昨日のNY市場は8月の消費者信頼感指数が大幅に低下した事と6月の住宅価格指数に於いて主要都市の住宅価格の下落幅が拡大した事を背景にダウ280ドル安ナスダック60p安シカゴ225先物も15.950円引けと一日を通した大幅下落となっている。東京市場もこれを受けて一時は457円安の全面安となったが相場の中身から戻りに入って大引け274円安の16.012円、先物に至っては大引けにかけて踏みが入って出来高11万5.955枚で16.050円の高値引けとなっている。折から除々に立て直してこれからという時にNY市場の大幅下落に依って崩れる動きを繰り返して来た東京市場の相場であるが、本日は前場こそ大きく下落したものの大引けにかけての強い戻りは今までの相場付きと全く違っている点に注目である。ようやく落ち着いたと思われた所での昨日のNY市場の大幅下落を受けての本日の東京市場の強い切り替えしはNY離れの相場が見えて来たものと筆者は見る所であり、特に本日の相場の中身から切り返して現物が引けた後に先物に踏みが入った点は今後の相場に大いに期待が持てる動きである。明日も相場の中身とNY市場に対してどう動くかに注目したい所である。
■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 8月29日の東京株式市場は日経平均株価が大幅続落いたしました。
昨晩の米NY株式市場は反落。DOWは−280ドルの13041ドル、NASDAQ総合指数は−60.61ポイントの2500.64ポイントとなりました。

 シカゴ平均株価先物大証終値−320円の15,950円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り4040万株、買い3570万株、差し引き470万株の売り越し観測(金額ベースも売り越し)でした。

 東京株式市場は米株式市場の大幅下落を嫌気し続落。日経平均株価始値16,068円と前日終値16,287円から219円安くスタート。その後は16,000円を割り込み推移し、前日比−457円の15,830円まで下げ幅を拡大する場面もありました。引けにかけては下げ渋る動きとなり、引けは−274円の16,012円で本日の取引を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり166銘柄に対し、値下がりは1,490銘柄、変わらずは58銘柄。東証1部の売買代金は2兆4150億円、売買高は16億9141万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 今週に入り月曜・火曜と市場参加者が減少し暴落からのリバウンドも一巡、パッとしない動きが続いておりましたが、そこへ米NY株式市場の大幅下落が直撃。朝方から売り一色となり全面安の展開となりました。
 個別では、新日本製鐵(5401)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)、住友金属工業(5405)など鉄鋼株や、三菱マテリアル(5711)、DOWAホールディングス(5714)など非鉄金属株が売り物に押され下落。

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、大和証券グループ本社(8601)、新光証券(8606)など証券株、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、東急不動産(8815)など不動産株も軟調
 NTT(9432)、NTTドコモ(9437)、KDDI(9433)など通信株や、ソニー(6758)、キヤノン(7751)、 シャープ(6753)、アドバンテスト(6857)などハイテク株、川崎汽船(9107)、明治海運(9115)など海運株も売られております。

 その中目立った銘柄では、「ザラ場の銘柄情報」でピックアップした銘柄からカカクコム(2371)がストップ高まで買われ東証1部上昇率ランキングトップに君臨。同じくザラ場ピックアップ銘柄のニイウス コー(2731)、テイクアンドギヴ・ニーズ(4331)なども上昇し上昇率ランキング上位入り。
 その他では、三菱UFJ証券がレーティングを「3」から「2」に引き上げた東急リバブル(8879)を始め、アークス(9948)、日本電工(5563)、沢井製薬(4555)、アビリット(6423)などが買われております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り物に押され下落。主力株では、「ザラ場の銘柄情報」ピックアップ銘柄の楽天(4755)、GCA(2126)を始め、ACCESS(4813)、ミクシィ(2121)などが上昇いたしましたが、SBIイー・トレード証券(8701)、スパークス・グループ(8739)、ディー・エヌ・エー(2432)、インデックスHD(4835)、インテリジェンス(4757)などは売り物に押されております。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数それぞれ揃って下落いたしました。

 個別では、ウェルネット(2428)、フレームワークス(3740)がストップ高。また「特別会員銘柄」のマネーパートナーズ(8732)を始め、「ザラ場の銘柄情報」で動き出した場面をピックアップしたフルスピード(2159)、アイティメディア(2148)、ディア・ライフ(3245)なども揃って大幅上昇。本日は「ザラ場の銘柄情報」ピックアップ銘柄から大幅上昇銘柄が続出いたしました。

 さて、暴落後反発基調が続いておりましたが米NY株式市場の大幅下落から東京株式市場も売られ全面安となりました。本日、日経平均が400円幅の下落となっても市場は「また下げたか」と特に驚いた様子は無く、ここから安値を更新するとの見方と、2番底形成からの反騰を予想する2通りの見方に分かれております。
 ただ、既に大きな下げを見ておりますので市場参加者は弱気な見方が多く、強気で買い向かう資金も限定的です。ただ下げに下げてきた新興市場から楽天(4755)、GCA(2126)がしっかりと買われ底放れの動きとなり、大きく売られていた直近公開銘柄も25日移動平均線を上抜く銘柄が出現するなど、全面安の中でも変化も感じさせております。

 V字を描く判り易く気持ち良い反騰を演じる銘柄は数えるほどしかございませんが、新興市場は底入れの動きが進んでいると考えられ、引き続き反発狙いの視点で見ていきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−274円の16,012円と大幅続落。昨晩の米NY株式市場は8月消費者信頼感指数や4−6月期住宅価格指数の低下が嫌気され大幅下落となりました。
 東京株式市場は米NY大幅安や円高方向に進行した為替などを嫌気し売り優勢の展開。売り4040万株、買い3570万株、差し引き470万株の売り越し観測となったことや、シカゴ平均株価先物大証終値−320円の15,950円と大きく売られたことも嫌気されました。

 日経平均株価は−219円の16,068円と大きく下げて始まり、−457円の15,830円まで下げ幅を拡大いたしました。引けにかけて下げ幅を縮小し、引けは−274円の16,012円と16,000円台を死守し本日の取引を終了いたしました。
 中期基調は上向き。短期基調は上向きから下向きに転換いたしました。日経平均株価のサイコロは○●●●○○●○●○●●で「5勝7敗」。25日移動平均線は16,616円と下向き継続。日足は長い下ヒゲを持つ短小陰線。

 日足は長い下ヒゲを形成、引けにかけて下げ渋ったことから押し目買い意欲も感じさせておりますが、今週に入ってのもみ合いから下に振ってしまったことは買い方の視点からは残念。上に向かえば日々書かせて頂いた「下げ幅の半値戻し16,765円前後までの上昇」が期待されたのですが、米NY株式市場に冷水を浴びせられ窓空け下落となりました。

 明日以降、下げずに反発し8月27日の高値16,504を抜けてくると上昇に弾みがつくのですが、米NY株式市場や為替の動向次第といえます。本日下に振ってしまったことから「ここから15,700円前後まで売られ2番底の形となり、そこから底打ち本格反騰」と見方を訂正となります。