本日の東京市場、NY市場の新高値とシカゴ225先物の17.310円引けを受けて71円高で始まり直後に94円高の高値を付けたが後場から大引けにかけては上げ幅を縮小して17円高の17.177円引け、先物は6万3.713枚の出来高で17.230円引けと現物を大幅に上回って終わっている。相場付きとしては朝方高値を付けて大引けにかけて上げ幅を縮小する中で売り物をこなしてプラスで終わる昨日と同様の今後につながる上昇の形となっているが、相場の中身に於いては折からの中小型材料株が堅調に上昇する一方でこの所休んでいた大型株の一角に動きが出て来た点に注目である。昨日筆者は「明日からの相場の中身に於ける変化に注目」と解説したが、現在の形に大型株の上昇が加わる事は今後の相場に対する強い追い風となるだけに大いに歓迎すべき変化である。明日からの相場は本日の変化を受けて流れも相場付きもまた一つ進展して行く事になる。相場の変化を見極めながら取り組む事が大切な場面である。
■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 10月10日の東京株式市場は日経平均株価が小幅続伸いたしました。
昨晩の米NY株式市場は堅調。DOWは+120ドルの14164ドル、NASDAQ総合指数は+16.54ポイントの2803.91ポイントとなりました。

 シカゴ平均株価先物大証終値+110円の17,310円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り3730万株、買い2710万株、差し引き1020万株の売り越し観測(金額ベースでも売り越し)でした。

 東京株式市場は上値の重い展開。日経平均株価始値17,231円と前日終値17,159円から72円高くスタート。買いが先行し+95円の17,254円まで上昇しましたが、その後は伸び悩む動きとなりました。後場中頃にはマイナスに転じる場面も見られました。引けは+17円の17,177円で本日の取引を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり706銘柄に対し、値下がりは863銘柄、変わらずは146銘柄。東証1部の売買代金は2兆2715億円、売買高は16億9363万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は日経平均株価が小幅続伸いたしましたが、下落銘柄も多く高安マチマチとなっております。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、りそなホールディングス(8308)など大手銀行株や、野村ホールディングス(8604)、松井証券(8628)、新光証券(8606)など大手証券株が下落。
 昨日まで見直し買いが進んでいたリサ・パートナーズ(8924)、パシフィックマネジメント(8902)、クリード(8888)など不動産ファンド関連株も売られております。

 一方、NY原油先物高を受け、住友金属鉱山(5713)、三菱マテリアル(5711)、DOWAホールディングス(5714)など非鉄金属株や、国際石油開発帝石ホールディングス(1605)、石油資源開発(1662)、新日本石油(5001)など石油株が上昇。伊藤忠商事(8001)、三菱商事(8058)など商社株も買われております。

 目立った銘柄では、ノンバンクからシンキ(8568) ロプロ(8577)がストップ高まで買われた他、「ザラ場の銘柄情報」で動き出した場面をピックアップしたMUTOHホールディングス(7999)もザラ場ストップ高まで買われました。
 その他、不動テトラ(1813)、西友(8268)、インプレスホールディングス(9479)、アーク(7873)、エス・バイ・エル(1919)なども幅のある上昇を演じております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は利益確定の売りに押され下落。主力では、楽天(4755)を始め、SBIイー・トレード証券(8701)、スパークス・グループ(8739)、インデックスHD(4835)、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ(8458)、ディー・エヌ・エー(2432)、ミクシィ(2121)、GCAホールディングス(2126)、アルデプロ(8925)などが揃って売られております。
 新興3市場は、JASDAQ平均は続伸いたしましたが、マザーズ指数、ヘラクレス指数は反落いたしました。マザーズ指数は11日ぶり、ヘラクレス指数は10日ぶりの下落です。

 個別では、デジタルアーツ(2326)を始め、システム・テクノロジー・アイ(2345)、アイ・ビー・イー(2347)、ヴァリック(2387)、デジタルスケープ(2430)、ジー・トレーディング(3348)、メディア工房(3815)、サイバーコム(3852)、グラウンドファイナンシャルアドバイザリー(8783)などがストップ高
 本日買いの「特別会員銘柄」のジャレコ・ホールディング(7954)は+6円の28円と暴騰しJASDAQ市場上昇率ランキングトップに君臨しております。
 反面、フルスピード(2159)、マガシーク(3060)、ジャパン・デジタル・コンテンツ信託(4815)、インタースペース(2122)、リンク・セオリー(3373)などが大きく売られるなど下落銘柄も散見されます。

 さて、連騰を続ける新興市場に対し昨日に「流石にここまで連騰を重ねると売り物も多く、そろそろ短期調整も想定しての見方に変わってきます」と書かせて頂きましたが、そうした動きとなりました。1年8ヶ月売られ続けた歴史的底打ちからの反騰ですので中長期では『強気継続』ですが、買い疲れ感も高まっていただけに短期調整の動きとなっております。

 気になる今後の動きですが、本日を含めて2・3本の陰線を形成しその後に反発する形となるのではないか、と予想しておりますが、その他明日空かさず強く切り返す動き、又は1・2週間の比較的長い時間の調整となる形も考えられます。明日から何処で反発してくるか注目していく形となります。
 それまでは本日のMUTOHホールディングス(7999)のように休んでいた仕手性銘柄の動き出しを確認して乗っていく形となります。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+17円の17,177円と小幅続伸いたしました。昨晩の米NY株式市場はDOW、NASDAQ総合指数共に上昇。引けにかけて買われ、堅調な動きとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+110円の17,310円と高く回ってきたことや米NY株高を好感し、日経平均株価は+72円の17,231円と高くスタート。寄り付き後に+95円の17,254円まで上昇しましたが、その後は上値の重い展開となりジリジリと上げ幅を縮小。引けは+17円の17,177円で取引終了となっております。

 中期基調は上向き。短期基調は上向きからフラットに転換いたしました。日経平均株価のサイコロは●○○○●○○○●●○○で「8勝4敗」。25日移動平均線は16,473円と上向き継続となっております。日足は短陰線を形成しております。
 2日続伸いたしましたが上げ幅は限定され上値の重さを強く意識させる動きとなっております。本日は米NY株式市場高の後押しから高く始まったものの昨日に続き10月3日の17,205円を抜けきれずにいます。

 上昇し戻り高値更新が期待された場面で、2度にわたり不発となってしまうと一端下げてしまうことも多く、明日以降は「下げ」に対し注視する必要がございます。
 チャートでは上昇トレンドは継続しております。ここ数日のもたつきも特に問題はなく、18,000円方向に向かう動きに期待する見方に変化はありません。しかし先に書かせて頂いたように、『抜かなければいけない場面で抜けなかった』ことから少し注意して見る必要もございます。