仏銀行大手BNPパリバが3つのファンドを凍結した事に対して欧州中央銀行が市場に約15兆円の資金供給を行うという緊急事態をキッカケに世界大幅株安の一日となっている。東京市場もNY市場の287ドル安シカゴ先物16.855円引けを受けて朝から全面安で安値518円安があって大引け406円安の16.764円引け、先物も16万9.205枚の出来高で16.750円の終りである。注目すべき点としては、SQ値16.669円を大幅に上回って終わった点、3月5日の安値16.642円を終始守った点、大引けにかけて安値から112円戻した点が挙げられるが相場としては昨日まで立直して来た形が完全に崩れているだけに目先は様子を見るしかないという所である。
本日の相場の中身に於いては全般的な投売りと商社株と船株にここ数日の外人売りと見られる大量売りが目立っている。ひとまず相場は世界株安を受けて流れも良い銘柄も何もかも投げ売るパニック的な大幅下落に依って無の状態まで来た所であり、ここまで来ると今まで相場の中身とは違った流れから立直しに入る事も考えられる所である。いずれにしても冷静に全体相場の落ち着きと中身に於ける流れの変化を見極める事が大切な場面である。
来週の寄り付きは本日の下落に依る追証の投げが出る事になるであろうが、これをこなした後場から更に売り叩かれるか押し目買いで反発するか注目である。筆者は後者の動きに期待しているものである。
 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 8月10日の東京株式市場は日経平均株価が大幅反落いたしました。
昨晩の米NY株式市場は大幅下落。DOWは−387ドルの13270ドル、NASDAQ総合指数は−56.49ポイントの2556.49ポイントとなりました。

 シカゴ平均株価先物大証終値−365円の16,855円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り7320万株、買い4630万株、差し引き2690万株の大幅売り越し観測(金額ベースも大幅売り越し)でした。

 東京株式市場は、欧米株式市場が急落したことを受け全面安となっております。日経平均株価始値16,923円と前日終値17,170円から247円安くスタート。幅広い銘柄に売り物が広がり、終盤には前日比−519円の16,651円まで下げ幅を拡大する場面がありました。引けは−406円の16,764円で本日の売買を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり235銘柄に対し、値下がりは1,445銘柄、変わらずは44銘柄。東証1部の売買代金は4兆7156億円、売買高は33億5413万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 週末金曜日、本日の東京株式市場は昨日・一昨日とはうって変わって大きく売られております。米サブプライムローン問題からBNPパリバが3つのファンドを凍結したことから欧州株式市場が大幅下落。昨晩の米NY株式市場もこの影響を受け暴落いたしました。
 東京株式市場は朝方から幅広い銘柄が売られ全面安の展開となっております。

 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、関東つくば銀行(8338)、千葉銀行(8331)など地銀株が下落。大和証券グループ本社(8601)、野村ホールディングス(8604)、新光証券(8606)など証券株や、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、東宝不動産(8833)など不動産株も下落。

 また、新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)など鉄鋼株や、住友金属鉱山(5713)、三菱マテリアル(5711)、東邦亜鉛(5707)など非鉄金属株が大きく売られております。住友商事(8053)、伊藤忠商事(8001)、丸紅(8002)など商社株や、ソニー(6758)、キヤノン(7751)、京セラ(6971)など値がさハイテク株も幅のある下落を演じております。

その中目立った銘柄では、2008年3月期連結業績予想の上方修正の発表が好感されたMUTOHホールディングス(7999)が大幅上昇。ライトオン(7445)が大幅反発した他、ポイント(2685)、日本無線(6751)、コナカ(7494)、日本管財(9728)、SRIスポーツ(7825)などが買われております。
 反面、ベンチャー・リンク(9609)、JFE商事ホールディングス(3332)、新和海運(9110)、津田駒工業(6217)、飯野海運(9119) などが11・12%の下げ幅を記録し、三桜工業(6584)、オリックス(8591)、セイコーホールディングス(8050)、テイクアンドギヴ・ニーズ(4331)などがストップ安に沈んでおります。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は大きく売られております。主力株では、楽天(4755)、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ(8458)は買われましたが、スパークス・グループ(8739)、インデックスHD(4835)、インテリジェンス(4757)、ディー・エヌ・エー(2432)、ミクシィ(マザーズ)、アルデプロ(8925)などは売られております。
 JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数は下落いたしました。

 個別では、フォーバルクリエーティブ(2724)、ゴルフダイジェスト・オンライン(3319)、エフアンドエム(4771)、マルマエ(6264)、エリアリンク(8914)などがストップ高となっておりましたが、インタースペース(2122)、スターツ出版(7849)、アーバネットコーポレーション(3242)、エルクリエイト(3247)、アジア・メディア(2149)などがストップ安に沈んでおります。

 さて、サブプライムローン問題にヘッジファンドの破綻も叫ばれ信用リスクは再燃しております。東京株式市場も暴落し下げ続けている新興市場も更に売られる形となっております。
 個別株の下げも深くなってきました。来週前半ですが、更に深く突っ込んだ場面では下げ続けている新興市場銘柄を反騰期待で買い向かいます。今は「いったい誰が買うのか?」といったようなムードとなっておりますが、一度火が付くと暴落銘柄が暴騰銘柄に変化し、新興市場ストップ高続出となります。

 これまでの下げが長く深いだけに反発に転じた場面では大幅な上昇が期待されます。短期で25%前後の上昇から銘柄によっては安値から2倍に大化けする銘柄も多数出現することと思われます。
 来週前半、買いがドドドーと広がるようでしたらその動きは底打ちに繋がる可能性が高く、そうした動きとなった場面では買い。
 もちろん、投売りが加速し更に下落するようだと、その下落はセリングクライマックスとなり『底打ち』に向かう可能性が高まります。ここから更なる投売り場面は積極買いとなります。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−406円の16,764円と大幅反落。欧市場が大きく売られ米NY株式市場も崩落。NYDOWは今年2番目の下げ幅を記録いたしました。
 シカゴ平均株価先物大証終値から365円下落した16,855円と大きく売られ、寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況も、差し引き2690万株の大幅な売り越し観測となったことから東京株式市場は売り気配で取引を開始。

 NY原油先物や、海外非鉄金属市況など国際商品市況も下落し、ドル安・円高方向に振れた為替も売り材料となっております。日経平均株価は−247円の16,923円と17,000円を割り込んだ水準で寄り付き、後場入り直後に小反発したものの、たいした戻しも演じられず−406円の16,764円で引けました。
 中期基調は下向き。短期基調は上向きから下向きに転換。日経平均株価のサイコロは●●○●●○●●○○○●で「5勝7敗」。25日移動平均線は17,616円と下向き継続。日足は下放れの陰線で暴落足となっております。

 日経平均株価は、暴落後にジリジリと安値を切り上げリバウンドを演じておりましたが、欧米株式市場の下落を受け東京市場も再度崩れ足となりました。日々、「戻り終了、再下落となることも考えられるだけに丁寧に見ていく」と書かせて頂きましたが、そうした動きとなっております。
 ここから安値を守って反騰に転じれば、本日安値が2番底となりますが、安値を割り込んでくるともう1段の下げを演じる可能性もございますので引き続き注意して見ていきます。