本日の東京市場は昨日と真逆の一日となっている。NY市場の下落とシカゴ225先物の16.105円引けを受けて154円安で始まり安値318円安から一気に戻して大引けにかけて一段高の98円高16.257円高値引け、先物出来高16万4.434枚の大商いで16.240円引けの終りである。本日も上下幅417円と上にも下にも大きく荒れた不安定な相場付きが目立って来ているが、本日の安値15.840円から強力に戻した動き一般的に先の安値15.830円を守った二番底の動きとこれを意識した買戻し中心とする上昇の動きが出て来た点として注目する所である。
本日の上へ荒れた動きは歓迎したい所であるが2日続けてマイナスとプラスを挟んで約400円上下する異常な動きは相場とは言えないものである。株式投資活動を行う基礎とも言える政治に不安が満ちている事から善良な投資家は見送り外人も撤退する一方で企業の中身に関係無く動きに付いてその日の内に手仕舞う短期売買が増加、これに先物に対する投機的な大量の商いが入る事に依って現在の秩序を無くした賭博場の様な動きとなっている。相場の健全な上昇には中身に於いてその柱となる流れが必要であるが、この建て直しの動きも基礎があってこそである。まずは今後の日本と相場の為にも安倍氏の退陣を強く希望するものである。

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 9月6日の東京株式市場は日経平均株価が反発いたしました。
昨晩の米NY株式市場は反落。DOWは−143ドルの13305ドル、NASDAQ総合指数は−24.29ポイントの2605.95ポイントとなりました。

 シカゴ平均株価先物大証終値−85円の16,105円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り4090万株、買い1960万株、差し引き2130万株の大幅売り越し観測(金額ベースでも売り越し)でした。

 東京株式市場は荒い値動きとなっております。日経平均株価始値16,003円と前日終値16,158円から155円安くスタート。前日比−318円の15,840円まで売られる場面がありましたが、その後は上昇基調に転じました。後場終値付近でもみ合い終盤にプラス圏へ浮上。引けは+98円の16,257円で本日の取引を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり516銘柄に対し、値下がりは1,109銘柄、変わらずは91銘柄。東証1部の売買代金は2兆8099億円、売買高は21億377万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 東京株式市場ですが上下に大きく動いております。米NY株安から前日までの下落基調は継続し前場に大きく売り込まれましたが、先物主導で反発いたしました。
 個別では、新日本製鐵(5401)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)、神戸製鋼所(5406)など鉄鋼株や、住友金属鉱山(5713)、三井金属(5706)、東邦亜鉛(5707)など非鉄金属株の一角が反発しております。

 またNY原油先物高から、新日本石油(5001)、コスモ石油(5007)、昭和シェル石油(5002)、石油資源開発(1662)など石油株や資源開発株などが上昇。伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)、三菱商事(8058)など商社株やオリンパス(7733)、ニコン(7731)、テルモ(4543)など精密株も買われております。
 一方、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)など不動産株や、三井住友海上火災保険(8752)、日本興亜損害保険(8754)、あいおい損害保険(8761)など保険株が売られております。

 その中目立った銘柄では、「ザラ場の銘柄情報」でピックアップしたニイウス コー(2731)がストップ高まで買われ東証1部上昇率ランキングトップに君臨。
 同じく「ザラ場の銘柄情報」でピックアップさせて頂いた三井鉱山(3315)、乾汽船(9113)、日本電工(5563)も上昇。その他では、第3四半期決算が好感されたシステムプロ(2371)、増額修正観測から日本写真印刷(7915)、投資ファンド買い増しの学研(9470)なども買われております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り物に押され続落。主力株では、ディー・エヌ・エー(2432)、インデックスHD(4835)、ACCESS(4813)、GCAホールディングス(2126)、大阪証券取引所(8697)などは買われましたが、SBIイー・トレード証券(8701)、スパークス・グループ(8739)、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ(8458)、インテリジェンス(4757)、フィンテック グローバル(8789)などは売り物に押され下落いたしました。

 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数が揃って売られております。

 個別では、「ザラ場の銘柄情報」でピックアップした銘柄からフルスピード(2159)、テレウェイヴ(2759)、ソーテック(6829)が揃ってストップ高まで買われた他、コムチュア(3844)、アイフリーク(3845)、アイル(3854)、フリービット(3843)、アイレップ(2132)、NTTデータイントラマート(3850)、イー・ギャランティ(8771)などが短期資金を巻き込み幅のある上昇を演じております。

 しかし、大きく下げれば暴騰し、暴騰すればまた暴落と、かつて日経平均株価が膠着状態を続け100円幅動けば「今日は大きく動きました」といわれた日々が嘘のように上下に乱れた動きとなっております。
 来週に入れば徐々に落ち着きを取り戻していくと思われますが、落ち着きを取り戻した時に買われる銘柄を探っていきます。
 季節要因もあり「9月は主力株の動きは弱い」とも指摘されているだけに、仕手性銘柄や材料株、新興市場銘柄などの動きに注目。フルスピード(2159)も大きく上げてきました。これに続く銘柄や売られ過ぎ銘柄の反騰相場への動きに期待していきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+98円の16,257円と反発いたしました。昨晩の米NY株式市場は雇用環境悪化懸念や7月中古住宅販売契約指数の低下から住宅市場低迷への警戒感が高まり反落いたしました。
 東京株式市場は、米NY株式市場の下落や、円高基調に振れた為替などが嫌気され売り優勢の展開で取引をスタートいたしました。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況が差し引き2130万株の大幅な売り越し観測となったことも嫌気される形となりました。

 日経平均株価は−155円の16,003円と大きく下落した位置で取引をスタート。その後−318円の15,840円まで暴落いたしましたが売り一巡後は急反発。為替の落ち着きやGLOBEXで米株価指数先物が買われたこともあり引けにかけ上昇。終値は+98円の16,257円と高値引けとなりました。
 中期基調は上向き。短期基調は下向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは●○●○●●○○●●●○で「5勝7敗」。25日移動平均線は16,404円と下向き継続。日足は長い下ヒゲを持つ陽線を形成いたしました。

 8月29日の15,830円から9月3日に16,575円まで上昇。そして本日15,840円まで売られましたが、8月29日の15,830円を割り込まず反発してきました。市場では本日の上昇で「2番底を形成した後の上昇で底入れした」と強気な声も出ております。
 しかし、引けにかけての反発も現時点ではまだ『買い転換した』とはいえません。16,404円に位置している25日移動平均線終値でしっかりと上抜け、更に2日3日25日移動平均線上で推移し16,500円を抜けてくれば、17,000円を目指す動きに発展いたします。

 ただ、先日の上昇では25日移動平均線で上値を抑えられていることから楽観視も出来ません。昨日に「週末にかけ上・下どちらに向かっても可笑しくない状況となっております」と書かせて頂きましたが、引き続き日々強弱感が対立し先物主導で上下に大きく乱れる不安定な相場が続きます。