本日の東京市場、NY市場の小幅安とシカゴ225先物の16.740円引けにも関わらず変わらず近辺を揉み合う底堅い前場から大引けにかけて高値55円高を付けて大引け44円高の16.844円、先物出来高9万6.325で16.840円引けとなっている。サブプライムローン問題に対する不安はまだまだ残っているだけに多少の弱さは仕方が無い所であるが、これを踏まえての大引けにかけての上昇は僅かな明るさを見た動きである。また、相場の中身に於いても大きな流れにある銘柄がいずれも終始大幅な上昇となっている点に注目である。今後とも世界株安の引き金となる可能性を持つサブプライムローン問題の行方に不安を持ちながらも相場は中身に於ける流れから立直しに入って来たという所であり、引き続きサブプライムローン問題との完全な決着を待ちながら個々の銘柄に注目する所である。
本日の相場の中身に於いては昨日に続いていずれも上昇相場の柱となる力を持つ銘柄群が非常に強く上昇して来ている点に注目である。相場としてこれ等の中身の動きを見る限りでは全体相場も本格的な反転を迎えて何ら不思議は無い所であるが何せサブプライムローン問題への不安が上値を押さえているという所である。しかし、全体が小幅な上昇に留まる中で中身が非常に良くなって来た事は現在の環境での相場としては理想的な動きでもある。サブプライムローン問題がいつどのように解決するかは誰にもわからないがそれでも相場はある。いつの相場でも流れの変化を見極めながら取り組む事が大切である。
 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 8月14日の東京株式市場は日経平均株価が続伸いたしました。
昨晩の米NY株式市場は続落。DOWは−3ドルの13236ドル、NASDAQ総合指数は−2.65ポイントの2542.24ポイントとなりました。

 シカゴ平均株価先物大証終値−40円の16,740円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り3410万株、買い4060万株、差し引き650万株の買い越し観測(金額ベースは売り越し)でした。

 東京株式市場は、大きな動きは見られず小幅上昇に留まっております。日経平均株価始値16,824円と前日終値16,800円から24円高くスタート。前日終値を挟んでもみ合う動きが続きましたが、終盤にかけて買いが優勢となりました。引けは+44円の16,844円で本日の売買を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり857銘柄に対し、値下がりは780銘柄、変わらずは86銘柄。東証1部の売買代金は2兆5392億円、売買高は18億6522万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は方向感乏しく、日経平均株価が上下にもみ合う中、個別株物色の色彩が強まる形となりました。
 個別では、住友金属鉱山(5713)、東邦亜鉛(5707)、三菱マテリアル(5711)など非鉄金属株に反発期待の買いが継続し続伸。新和海運(9110)、明治海運(9115)、太平洋海運(9123)、乾汽船(9113)などの海運株や、伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)、三菱商事(8058)など商社株が強く買われ大幅続伸となっております。

 また、新日本製鐵(5401)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)など鉄鋼株や、日本金属工業(5479)、日本冶金工業(5480)などステンレス関連株、新日本石油(5001)、昭和シェル石油(5002)、コスモ石油(5007)など石油株も買われております。

 目立った銘柄では、東北ミサワホーム(1907)が続伸しストップ高まで買われた他、宇徳(9358)、木村化工機(6378)など原発関連株もストップ高新興プランテック(6379)、ハマキョウレックス(9037)、ローランド ディー.ジー.(6789)、フェイス(4295)なども幅のある上昇を演じた他、クボテック(7709)、フルキャスト(4848)もストップ高となっております。

 反面、日興コーディアルグループ(8603)、野村ホールディングス(8604)などの証券株や、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)など不動産株や、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株は売り物に押され株価を落としております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場押し目買いから反発に転じる銘柄が散見されます。主力株では、インデックスHD(4835)、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ(8458)、GCA(2126)、ダヴィンチ・アドバイザーズ(4314)、アセット・マネジャーズ(2337)などは買われましたが、楽天(4755)、インテリジェンス(4757)、ACCESS(4813)、サイバーエージェント(4751)などは売られております。
 JASDAQ平均は続落いたしましたが、マザーズ指数は続伸、ヘラクレス指数は反発いたしました。

 個別では、佐藤渡辺(1807)、アジア・メディア(2149)、オックスホールディングス(2350)、トリケミカル研究所(4369)、オー・エイチ・ティー(6726)、アルデプロ(8925)、ファーストエスコ(9514)などがストップ高となりました。

 さて、下げすぎた銘柄の反発が始まり、きちり(3082)を始め、エルクリエイト(3247)、ディア・ライフ(3245)、アイル(3854)、シーズメン(3083)、サムティ(3244)、フルスピード(2159)など直近公開銘柄が一斉反発となりました。
 東証1部銘柄で大幅下落銘柄がそれぞれ大きく戻すなか、新興市場の暴落銘柄に反発機運が高まっております。

 直近公開銘柄の反発乗りや、レイコフ(8941)、大崎エンジニアリング(6259)、TFPコンサルティンググループ(4792)なども大幅下落銘柄のリバウンド狙いでマークされます。東証1部では、先日提案させて頂いたフージャースコーポレーション(8907)や酒井重工業(6358)などの上昇に期待していきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+44円の16,844円と小幅続伸。昨晩の米NY株式市場は小幅下落し、シカゴ平均株価先物大証終値−40円の16,740円と小安く回ってきたことから前場は前日比マイナス圏での動きが続いておりました。
 後場に入ると、石油株を始め、海運、商社、鉄鋼、非鉄金属株などが堅調に推移し、日経平均株価を下支え引けにかけて底上げする形となりました。

 日経平均株価は方向感乏しい中、+44円の16,844円で取引を終え「上値は重いが下値も堅い」そのような動きが続いております。中期基調は下向きを継続。短期基調は上向きを継続。日経平均株価のサイコロは○●●○●●○○○●○○で「7勝5敗」。25日移動平均線は17,506円と下向き継続。日足は下ヒゲを持つ短小陽線を形成、昨日に続き下げ渋っております。

 米サブプライムローン問題や欧米市場や為替の動向を横目に依然として不透明感が根強く上値の重い状態が続いております。しかし、海運株や商社、非鉄金属株などの大幅反発から市場のムードは好転に向かいつつあり、このまま底割れを回避すれば『大陽線』を形成し反発基調を強める可能性もございます。
 週後半にかけて突っ込む場面をつくるのか?このままジリジリと戻す動きが続くのか?チャートは「上」にも「下」にも向かえる形、どちらを選択するか見定めていく形となります。