本日の東京市場はNY市場の上昇とシカゴ225先物の16.550円引けを好感して寄り付き85円高と堅調な動きで始まったが直後に付けた132円高を高値に上げ幅縮小の動きとなって前引け11円安の後場からは先物に売り叩きが入って一気に下落262円安の16.158円安値引け、先物出来高14万6.183枚の大商いで16.190円の終りとなっている。市場は本日の動きについて今晩のNY市場に於けるベージュブックの発表と下院の公聴会に対する不安の動きと見ているが、筆者はそれだけで本日の高値から一変して約400円下げるというひどい動きにはならないものと考える。まず、安倍内閣が相変わらず不祥事続きで安定していない事にあり、政局不安が現在の安心して相場に取り組む事の出来ない一番の原因と見る所である。政治の混乱を最も嫌う外人投資家も昨日まで3日連続買い越しが本日は一転して920万株の売り越しとなっている。筆者は東京市場及び日本の今後の為には安倍氏の退陣が必要と考えるものであり、ここ数日の相場の動きに依ってその声は大きくなってゆくもであろう。情けない限りであるがNY市場の上昇を好材料として期待しながら一日も早い安倍氏の退陣を待つ所である。
 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 9月5日の東京株式市場は日経平均株価が続落いたしました。
昨晩の米NY株式市場は上昇。DOWは+91ドルの13448ドル、NASDAQ総合指数は+33.88ポイントの2630.24ポイントとなりました。

 シカゴ平均株価先物大証終値+150円の16,550円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り4620万株、買い3700万株、差し引き920万株の売り越し観測(金額ベースも売り越し)でした。

 東京株式市場は幅広い銘柄が売られ全面安の様相。日経平均株価始値16,506円と前日終値16,420円から86円高くスタートしましたが、買い一巡後は徐々に売り物に押され下げに転じました。後場先物主導で下げ幅を拡大。引けにかけて一段安となりました。結局−262円の16,158円で本日の取引を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり161銘柄に対し、値下がりは1,509銘柄、変わらずは46銘柄。東証1部の売買代金は2兆5892億円、売買高は18億882万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 東京株式市場ですが残念な動きとなっております。米NY株式市場の後押しもあり高く始まりましたが、その後は先物主導で下落。東証1部の騰落銘柄数では値下がり銘柄数が1,509銘柄と全面安の様相となっております。
 個別では、新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、神戸製鋼所(5406)など鉄鋼株や、住友金属鉱山(5713)、三菱マテリアル(5711)、東邦亜鉛(5707)など非鉄金属株が続落。日本冶金工業(5480)、日本金属工業(5479)なども売り物に押され大きく下げております。

 また、みずほフィナンシャルグループ(8411)、りそなホールディングス(8308)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、野村ホールディングス(8604)、新光証券(8606)、松井証券(8628)など証券株も続落。
 三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)など不動産株や、キヤノン(7751)、TDK(6762)、京セラ(6971)、アドバンテスト(6857)などハイテク株も売られております。

 その中目立った銘柄では、「ザラ場の銘柄情報」でもピックアップさせていただいたクレディア(8567)が大幅上昇を演じ東証1部上昇率ランキングトップに君臨。先日の特別会員銘柄のメガネトップ(7541)も続伸し東証1部上昇率ランキング2位にランクインとなりました。
 その他では、J.フロント リテイリング(3086)を始め、日本電子材料(6855)、太平洋興発(8835)、丸山製作所(6316)、学習研究社(9470)などが買われております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り物に押され大幅下落。主力株では、スパークス・グループ(8739)、大阪証券取引所(8697)、GCAホールディングス(2126)、ディー・エヌ・エー(2432)、ミクシィ(2121)、日本ベリサイン(3722)などは売られましたが、楽天(4755)、インデックスHD(4835)、ACCESS(4813)、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ(8458)、インテリジェンス(4757)などはしっかりとしております。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数は揃って売られております。

 個別では、「ザラ場の銘柄情報」でピックアップした銘柄からジャパン・デジタル・コンテンツ信託(4815)がストップ高まで買われた他、エルクリエイト(3247)、ソーテック(6829)、カワムラサイクル(7311)などもストップ高。その他、夢真ホールディングス(2362)が続伸し、エスケーアイ(9446)、ガンホーオンライン(3765)、MonotaRO(3064)なども買われました。
 反面、ビービーネット(2318)、ビットアイル(3811)、T&Cホールディングス(3832)、フィンテック グローバル(8789)などがストップ安に沈んでおります。

 しかしここでの下落は残念です。フルスピード(2159)など直近公開銘柄の一角や、丸山製作所(6316)、学習研究社(9470)など仕手性銘柄も動きが出ております。ただ、資金の逃げ足は極めて早くなっていることから、このような銘柄を後場に買いに走る場合は翌日前場も人気が継続し『買い気配』で始まりやすい銘柄を選別されるのが良いでしょう。
 5日営業日ほど前や、1・2ヶ月前に暴騰し存在感を発揮した銘柄が反発に転じた場合は、幅が生まれやすいことから狙い目となります。しかし、市場環境が再度悪化してきたことからトレードは薄利となっても利益確定優先で臨む形となります。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−262円の16,158円と大幅続落。連休明け昨晩の米NY株式市場の続伸や、円安基調の為替などが好感され東京株式市場は買い優勢の展開で取引をスタートいたしました。
 しかしサブプライムローン問題や週末の8月米雇用統計発表を控え買いは続かず買い一巡後に下落。後場に入っても反発という反発を試すことなくズルズルと下落。先物での仕掛け売りに加え、投げ売りも重なり大幅下落となりました。

 日経平均株価は+86円の16,506円と高く始まり取引開始直後には16,553円まで買われましたが先物主導で下落。前場取引終了間際には前日比マイナス圏に踏み込み、後場軟調商状が続き−262円の16,158円と大きく売られ引けました。
 中期基調は上向き。短期基調は下向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは○●○●○●●○○●●●で「5勝7敗」。25日移動平均線は16,433円と下向き継続。日足は幅のある陰線を形成。下落足となっております。

 先週末の「415円高」も今週に入って44円安(月)、104円安(火)、そして本日の262円安と410円幅の下落を演じ“いって来い”となってしまいました。
 昨日に「明日以降、上・下どちらに向かっても可笑しくない形となっております。週末にかけての動きは今晩の米NY株式市場や為替の動向次第。放れた方向に走り易いことからも強気なポジションは取り難い場面となっております」と書かせて頂きましたが下に向きました。

 週末にかけ引き続き上・下どちらに向かっても可笑しくない状況となっております。相場が不安定ですので上げても下げても値幅が大きく気難しい相場が続きます。