昨日のNY市場はサブプライムローン問題で一時は倒産も心配された住宅大手カントリーワイドフィナンシャルが120億ドルの資金手当てを確保した事を背景に終始堅調な動きとなっている。ダウ133ドル高、ナスダック8p高、シカゴ225先物は15.980円の終りである。東京市場もこのNY市場の動きと福田氏の総裁選出馬を歓迎して久々に明るい一日となっている。ダウは76円高で始まり前引け179円高後場から先物に踏みが入って高値320円高を付けて大引けもSQ値15.890円を大幅に上回る306円高の16.127円、先物も13万5.002枚の大商いで16.090円の終りである。昨日筆者は「最近の悪材料であるサブプライムローン問題と政治不安が改善すると同時に大幅な上昇となって相場は新たな局面に入る」と解説したが、上記2点の動きに依って来週を待たずに相場は動き出したという所である。また、本日はSQであり3連休前というのに素直に好感した点も大いに注目すべき点である。先物も全体も相場の中身に於ける流れの動きも久しぶりに文句無しの非常に良い動きとなっており、これを以って相場は一足先に根底から一変したと見る所である。長く続いた暗く弱い相場は過去のものとなってようやく鬱憤を晴らす時が来た。本日から始まった新しい相場に大いに期待である。

本日の株式市場の全般的な動き

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 9月14日の東京株式市場は日経平均株価が大幅続伸いたしました。
昨晩の米NY株式市場は上昇。DOWは+133ドルの13424ドル、NASDAQ総合指数は+8.99ポイントの2601.06ポイントとなりました。

 シカゴ平均株価先物大証終値+180円の15,980円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り3930万株、買い2660万株、差し引き1270万株の大幅売り越し観測(金額ベースも大幅売り越し)でした。

 東京株式市場は輸出関連株や金融株を中心に買われ大幅上昇。日経平均株価始値15,895円と前日終値15,821円から74円高くスタート。ジリジリと上昇し16,000円台を回復。後場には一段高となり+321円の16,142円まで上げ幅を拡大する場面がありました。引けは+306円の16,127円で本日の取引を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり962銘柄に対し、値下がりは640銘柄、変わらずは120銘柄。東証1部の売買代金は3兆6615億円、売買高は24億284万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 週末金曜日、本日の東京株式市場は日経平均株価が大幅上昇いたしました。昨晩の米株式市場の上昇を好感し続伸基調となっております。
 個別では、新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、神戸製鋼所(5406)など鉄鋼株や、住友金属鉱山(5713)、DOWAホールディングス(5714)、住友チタニウム(5726)、東邦亜鉛(5707)、東邦チタニウム(5727)など非鉄金属株が上昇。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、りそなホールディングス(8308)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など銀行株にも押し目買いが入り反発いたしました。

 また、トヨタ自動車(7203)、ホンダ(7267)、スズキ(7269)など自動車株が上昇。キヤノン(7751)、ソニー(6758)、京セラ(6971)、シャープ(6753)などのハイテク株も買われております。
 目立った銘柄では、これまで大きく売られていた銘柄から不動テトラ(1813)、GMOインターネット(9449)が反発し大幅上昇。ドバイ向け海水淡水化プラント用ポンプの受注が報道された酉島製作所(6363)や、第1四半期決算発表からアスクル(2678)、岡三が投資判断を新規に「やや強気」としたオーエム製作所(6213)などが上昇。
 その他、業績上方修正の住友金属鉱山(5713)が素直に上昇し、フルキャスト(4848)、グッドウィル・グループ(4723)は反発継続。サッポロホールディングス(2501)、住友チタニウム(5726)も買われております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場押し目買いが入り反発。主力株では、インテリジェンス(4757)、ダヴィンチ・アドバイザーズ(4314)、アセット・マネジャーズ(2337)、マネーパートナーズ(8732)は買われましたが、スパークス・グループ(8739)、インデックスHD(4835)、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ(8458)、GCAホールディングス(2126)、ガンホーオンライン(3765)などは売り物に押され下落いたしました。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数がそろって反発いたしました。

 個別では、「ザラ場の銘柄情報」でピックアップした銘柄からジャパン・デジタル・コンテンツ信託(4815)がストップ高まで買われた他、トラストワークス(2154)、ヴァリック(2387)、ランシステム(3326)、ブロードバンドタワー(3776)、インフォテリア(3853)、TFPコンサルティング(4792)、アルデプロ(8925)などがストップ高まで買われました。

 「下げるぞ、下げるぞ」と指摘される中、ズバッと300円幅の上昇を見せてきました。ただ東証1部の騰落数では値下がり640銘柄と多く、個別で見るとどうにもこうにもサッパリとしない動きが続いております。ただ、新興市場を見るとサイバー・コミュニケーションズ(4788)、ngi group(2497)、サイバーエージェント(4751)など下げ続けていた銘柄に動きが見られます。
 ダヴィンチ・アドバイザーズ(4314)など不動産ファンド関連株にも押し目買いが入っており、連休明けの動きも期待されます。先の暴落から市場は未だ落ち着いていない為、米NY株式市場や為替の動向により上にも下にも大きく動きます。引き続き【買い】は資金の一部に留めながらも連休明けの動きを見定めていきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+306円の16,127円と大幅続伸。昨晩の米NY株式市場は週間新規失業保険申請件数が予想を下回ったことや金融株が買われたことなどからDOW・NASDAQ総合指数ともに反発いたしました。
 東京株式市場はシカゴ平均株価先物大証終値+180円の15,980円と高く買われたことや、円安基調の為替を好感し買い優勢でスタートいたしました。

 日経平均株価は+74円の15,895円と高く寄り付き、その後もだれることなく買われ一段高の展開。後場に入っても堅調に推移し+306円の16,127円と、16,100円台まで戻し本日の取引を終了いたしました。
 SQ通過や為替の円安からの買い安心感に加え来週のFOMCでの政策金利引き下げへの期待も高まっております。

 中期基調は下向きを継続。短期基調は本日の上昇で下向きから上向きに転換いたしました。日経平均株価のサイコロは○○●●●○●●○●○○で「6勝6敗」。25日移動平均線は16,153円と下向き継続。日足ははっきりとした陽線を形成。
 昨日に「短期チャートでは小さな三角保ち合いを作っており明日以降、放れた方向に少し幅が出そうな位置となっております」と書かせて頂きましたが、『下有利』の中、上に走る形となりました。

 市場では本日の上昇で『底入れした』との見方もでております。ここから25日移動平均線を上抜き、直近高値9月3日の16,575円を陽線ではっきりと上抜いてくると17,000円方向への上昇も期待されます。
 しかし、本日時点では売り飽き気分からの上昇とも見られ、ここからはっきりと上を目指す動きとなるかは、連休明け来週の後半にかけての動きを見ていく形となります。