先週末のNY市場に於いてFRBは0.5%の利下げを即日実施、これを受けてダウ233高ナスダック53p高と終始堅調な動きとなっている。東京市場もシカゴ225先物の15.835円引けを背景に203円高で始まり高値666円高を付けて大引け458円高の15.732円、先物は18万5.185枚の大商いで15.730円引けとなっている。折から世界の株式市場を揺るがして来たサブプライムローン問題を改善すべくまずは利下げという手段で行動して来た点は相場を変える大きな一歩となるであろう。ひとまず本日はこれを受けて一日を通した全面高で先週末の大幅下落に対する半値戻しとなったが相場は病み上がりであるだけにまだまだ力の足りない動きである。今後相場が現在の反発から本来の健全な上昇相場につなげる為には中身に於いて柱となる流れの強い上昇が不可欠であり、目先は相場の中身に於ける流れの進展とこれを受けての全体相場の変化に注目する所である。
 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 8月20日の東京株式市場は日経平均株価が大幅反発いたしました。
先週末の米NY株式市場は反発。DOWは+233ドルの13079ドル、NASDAQ総合指数は+53.96ポイントの2505.03ポイントとなりました。

 シカゴ平均株価先物大証終値+535円の15,835円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り3650万株、買い2790万株、差し引き860万株の売り越し観測(金額ベースでは小幅の買い越し)でした。

 東京株式市場は米株式市場の反発の流れを引き継ぎ大幅高。日経平均株価始値15,477円と前日終値15,273円から204円高くスタート。幅広い銘柄が買われ、ザラ場では+667円の15,940円まで上昇する場面がありました。引けは+458円の15,732円で本日の売買を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり1,316銘柄に対し、値下がりは347銘柄、変わらずは60銘柄。東証1部の売買代金は3兆1511億円、売買高は22億4496万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 週明け月曜日、本日の東京株式市場は反発いたしました。先週の暴落から週を変え基調に変化が見られるか注目された本日の動きですが米NY株高を好感。朝方から買い気配でスタートし反発いたしました。

 個別では、新日本製鐵(5401)を始め、住友金属工業(5405)、住友金属工業(5405)など鉄鋼株や、住友金属鉱山(5713)、三菱マテリアル(5711)、東邦亜鉛(5707)など非鉄金属株、日本冶金工業(5480)、日本金属工業(5479)などステンレス関連株が反発上昇。
 伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)、三菱商事(8058)など商社株や、トヨタ自動車(7203)、ホンダ(7267)、日産自動車(7201)など自動車株も上昇。飯野海運(9119)、乾汽船(9113)、川崎汽船(9107)、太平洋海運(9123)など海運株も買われております。

 目立った銘柄では、MUTOHホールディングス(7999)を始め、タムロン(7740)、宮越商事(6766)、JUKI(6440)、東洋炭素(5310)がストップ高まで買われた他、コープケミカル(4003)、アサヒプリテック(5855)、三井海洋開発(6269)、ダイセキ(9793)なども幅のある上昇を演じております。
 反面、グッドウィル・グループ(4723)、フルキャスト(4848)アイロムホールディングス(2372)、エックスネット(4762)、テイクアンドギヴ・ニーズ(4331)などが大きく売られております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場押し目買いが入り反発。主力株では、ジュピターテレコム(4817)を始め、SBIイー・トレード証券(8701)、インデックス・ホールディングス(4835)、インテリジェンス(4757)、ディー・エヌ・エー(2432)、GCA(2126)、ぐるなび(2440)などが買われております。
 JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数の新興3市場は反発。JASDAQ平均は14営業日ぶりの反発となりました。

 個別では、ユー・エス・ジェイ(2142)を始め、アジア・メディア(2149)、東京一番フーズ(3067)、ディア・ライフ(3245)、チップワンストップ(3343)、フレームワークス(3740)、インタートレード(3747)、ターボリナックス(3777)、ディー・ディー・エス(3782)、大阪証券取引所(8697)などがストップ高まで買われ、パイプドビッツ(3831)、ネクストジェン(3842)、リンク・セオリーHD(3373)などが買われております。

 さて、先週末に週明けからの反発を予想させていただきましたが、そうした動きとなりました。しかしシカゴ平均株価先物大証終値+535円の15,835円と高く買われたことから、個別株の動きを見るとほとんどの銘柄が寄り付きから高く寄り付き天井に近い形となりました。
 まだ市場は不透明感が強く、この反発も単なるアヤ戻しに過ぎないとの見方が強く、新興市場銘柄の動きを見ても反発期待の「買い」は続かず前場高値から引けにかけて上げ幅を縮小する銘柄がほとんどでした。

 本日の動きを見て「これはダメだ。撤退だ。」と反発期待のポジションを手仕舞いするものも多く、反発はしたものの上値の重さを感じさせる1日でした。しかし、これは先週の下落が激しかったことと、本日高く始まってしまったことからの『もたつき』です。高値圏から下げた銘柄ではなく、新興市場銘柄のように既に大きく売られてきた銘柄に関して強気な見方に変化はございません。
 セット買い銘柄も本日寄付きからは押しておりますが、押し目は買いの視点で見ていけます。じっくりと反発相場に期待していきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+458円の15,732円と反発。上げ幅は今年最大、4日ぶりの大幅反発です。先週末の米NY株式市場はFRB公定歩合を0.5%引き下げ年5.75%に決定、実施されたことが好感され大幅反発に転じました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+535円の15,835円と高く買われ、寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況が、金額ベースで小幅ですが買い越し観測となったことも好感。買い優勢で取引を開始いたしました。

 日経平均株価は+204円の15,477円で寄り付き、+458円の15,732円引け。ザラ場では+667円の15,940円まで買われましたが少し上げ幅を縮小し引けております。為替相場がひとまず円高一服商状となったことも買い安心感を与える形となっております。

 中期基調は下向きを継続。短期基調は下向きから上向きに転換いたしました。日経平均株価のサイコロは●●○○○●○○●●●○で「6勝6敗」。25日移動平均線は17,150円と下向き継続。日足は上ヒゲを持つ陽線を形成、はらみ線。

 7月17日の18,269円から先週金曜日安値の15,262円までワントレンドで3,007円幅の下落。率にして16.46%の下落を演じた日経平均株価ですが、本日反発し下げ一服となりました。市場では単なるリバウンドに過ぎないとの見方が圧倒的となっており、この反発がトレンドを転換させる動きには至らないとの見方が優勢です。

 しかし、25日移動平均線との乖離や各種テクニカル指標を見ると大底圏からの反発となっており、反発した位置で安易に売りを仕掛けるのも注意が必要といえます。今週前半は上下に揺れ落ち着きを取り戻す時間。反発はそれからか。