していきます。

 買いがドドドーと広がるようでしたらその動きは底打ちに繋がる可能性が高く、そうした動きとなった場面では、これまで大きく下げてきた銘柄に「買い」を入れていきます。
 もちろん明日以降、投売りが加速し更に下落するようだと、その下落はセリングクライマックスとなり『底打ち』に向かう可能性が高まります。ここからの投売り場面は買いチャンスといえます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+141円の17,170円と3日続伸。昨晩の米NY株式市場の続伸や円安方向の為替などが好感され上昇。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況が金額ベースでは買い越しに転じたことや、シカゴ平均株価先物大証終値+200円の17,300円と小高く回ってきたことも買い安心感を高める形となりました。

 日経平均株価は+141円の17,170円と高く始まり、その後+245円の17,274円まで上昇した場面がありましたが、買い一巡後はもみ合う動きが続きました。
 中期基調は下向き。短期基調は上向きを継続しております。日経平均株価のサイコロは●●●○●●○●●○○○で「5勝7敗」。25日移動平均線は17,675円と下向き継続。日足は高寄りで上ヒゲの長い寄り引け同値線を形成。

 暴落後、ジリジリと日経平均株価は安値を切り上げリバウンドの動きを整えてきました。テクニカル的には17,350円前後までの戻りはあるのではないかと思われますが、「戻り終了、再下落」となることも考えられるだけに丁寧に見ていく形となります。
 いずれにしても外資ヘッジファンドに引っかきまわされるような動きが続いております。SQ通過後の展開が注目されます。