名実共に10月に入った本日の東京市場はNY市場の小幅な下げ及びシカゴ225先物の16.765円を受けて小安く始まったが日銀短観の大企業製造業の業況判断指数が予想を上回った事を背景に高値114円高を付けて前引け65円高後場に入っては上げ幅を縮小する動きとなって安値99円安を付けたが大引けにかけて再びプラスに転じて大引け60円高の16.845円と大きく揉み合いながらも上昇で下期の初日を終えている。先週筆者は売り方の作る踏み上げ相場の質となってここは次の上値を取る最大の力である売りを溜める押し目の場面であると解説してあるが、本日は高値から安値まで213円一気に下落しておきながら大引けには65円高とNYが安いにも関わらず先週末の下落を埋めて尚高くなっている点に注目である。これは相当に売りを誘い込んだ動きであり後はキッカケ次第で再び強力な踏み上げ相場となるであろう。相場は既に一変しているだけに今後の相場には強気で臨む事が大切である事を重ねて申し上げておきたい所であり、引き続きNY市場の新高値をそのキッカケとして注目する所である。
 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 10月1日の東京株式市場は日経平均株価が反発いたしました。
先週末の米NY株式市場は下落。DOWは−17ドルの13895ドル、NASDAQ総合指数は−8.09ポイントの2701.50ポイントとなりました。

 シカゴ平均株価先物大証終値−65円の16,765円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り2910万株、買い2560万株、差し引き350万株の売り越し観測(金額ベースも売り越し)でした。

 東京株式市場は売り買い交差しもみ合い商状。日経平均株価始値16,773円と前日終値16,785円から12円安くスタート。前日比+114円の16,899円まで上昇し堅調に推移しておりましたが、後場に入ると下げに転じ、−100円の16,685円まで下げる場面がありました。引けにかけて再び買いが広がり、+60円の16,845円で本日の取引を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり687銘柄に対し、値下がりは912銘柄、変わらずは115銘柄。東証1部の売買代金は2兆3007億円、売買高は18億595万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 週明け月曜日、名実ともに10月相場入りとなりました本日の東京株式市場は日経平均株価が反発しております。ただ、TOPIXは−0.73の1,615.89と下落しており、東証1部の騰落数を見ると値下がり銘柄数は912銘柄と多く、利益確定の売り物に押される銘柄が散見されます。

 個別では、新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、神戸製鋼所(5406)など鉄鋼株や、りそなホールディングス(8308)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株が小安く、住友金属鉱山(5713)、住友チタニウム(5726)、三井金属(5706)など非鉄金属株や、三菱商事(8058)、住友商事(8053)、丸紅(8002)など大手商社株も前日比マイナスで引けております。
 また、大和証券グループ本社(8601)、野村ホールディングス(8604)、松井証券(8628)など証券株の一角や、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)など大手不動産株や、パシフィックマネジメント(8902)、クリード(8888)、ケネディクス(4321)など不動産ファンド関連株も売られ押し目を形成しております。

 目立った銘柄では、寄り付き直後に「ザラ場の銘柄情報」でピックアップした東海観光(9704)が暴騰し東証1部上昇率ランキングトップに君臨。フィデリティ投信が5%超保有したことが明らかとなった光通信(9435)や、紀州製紙(3882)、武富士(8564)、ポイント(2685)、ライトオン(7445)などが幅のある上昇を演じております。
 フルキャスト(4848)はストップ高。一般会員注目銘柄提案のGMOインター(9449)も暴騰しております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は高安マチマチながらしっかりと推移しております。主力では、楽天(4755)、インテリジェンス(4757)、ディー・エヌ・エー(2432)、GCAホールディングス(2126)などは買われましたが、アルゼ(6425)、スパークス・グループ(8739)、インデックスHD(4835)、アルデプロ(8925)、日本ベリサイン(3722)などは売り物に押され下落いたしました。
 新興3市場は、JASDAQ平均は反落いたしましたが、マザーズ指数、ヘラクレス指数は揃って上昇いたしました。

