安倍首相の退陣表明というサプライズから一夜明けた本日の東京市場、明日にSQを控えている事もあって終始小高く揉み合う相場となっている。ダウは89円高で始まり高値133円を付けて後場には4円高まで上昇幅を縮める所もあって大引け23円高の15.821円引け、先物は6万5.457枚の出来高で15.810円の終りである。相場の中身に於いても見送り気分が強く全般的に揉み合う動きが目立っているが、来週のNY市場に於けるFOMCと新総理の決定から始まるであろう新しい相場に向けて次の相場の柱を探す物色の動きが出て来ている点に注目である。
現在の相場は3連休と週明けのFOMCと総裁選という最近の悪材料であるサブプライムローン問題と政治不安に対して大きく影響する行事を控えて動く事が出来ない所であるが、来週これがハッキリすると同時に大幅な上昇となって相場は新たな局面に入るものと筆者は見る。これが実現すると今までの相場は過去のものとなって根底から一変する事になるだけに来週の相場に大いに期待する所である。
■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 9月13日の東京株式市場は日経平均株価が小幅反発いたしました。
昨晩の米NY株式市場は軟調。DOWは−16ドルの13291ドル、NASDAQ総合指数は−5.40ポイントの2592.07ポイントとなりました。

 シカゴ平均株価先物大証終値+110円の15,890円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り3270万株、買い2940万株、差し引き330万株の売り越し観測(金額ベースも売り越し)でした。

 東京株式市場は反発したものの伸び悩む展開となりました。日経平均株価始値15,886円と前日終値15,797円から89円高くスタート。前場は+134円の15,931円まで上げ幅を拡大する場面がありましたが、後場に入ると上げ幅を縮小し、もみ合う動きが続きました。引けは+23円の15,821円で本日の取引を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり539銘柄に対し、値下がりは1,067銘柄、変わらずは111銘柄。東証1部の売買代金は2兆2357億円、売買高は15億6210万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は方向感なくもみ合う動きとなっております。明日のSQ算出と3連休を控え積極的な売買は手控えられ様子見ムードが続いております。
 個別では、住友金属工業(5405)、神戸製鋼所(5406)など鉄鋼株の一角や、DOWAホールディングス(5714)、住友チタニウム(5726)、東邦チタニウム(5727)など非鉄金属株の一角が軟調。、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、りそなホールディングス(8308)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など銀行株も売り継続となり続落いたしました。

 一方、NY原油先物相場の最高値更新から新日本石油(5001)、昭和シェル石油(5002)、国際石油開発帝石ホールディングス(1605)、AOCホールディングス(5017)など石油株や資源開発株が買われ続伸。
 また、エジプトの国営発電会社から発電設備を約280億円で受注したと報じられた三菱重工業(7011)を始め、佐世保重工業(7007)、川崎重工業(7012)など重機・造船株も買われております。

 目立った銘柄では、下げ続けていたグッドウィル・グループ(4723)が反発に転じ東証1部上昇率ランキングトップとなり、医療機関向けコンサルのグリーンホスピタルサプライ(3360)はストップ高。また、先日の注目銘柄の木村化工機(6378)が大幅続伸。その他、「ザラ場の銘柄情報」ピックアップ銘柄から日本農薬(4997)、富士通ゼネラル(6755)、JUKI(6440)、新興プランテック(6379)などが買われております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り物に押され続落。主力株では、SBIイー・トレード証券(8701)は買われましたが、スパークス・グループ(8739)、インデックスHD(4835)、ディー・エヌ・エー(2432)、ACCESS(4813)、アルデプロ(8925)、GCAホールディングス(2126)、ダヴィンチ・アドバイザーズ(4314)などは売り物に押され下落いたしました。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数がそろって売られております。

 個別では、「ザラ場の銘柄情報」でピックアップした銘柄からコシダカ(2157)、アイル(3854)、アイフリーク(3845)がストップ高まで買われた他、サムシングHD(1408)、フルスピード(2159)、綜合臨床HD(2399)、ランシステム(3326)、いい生活(3796)、コムチュア(3844)、データ・アプリケーション(3848)などがストップ高となりました。

 反面、オックスホールディングス(2350)、ディップ(2379)セレブリックス(2444)、ネクサス(2799)、ファーマフーズ2929)、スターティア(3393)、リスクモンスター(3768)、ウルシステムズ(3798)、ビットアイル(3811)、エヌアイシ・オートテック(5742)など多くの銘柄がストップ安に沈んでおります。

 さて、日経平均株価は上昇しておりますが、東証1部の騰落数では値上がり539銘柄に対し値下がりは1,067銘柄と、値下がり銘柄数が圧倒的に多く安値更新銘柄も散見されます。新興市場を見ても直近公開銘柄からストップ高まで買われる銘柄があり一見しっかりとしておりますが、蓋を開けてみればストップ安銘柄や安値更新銘柄が続出しており、買われる銘柄はほんの一握りに限られております。

 相場の中身はとにかく悪く、買い転換してくる銘柄もほとんどございません。相場環境に変化が見られるまでは、割り切れる範囲の資金で動きある銘柄の飛び乗り・飛び降りとなります。
 昨日も書かせて頂きましたが「9月下旬から本格化する米投資銀行や証券会社の決算発表から下げは本格化する」とした見方があり、それに向け売りポジションを作る動きも続いております。また中国市場が今秋にも転換し中国バブルが崩壊するとの声も出ているだけに引き続き【買い】には注意が必要といえます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+23円の15,821円と小幅上昇。昨晩の米NY株式市場はDOW・NASDAQ総合指数ともに下落いたしましたが、政策金利引き下げ期待が下支えとなり下げ幅は小幅に留め底堅さを感じさせておりました。
 東京株式市場はシカゴ平均株価先物大証終値+110円の15,890円と小高く買われたことや、為替の落ち着きなどから上昇いたしました。

 日経平均株価は+89円の15,886円と高い位置で取引を開始いたしましたが、積極的な買いが続かず後場は15,850円前後で上下に揺れる動きが続きました。引けは+23円の15,821円で本日の取引を終了いたしました。
 中期基調は下向きを継続。短期基調も下向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは●○○●●●○●●○●○で「5勝7敗」。25日移動平均線は16,179円と下向き継続。日足は上下に短いヒゲを持つ短小陰線を形成。攻防の分岐点となりました。

 先日「陽線を重ね25日移動平均線を抜けてくる上昇を見せると“15,610円が2番底だった”となりますが」と書かせて頂きましたが、はっきりとした動きとならず売り方・買い方の攻防が続いております。小高い場面も作りましたが上値も重くサッパリしない時間が続いております。
 短期チャートでは小さな三角保ち合いを作っており明日以降、放れた方向に少し幅が出そうな位置となっております。

 トレンドの継続性に重点を置くと『下有利』となりますが、一端リバウンドの動きも予想されますので、実際の動きを見ながら組み立てていく形となります。ただ、リバウンド一巡から底値を探る展開が予想されますので「買い」は注意が必要です。明日以降本日安値15,610円を割り込むと、8月17日に記録した15,262円をも割り込むような本格的な下落に発展する可能性もあります。
 先日から書かせて頂いておりますが下向きの強い力が働いていることから、積極的に買い向かう場面でもございません。引き続き慎重姿勢で臨みます。