本日の東京市場、NY市場の落ち着きとシカゴ225先物の16.705円引けを背景に小高く始まった直後に付けた安値38円安から先物を中心とする買戻しで高値184円高まであって大引け35円高の16.800円、先物は13万3.073枚の出来高で16.780円引けとなっている。全体相場が高値から前引けにかけて上げ幅を縮小し後場から大引けにかけて小幅に揉み合ったという動きに対して中身に於いては大幅反発を保つしっかりした動きが目立っている。船株、商社、半導体関連株、自動車株、市況関連株、等々、いずれも大幅な上昇を大引けまで保って全体相場を支えている点に注目である。ようやく反発した所でまだまだ相場は弱いが今後の全体相場を変える事のできる動きとして引き続き注目する所である。
一応は終息の方向となって来たサブプライムローン問題とこれを発端とする株安であるが、現在の所まだまだ不安は残っているだけに仮に何かしらこれに絡んだ悪材料が出てくれば再び一気に世界大幅株安となる可能性がある。各国の金融当局が供給した資金は総額約40兆円というあまりに大きな金額はまだ何かあるのではないかという不安を高めるものであり、多少とも相場が戻りに入った所でこれに絡んだ悪材料が出れば以前よりも更にひどい状態となるだけに世界に於ける全ての損失額がハッキリするかバーナンキ氏が対応について明言する事が望まれる所である。いずれにしても今日の所はまずまずの相場となったが現在の状態で完全な上昇相場に戻る事は難しい所である。サブプライムローン問題との完全な決着を待ちながら相場の中身に於ける流れの変化に注目する事が大切な場面である。
 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 8月13日の東京株式市場は日経平均株価が反発いたしました。
先週末の米NY株式市場は続落。DOWは−31ドルの13239ドル、NASDAQ総合指数は−11.60ポイントの2544.89ポイントとなりました。

 シカゴ平均株価先物大証終値−45円の16,705円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り5270万株、買い4230万株、差し引き1040万株の売り越し観測(金額ベースも売り越し)でした。

 東京株式市場は、買い一巡後に伸び悩む展開となりました。日経平均株価始値16,791円と前日終値16,764円から27円高くスタート。前日比+184円の16,948円まで上昇しましたが、戻り待ち売りに押され上げ幅を縮小。引けは+35円の16,800円で本日の売買を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり942銘柄に対し、値下がりは719銘柄、変わらずは63銘柄。東証1部の売買代金は3兆3426億円、売買高は24億7432万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 週明け月曜日、本日の東京株式市場は大幅下落銘柄を中心に押し目買いが入り、日経平均株価は反発に転じております。
 個別では、住友金属鉱山(5713)を始め、東邦亜鉛(5707)、三菱マテリアル(5711)など非鉄金属株や、乾汽船(9113)、新和海運(9110)、太平洋海運(9123)など海運株が上昇いたしました。

 また、伊藤忠商事(8001)、丸紅(8002)など商社株や、アイフル(8515)、武富士(8564)、クレディア(8567)など消費者金融株の一角や、東邦薬品(8129)、武田薬品工業(4502)、小野薬品工業(4528)など薬品株も買われております。
 反面、T&Dホールディングス(8795)、三井住友海上火災保険(8752)、日本興亜損害保険(8754)など保険株や、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、東京建物(8804)など不動産株が売られ株価を落としております。

 目立った銘柄では、大幅下落銘柄から東北ミサワホーム(1907)を始め、東京リース(8579)、ジョイント・コーポレーション(8874)、フェイス(4295)、黒田電気(7517)、三桜工業(6584)、セイコーホールディングス(8050)、木村化工機(6378)などが反発しストップ高まで上昇いたしました。
 一般会員注目銘柄の東京鐵鋼(5445)も高く始まりザラ場ストップ高まで暴騰し、特別会員銘柄の三菱化工機(6331)、JFE商事ホールディングス(3332)も大幅上昇を演じました。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は高安マチマチ。主力株では、楽天(4755)を始め、インデックスHD(4835)、ディー・エヌ・エー(2432)、ミクシィ(マザーズ)、GCA(2126)、フィンテック グローバル(8789)は買われましたが、SBIイー・トレード証券(8701)、インテリジェンス(4757)、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ(8458)などは売られております。
 JASDAQ平均、ヘラクレス指数は続落いたしましたが、マザーズ指数は反発いたしました。

 個別では、トラストワークス(2154)、オックスホールディングス(2350)、モック(2363)、ngi group(2497)、マガシーク(3060)、メディアファイブ(3824)、フリービット(3843)、サイバー・コミュニケーションズ(4788)、オー・エイチ・ティー(6726)、アルデプロ(8925)、エムティーアイ(9438)などが買われストップ高となっております。

 さて、先週はサブプライムローン問題にヘッジファンドの破綻も叫ばれ信用リスクが再燃、世界同時株安となりましたが、信用収縮懸念はひとまず沈静化に向かっております。先週暴落した銘柄に押し目買いが広がり大幅上昇を演じる銘柄が目立っております。
 本日もグサリと売られれば、底打ちからのリバウンドを強気で買い向かえたのですが、買い気配で始まり高寄りした銘柄も多く暴落銘柄は別として、乗り難い動きとなっておりました。明日・明後日の動きを見て、強弱を判断していきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+35円の16,800円と小幅反発。先週末の米NY株式市場がFRBが3度にわたる資金供給を実施し下げ渋ったこともあり、下げ止まり反発基調に転じております。
 内閣府が寄り付き前に発表した4-6月期国内総生産速報値は実質ベースで年率プラス0.5%と市場予想中心値の1.0%を下回りましたが、特に材料視はされておりません。

 日経平均株価は+27円の16,791円で始まりマイナス圏に下げましたが売り物一巡後は反発に転じ上昇。引けは+35円の16,800円と伸び悩む動きとなりましたが、ザラ場では+184円の16,948円まで上昇した場面がありました。
 中期基調は下向きを継続。短期基調はやや上向き。日経平均株価のサイコロは●○●●○●●○○○●○で「6勝6敗」。25日移動平均線は17,563円と下向き継続。日足は上ヒゲの長い短小陽線を形成、下げ渋っております。

 ただ、市場の不透明感も根強く反発した場面では売り物も多く、上値の重さも感じさせております。チャートは『下有利』の形が続いておりますが、ここからは反発も期待されるだけに安易な売り仕掛けには注意も必要となります。明日は「上」にも「下」にも向かえる形です。