 個別では、「特別会員提案銘柄」のジャパン・デジタル・コンテンツ信託(4815)を始め、「ザラ場の銘柄情報ピックアップ銘柄」のアイレップ(2132)、アイル(3854)、ソースネクスト(4344)、デジタルアーツ (2326)が揃ってストップ高まで買われた他、フルスピード(2159)、ビットアイル(3811)、AQインタラクティブ(3838)、コムチュア(3844)、エイチアイ(3846)、イー・ギャランティ(8771)なども値幅制限いっぱいまで買われました。

 さて、10月に入りました。早いもので今年も残すところ3ヶ月となっております。『年末』に向けて強い展開を期待しておりますが、これまで買い転換に至ってもグサッと暴落するなど裏切られ続けただけに慎重な見方が多いのが現状です。
 特に新興市場銘柄については未だ不信感が強く「今回も単なるリバウンド」との見方もございます。しかし先日も書かせて頂きましたが、ライブドアショックから1年8ヶ月下げ続けた後の底入れ反騰です。

 新興市場銘柄を代表とする楽天(4755)、ACCESS(4813)、ミクシィ(2121)、アルデプロ(8925)などは買い転換に至っており、底入れ感は日々高まっております。流石に先週の反騰から売り物に押される銘柄もございますが、引き続き押し目は買いのスタンスで見ていきます。
 TFPコンサルティンググループ(4792)は投資先の株式上場延期や投資先企業株式売却による売却損の発生などからの業績下方修正で暴落したままの安値圏に位置しておりますが、四季報の2009年3月期連結当期利益は13.5億円予想をなっており1株利益は27,841円見通し。本日株価は−3,300円の79,200円と売られておりますが、安いところは買いチャンスとなります。

 その他個別では、不動産ファンド関連のレイコフ(8941)や、オンラインゲーム開発大手のサイバーステップ(3810)、シニアビジネスサポート事業を展開するシニアコミュニケーション(2463)、クレジットカード決済システムで国内首位のインテリジェント ウェイブ(4847)などもマークされます。引き続き大きく売られた銘柄の反発を狙っていきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+60円の16,845円と小幅反発。先週末の米NY株式市場はセントルイス連銀総裁の「追加利下げがあると思い込むべきではない」との見方も伝わり売り物に押され反落。DOW、NASDAQ総合指数は一服、4日ぶりの下落となりました。

 東京株式市場は米国株安や為替の円高などから売り優勢で取引を開始。日経平均株価は−12円の16,773円と小安く始まりましたが、その後は9月調査の企業短期経済観測調査(日銀短観)で、大企業製造業の業況判断指数が市場予想を上回ったことなどが好感され反発し+114円の16,899円まで上昇。
 後場に入りズルズルと−100円の16,685円まで売られた場面がありましたが、引けにかけて反発し+60円の16,845円で取引終了となりました。

 先週末に「本日は下落いたしましたが下げ幅は46円に限定され、昨日抜いた9月3日の16,575円は割り込んでおりません。9月18日安値の15,780円から本日高値の16,929円まで1,149円幅の上昇を演じておりますので、売り物を吸収する適度な調整と見られます」と書かせて頂きましたが、売られた場面があったもののしっかりとした動きとなっております。

 中期基調は上向き。短期基調は上向きを継続。日経平均株価のサイコロは●○○●○○●○○○●○で「8勝4敗」。25日移動平均線は16,266円と上向き継続となっております。日足は下ヒゲを持つ小陽線を形成。

 引き続き、上げ下げ繰り返しながらじっくりと18,000円方向に向かう上昇が期待されます。しかし、ズルズルと売られ16,500円台に下げてしまうなど弱い動きとなってしまうと、底値圏でもみ合うボックスの動きに戻ってしまう可能性もございます。
 その為には、明日以降売り物にへこたれることなく9月28日に記録した戻り高値16,929円を更新してくる必要がございます。