本日の東京市場、NY市場の下落とシカゴ225先物の16.645円引けを受けて30円安で始まり98円安の安値を付けて65円安の前引けとなったが後場からプラスに転じてほぼ高値引けの86円高16.737円、先物は9万2.916枚で16.710円引けと本日も不安定な相場付きとなっている。罫線に於いて下ヒゲの長い十字線を付けた翌日である本日ほぼ高値で引けた事は昨日に続いて相場の先高を示す動きとして評価すべき点であるが、折から解説の通り今夜のNY市場に於ける金利動向を見極めてからという所である。
いよいよ今夜FRB金利動向がハッキリする事になるが、現時点で市場は0.25%を妥当として0.5%の可能性もあり商品市況の上昇から据え置きも有り得るという蓋を開けてみないと解らないという交錯した状態となっている。これが最近の東京市場の不安定な動きと昨日のNY市場の大引けにかけての下落の背景であり、これを通過しない事にはどうにもならないというのが現状である。筆者としては年内にもう一回引き下げる余地を残して0.25%の引き下げで市場は好感する事になるものと考えるが、いずれにしても相場を大きく変えるキッカケとなるだけに今夜の発表と相場の反応に注目する所である。
■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 10月31日の東京株式市場は日経平均株価が反発いたしました。
昨晩の米NY株式市場は反落。DOWは−77ドルの13792ドル、NASDAQ総合指数は−0.73ポイントの2816.71ポイントとなりました。

 シカゴ平均株価先物大証終値−25円の16,645円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り3020万株、買い3740万株、差し引き720万株の買い越し観測(金額ベースでも買い越し)でした。

 東京株式市場は午後に入り反発いたしました。日経平均株価始値16,620円と前日終値16,651円から31円安くスタート。前場は下値でもみ合う展開が続きましたが、後場に入るとプラスに転じ、好業績銘柄や銀行株を中心に買いが広がりました。引けは、+86円の16,737円で本日の取引を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり1,189銘柄に対し、値下がりは452銘柄、変わらずは79銘柄。東証1部の売買代金は2兆9196億円、売買高は21億2318万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は好業績銘柄を中心に買われ上昇いたしました。FOMCを控え見送りムードが強いなか、主力企業の良好な決算内容を好感。大引けにかけて月末のドレッシング買いも入ったようです。
 個別では、自社株買い観測が好感された三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)を始め、りそなホールディングス(8308)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行や、常陽銀行(8333)、群馬銀行(8334)など地銀株が上昇いたしました。

 また、野村ホールディングス(8604)、新光証券(8606)、みずほインベスターズ証券(8607)など証券株や、トヨタ自動車(7203)、トヨタ車体(7221)、日産自動車(7201)、三菱自動車(7211)など自動車株が買いを集め上昇。三菱自動車(7211)は出来高トップで高値更新となっております。
 反面、国際石油開発帝石ホールディングス(1605)、新日本石油(5001)、昭和シェル石油(5002)、コスモ石油(500)など石油株や資源開発株が下落。新和海運(9110)、明治海運(9115)、太平洋海運(9123)など海運株や、住友商事(8053)、三菱商事(8058)など商社株も売られております。

 目立った銘柄では、高所作業車・電設工事用特装車でトップのアイチコーポレーション(6345)が+191円の1,482円と大幅上昇を演じ東証1部上昇率ランキングトップに君臨。モルガン・スタンレーと不動産事業での提携が好感されたサッポロホールディングス(2501)はストップ高に。
 その他、東海理化(6995)、エーアンドエーマテリアル(5391)、グッドウィル・グループ(4723)、ダイワ精工(7990)、高砂香料工業(4914)、SFCG(8597)などが幅のある上昇を演じました。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は高安マチマチとなっております。主力株では楽天(4755)を始め、ディー・エヌ・エー(2432)、ACCESS(4813)、GCAホールディングス(2126)、日本ベリサイン(3722)などが売り物に押され下落いたしましたが、SBIイー・トレード証券(8701)、スパークス・グループ(8739)、ミクシィ(2121)、インテリジェンス(4757)、インデックス・ホールディングス(4835)などは買われております。
 新興3市場は、JASDAQ平均、ヘラクレス指数は上昇いたしましたが、マザーズ指数は続落いたしました。

 個別では、「特別会員銘柄」の総医研ホールディングス(2385)を始め、イー・キャッシュ(3840)、システム・ロケーション(2480)、エフティコミュニケーションズ(2763)、インタートレード(3747)、ブロードバンドタワー(3776)、TFPコンサルティンググループ(4792)、オー・エイチ・ティー(6726)、ニッシン債権回収(8426)などがストップ高まで買われております。

 さて、サイバーエージェント(4751)、サイバー・コミュニケーションズ(4788)、ngi group(2497)など暴騰相場の先導役銘柄は調整継続となりましたが、SBIイー・トレード証券(8701)、インテリジェンス(4757)などJASDAQ市場の主力株は買われております。
 ただ本日どちらかというと三菱自動車(7211)、オリエントコーポレーション(8585)など新興市場以外の銘柄が賑わっており、新興市場に入っていた資金が東証1部の材料株や出遅れ銘柄などに向かっている形となっております。市場は循環物色の流れに変化してきました。今後は新興市場銘柄だけではなく、東証1部市場から大幅下落銘柄や底値圏でモタモタしている銘柄も見ながらとなります。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+86円の16,737円と反発。昨晩の米NY株式市場は追加利下げの後退から売り物に押され反落。NYDOW・NASDAQ総合指数共に反落いたしました。
 東京株式市場はシカゴ平均株価先物大証終値−25円の16,645円と小安く回ってきたことや、米NY株式市場安から方向感無く取引を開始いたしました。

 日経平均株価は−31円の16,620円で取引をスタート。寄り付き後、−99円の16,552円まで売られた場面もありましたが後場に入り反発。ドレッシング買い期待や先物買いなどから引けは+86円の16,737円と16,700円台で取引を終えました。
 中期基調はフラット。短期基調は上向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは●●○●●○●●○○●○で「5勝7敗」。25日移動平均線は16,877円と上向き継続となっております。日足は下ヒゲを持つ陽線を形成。反発基調継続の動きとなっております。

 先日「29日高値の16,774円を超え、25日移動平均線の16,850円を抜けてくると、上値を追う動き・強い動きとなります」と書かせて頂きましたが、本日その16,774円を目指す動きとなっております。日足は昨日に続き下ヒゲを形成し、下値に対して抵抗を見せており買い安心感も感じさせております。

 明日以降、29日高値の16,774円を超え25日移動平均線の16,877円に向かう動きが期待されますが、相場は未だ不安定です。16,700円から上では上値も重いことが予想されるだけに、積極的に買い向かうにも注意が必要といえます。ここからはもみ合う動きが続くのか。