本日の東京市場はNY市場の上昇及びシカゴ225先物の16.755円引けにも関わらず42円安で始まり安値205円安を付けて大引け47円安の16.651円、先物も9万7.342枚の大商いで一時は16.500円を付けて16.670円引けと荒れた一日となっている。NYに於いて今夜から始まるFOMCを前に昨日大きく上昇しただけに利食いが先行する中で相場の中身は昨日と一変して好決算を発表した銘柄までもが売られる先週の悪い相場付きの再来となっている。非常に不安定な相場付きであるが、折から解説の通りFOMCに於ける利下げの決定とその内容をキッカケに次の段階に入る事になるであろう。本日の出来高は23億株の売買代金3兆1.693億円と急増している点に加えて大引け16.651円は寄り付き16.655円とほぼ寄り引け同値で罫線に於いて先高を示す大きな下ヒゲを付けた十字線となっている点に注目である。
いよいよ目先の最大の好材料となるであろうFOMCに於ける追加利下げが明日ハッキリする。ひとまずこれを通過しない事には始まらない所であるだけにこの結果に注目である。
 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 10月30日の東京株式市場は日経平均株価が反落いたしました。
昨晩の米NY株式市場は堅調。DOWは+63ドルの13870ドル、NASDAQ総合指数は+13.25ポイントの2817.44ポイントとなりました。

 シカゴ平均株価先物大証終値+25円の16,755円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り3940万株、買い3620万株、差し引き320万株の売り越し観測(金額ベースでは買い越し)でした。

 東京株式市場は様子見ムードが強く軟調日経平均株価始値16,655円と前日終値16,698円から43円安くスタート。戻り待ち売りに押される展開が続き、後場中頃に前日比−206円の16,492円と16,500円を割り込む場面もありました。引けにかけては下げ渋る動きとなり、結局−47円の16,651円で本日の取引を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり857銘柄に対し、値下がりは761銘柄、変わらずは104銘柄。東証1部の売買代金は3兆1693億円、売買高は23億23万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は主力株の一角が売り物に押され高安マチマチとなっております。国内主力企業の好決算や米NY株式市場高から本日は堅調に推移すると思われましたが、利益確定売りが先行、反動安の動きとなりました。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、りそなホールディングス(8308)など大手銀行株や、関東つくば銀行(8338)、横浜銀行(8332)など地銀株の一角が続伸。三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)など不動産株も買われ続伸。クリード(8888)、パシフィックマネジメント(8902)、リサ・パートナーズ(8924)など不動産ファンド関連株も堅調に推移しております。

 また、NY原油先物相場の新値追いから、国際石油開発帝石ホールディングス(1605)、石油資源開発(1662)、新日本石油(5001)、昭和シェル石油(5002)、コスモ石油(500)など石油株や資源開発株が上昇いたしました。
 反面、三菱UFJ証券、日興シティグループ証券みずほ証券などの国内外証券によるレーティング引き下げから武田薬工業(4502)がストップ安に沈んだのを始め、沢井製薬(4555)、キョーリン(4569)、エーザイ(4523)など医薬品株が下落しております。

 目立った銘柄では、「ザラ場の銘柄情報」でピックアップしたアゼル(1872)が+60円の309円と暴騰し東証1部上昇率ランキングトップに君臨。また、ミサワホーム(1722)、大京(8840)、長谷工コーポレーション(1808)、大和ハウス工業(1925)などが大幅上昇。「国土交通省は改正建築基準法での建築確認の審査を緩和する方針を決定した」と報じられたことから住宅関連銘柄が人気化しております。
 その他、紀陽ホールディングス(8415)、曙ブレーキ工業(7238)、フェイス(4295)、積水化学工業(4204)などが幅のある上昇を演じました。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り物に押され下落。主力株では楽天(4755)を始め、SBIイー・トレード証券(8701)、スパークス・グループ(8739)、インテリジェンス(4757)、ディー・エヌ・エー(2432)、ミクシィ(2121)などが売り物に押され下落。インデックスHD(4835)、GCAホールディングス(2126)などは買われております。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数はそれぞれ反落いたしました。

 個別では、「ザラ場の銘柄情報」でピックアップした銘柄から、アプリックス(3727)、インテリジェント ウェイブ(4847)などがストップ高まで買われた他、オックスホールディングス(2350)、アドミラルシステム(2351)、エフティコミュニケーションズ(2763)、イントランス(3237)、ディア・ライフ(3245)、エム・ピー・テクノロジーズ(3734)、インタートレード(3747)、ターボリナックス(3777)、フィスコ (3807)、ジャパン・デジタル・コンテンツ信託(4815)、インデックス・ホールディングス(4835)など本日は新興市場の中でも比較的小型の銘柄からストップ高銘柄が生まれております。

 さて、良い動きを見せていた新興市場は本日は一服。サイバーエージェント(4751)、サイバー・コミュニケーションズ(4788)、ngi group(2497)など暴騰相場の先導役銘柄も売り物に押され反落となりました。足の速い資金はアゼル(1872)、大京(8840)、長谷工コーポレーション(1808)などの本日から動き出した住宅関連銘柄に向かっております。

 以前でしたら、賑わっていた銘柄郡が崩れてしまうと相場全体がしぼんでしまう形が多かったのですが、この所の新興市場の暴騰から短期資金も活発化。出遅れ銘柄や新たに動き出した銘柄にクリック・クリックでサクサクと移動していきます。
 本日売られた新興市場も休憩後は再度買われることが予想されますし、東証1部の出遅れ銘柄も順番に飛び出してくるでしょう。「マエストロ」では引き続き新興市場を中心に見ていきますが、バタバタとしたトレードを嫌う方は大手銀行株や証券株、不動産株、また戻り高値更新のソフトバンク(9984)などをじっくりと追っていくのも良いと思われます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−47円の16,651円と反落。昨晩の米NY株式市場は追加利下げに対する期待感などから堅調。NYDOW・NASDAQ総合指数共に上昇いたしました。
 東京株式市場はシカゴ平均株価先物大証終値+25円の16,755円と小高く買われていたのですが、夜間取引のGLOBEXで米株価指数先物が弱含んでいることなどから、売り優勢の展開で取引を開始いたしました。

 日経平均株価は−43円の16,655円で取引をスタート。寄り付き後も売り物に押され下落基調が続き、後場に入り−206円の16,492円まで売られた場面がありましたが、引けにかけて下げ幅を縮小。−47円の16,651円で本日の取引を終えました。
 中期基調はフラット。短期基調は上向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは○●●○●●○●●○○●で「5勝7敗」。25日移動平均線は16,863円と上向き継続となっております。日足は長い下ヒゲを持つ短小陰線を形成。一服商状となっております。

 昨日に「本日高値の16,774円を超え、25日移動平均線の16,850円を抜けてくると、上値を追う動き・強い動きとなります」と書かせて頂きましたが、そうした動きとはならず反落。では弱いのか?というとそうではなく、引けにかけて戻した動きを見ても下値は買われる動きとなっております。
 16,492円まで売られましたが、これで前日に空けた窓埋めを完了。明日以降、前日高値の16,774円を超え、25日移動平均線の16,863円に向かう動きに期待していきます。