本日の東京市場、NY市場の下落とシカゴ225先物の16.275円引けを受けて179円安で始まり安値616円安を付けて大引け327円安の16.148円、先物出来高26万3.675枚という異常なまでの大商いで16.050円引けとなっている。世界株安の震源地として注目されるNY市場の昨日は後場2時頃までは小幅高の堅調な動きであったがカントリーワイドフィナンシャルに倒産の噂が市場に流れた事からダウは13.000ドルを一気に割って167ドル安引けとサブプライムローン問題の底はまだ見えない状況となっている。東京市場もこの動きを受けて市場に悲壮感が広がり一時は総投売りの動きで15.900円も割ったが大引けにかけては大型株の反発に依って安値から289円戻して終わっている。一般的に本日の全面的な投売りと600円を超える大幅な下落、更には大型株の反発に依って約半分戻した大引け、これ等の動きを以ってセイリングクライマックスとして底入れを判断される所であるがこの下落相場の原因であるサブプライムローン問題が解消していないだけに全く安心はできないものである。大引けにかけての相場の中身にから立て直す動きは良い動きであるが、再びサブプライムローン問題に絡んだ悪材料が出てくれば全面安となって一辺に潰れて元の木阿弥となるからである。非常に厳しい場面であるが、サブプライムローン問題の行方と相場の変化に注目するしかない所である。

本日の株式市場の全般的な動き

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 8月16日の東京株式市場は日経平均株価が大幅続落いたしました。
昨晩の米NY株式市場は大幅続落。DOWは−167ドルの12861ドル、NASDAQ総合指数は−40.29ポイントの2458.83ポイントと大幅続落となりました。

 シカゴ平均株価先物大証終値−125円の16,275円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り5530万株、買い3180万株、差し引き2350万株の大幅売り越し観測(金額ベースも大幅な売り越し)でした。

 東京株式市場は米株安や円高基調を嫌気し幅広い銘柄が売られております。日経平均株価始値16,296円と前日終値16,475円から179円安くスタートし、その後も売り優勢の展開が続き後場始まり直後には−616円の15,859円まで売られた場面がありました。引けは−327円の16,148円で本日の売買を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり206銘柄に対し、値下がりは1,469銘柄、変わらずは46銘柄。東証1部の売買代金は3兆8960億円、売買高は26億7680万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 東京株式市場は本日も随分と売られております。米サブプライムローン問題に対する警戒感は強く、嫌気売りに追証からの投げ売りも加わり大きく売られております。
 個別では、新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、神戸製鋼所(5406)などの鉄鋼株や、住友金属鉱山(5713)、東邦亜鉛(5707)、DOWAホールディングス(5714)など非鉄金属株、日本冶金工業(5480)、日本金属(5491)などステンレス関連株が売られ続落。

 また、新和海運(9110)、飯野海運(9119)、第一中央汽船(9132)など海運株や、三井造船(7003)、日立造船(7004)、佐世保重工業(7007)などの造船株、キヤノン(7751)、ソニー(6758)、TDK(6762)、京セラ(6971)などハイテク株も売られております。
 三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、東急不動産(8815)など不動産株も売られております。

 その中目立った銘柄では、13日の特別会員提案銘柄のクボテック(7709)が3日連続のストップ高。MUTOHホールディングス(7999)は業績の上方修正が引き続き好感され5日続騰。その他、植木組(1867)、三井製糖(2109)、セコム(9735)、三井鉱山(3315)、リサ・パートナーズ(8924)などが上昇。
 また、ザラ場大きく売り込まれた大手銀行株は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、りそなホールディングス(8308)が前日比プラス圏まで上昇するなど押し目買いが入っております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り物が広がり続落。主力株では、楽天(4755)を始め、SBIイー・トレード証券(8701)、スパークス・グループ(8739)、ディー・エヌ・エー(2432)、ACCESS(4813)、GCA(2126)、アセット・マネジャーズ(2337)などが揃って売られております。
 JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数の新興3市場は続落し安値更新。JASDAQ平均は12営業日続落となりました。

 個別では、フレームワークス(3740)、アライヴ コミュニティ(1400)、ジャパン・デジタル・コンテンツ信託(4815)がストップ高に買われた他、ネットインデックス(6634)、エイチアイ(3846)、YAMATO(7853)、ブイ・テクノロジー(7717)、ディア・ライフ(3245)などが上昇し逆行高となっております。
 一方、ディーバ(3836)、アクロディア(3823)、データプレイス(3781)、アイ・エム・ジェイ(4305)などがストップ安に沈むなどここに来て更に大きく下げる銘柄が増しております。

 東京株式市場は本日も大幅下落となっております。年に2回あるかの暴落相場の真っ只中にあり、これは単なる「下げ」ではございません。信用収縮懸念からの株式市場資金流出の動きで、日本国内だけではなく世界同時株安となっております。
 年初来安値銘柄は652銘柄と今年最多。ここまでくると「本日はどの銘柄を狙うか?」よりも「底打ちはいつか?」が重要になり、上昇期待の高い銘柄を買っても暴落が進む限りはそのほとんどが下げてしまいます。引き続き、大底形成までは資金を温存し、底値からの反騰相場を待つ形となります。
 テクニカル的には、日経平均株価が本日のように窓を空けて始まり、引けにかけて更に深く売られるとなると週明けからの反発・反騰が期待される形となります。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−327円の16,148円と大幅続落し安値を更新。昨晩の米NY株式市場は上昇した場面もございましたが、メリルリンチによる住宅ローン大手カントリーワイドの投資判断引き下げが嫌気され下落。東京株式市場は米NY株安に、円高基調の為替、米サブプライムローン問題への警戒感などから、本日も売られております。
 また、シカゴ平均株価先物大証終値−125円の16,275円まで売られたことや、寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況が差し引き2350万株の大幅な売り越し観測となったことも嫌気されております。

 日経平均株価は−179円の16,296円で安寄りスタート、その後も売り物に押され前場はズルズルと値を落としていきました。後場に入り更に売られましたが売り物一巡後は反発基調に転じ−327円の16,148円で引けました。ザラ場では、なんと−616円の15,859円まで売られた場面があるなど波乱の展開となっております。
 中期基調は下向きを継続。短期基調も下向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは●○●●○○○●○○●●で「6勝6敗」。25日移動平均線は17,359円と下向き継続。日足は長い下ヒゲを持つ下放れ陰線で下げが続いております。

 本日長い下ヒゲを形成し16,100円台に戻して引けたことから、市場では『今日の安値15,859円が安値』との見方が広がっております。しかし、この下ヒゲはこれまでの大幅な下落に対する単なる戻りとなり、反発後は再度安値を更新する流れが続くことも考えられます。
 ですので、明確に底打ちするまでは反発狙いの買いも小すくいで取っていく形となります。