注目されたFOMCが0.25%の利下げで難無く通過した昨日のNY市場に再びサブプライムローン問題が再燃して来た。今度はカナダ金融大手CIBCがシティグループバンク・オブ・アメリカに対する投資判断を引き下げた事をキッカケにダウ362ドル安ナスダック64p安、シカゴ225先物も16.450円の大幅下落となっている。これを受けた東京市場はも昨日でようやく霧の晴れた動きが一転して元の暗い相場付きとなっている。ダウは223円安で始まり385円安の安値を付けて大引け352円安の16.517円、先物も1万4.787枚の出来高で16.490円と終始大幅下落の一日である。
相場は本日の動きで目先底を探る形となったが中途半端に戻る事無く下落したまま終わった点は不幸中の幸いである。来週から再び相場の中身から組み立て直しながら全体相場はキッカケを待つ動きとなるであろう。ひとまずNYに於いて今晩発表される雇用統計がそのキッカケとなる可能性もあるだけに予想8万人が結果どうなるかに注目する所である。
■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 11月2日の東京株式市場は日経平均株価が続伸いたしました。
昨晩の米NY株式市場は大幅下落。DOWは−362ドルの13567ドル、NASDAQ総合指数は−64.29ポイントの2794.83ポイントと暴落いたしました。

 シカゴ平均株価先物大証終値−370円の16,540円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り5630万株、買い4810万株、差し引き820万株の売り越し観測でした。
 東京株式市場は米NY株式市場の暴落を嫌気し反落。日経平均株価始値16,647円と前日終値16,870円から223円安くスタートいたしました。売り物一巡後下値を切り上げる場面もありましたが売り直され−352円の16,517円で週末の取引を終えました。

 東証1部の騰落数は、値上がり239銘柄に対し、値下がりは1,423銘柄、変わらずは57銘柄。東証1部の売買代金は3兆444億円、売買高は20億8331万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 週末金曜日、本日の東京株式市場は主力株を筆頭に幅広い銘柄が売られております。昨晩の米NY株式市場はサブプライムローン問題が金融株に与える影響が長期化するとの見方が広がり暴落いたしました。東京株式市場もこれを嫌気し全面安商状となっております。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、りそなホールディングス(8308)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、横浜銀行(8332)、関東つくば銀行(8338)など地銀株が下落。

 大和証券グループ本社(8601)、日興コーディアルグループ(8603)、野村ホールディングス(8604)など証券株や、三井住友海上火災保険(8752)、日本興亜損害保険(8754)、ニッセイ同和損害保険(8759)など損保株も大きく売られております。
 また、新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)など鉄鋼株や、三菱マテリアル(5711)、住友金属鉱山(5713)、DOWAホールディングス(5714)など非鉄金属株も軟調キヤノン(7751)、ソニー(6758)などハイテク株や、三井不動産(8801)、三菱地所(88802)、住友不動産(8830)など大手不動産株も売られました。

 一方目立った銘柄では、業績見通しの上方修正からTBK(7277)、リサ・パートナーズ(8924)、三井住友建設(1821)、シロキ工業(7243)、ブラザー工業(6448)、住友電設(1949)、モリ工業(5464)、コニカミノルタホールディングス(4902)などが人気化し上昇いたしました。
 その他、フルキャスト(4848)、シンプレクス・テクノロジー(4340)、クボテック(7709)、角川グループホールディングス(9477)などが買われております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は全般的に売られる中、マザーズ市場などの一角が買われております。主力株では楽天(4755)、ミクシィ(2121)、ディー・エヌ・エー(2432)、インデックスHD(4835)、サイバーエージェント(4751)、サイバー・コミュニケーションズ(4788)などは買われましたが、SBIイー・トレード証券(8701)、アルデプロ(8925)などは売られております。

 新興3市場は、マザーズ指数は反発いたしましたが、JASDAQ平均、ヘラクレス指数は続落いたしました。
 個別では、「ザラ場の銘柄情報」でピックアップした銘柄から駐車場綜合研究所(3251)、ターボリナックス(3777)がストップ高まで買われた他、ブイ・テクノロジー(7717)などが幅のある上昇を演じました。

 さて、日経平均株価が崩れ東証1部銘柄は全面安に近い様相となっております。しかし、6日のアリババ香港上場を材料にソフトバンク(9984)は+10円の2,820円としっかりと推移。一般会員注目銘柄のオリエントコーポレーション(8585)は+21円の187円と暴騰するなど、強い銘柄への「買い」は続いております。
 東証1部の主力株の崩れから調整していたアプリックス(3727)、ngi group(2497)、サイバーエージェント(4751)などの新興市場人気株の上昇も、良い動きと言えます。

 来週は、ソフトバンク(9984)を筆頭にネット関連銘柄や、グッドウィル・グループ(4723)など底放れ上昇トレンド入り銘柄の動きに期待していきます。また、新たに動き出す銘柄をチェックしながら、東証1部市場から富士エレクトロニクス(9883)、日本パーカライジング(4095)、ミサワホーム(1722)などの底値圏でモタモタしている銘柄、もみ合いを飛び出してきた銘柄などを追っていきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−352円の16,517円と大幅下落。昨晩の米NY株式市場の暴落を始め、為替の円高サブプライムローン問題などから売り優勢で取引を開始。
 日経平均株価は昨日まで順調に値を上げ「いよいよ25日移動平均線抜きか!」と更なる上昇が期待されていたところで冷水をかけられた形となりました。

 日経平均株価は−223円の16,647円で始まり、引けは−352円の16,517円。中期基調はフラット。短期基調は上向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは○●●○●●○○●○○●で「5勝7敗」。25日移動平均線は16,881円と本日の下落で上向きから下向きに転換いたしました。日足は下放れ陰線で崩落線。

 FOMCなど重要イベントを通過、米NY株式市場も堅調を維持しての昨日の上昇と、市場では買い安心感が高まっておりました。しかし本日、その気が緩んだところでガツンと暴落です。引けでは16,500円台を維持しておりますが、本日の動きでチャートは弱くなっております。
 週明けは本日の下落に対する反動高の動きも期待されますが、本日の下落で「形」を悪くしてしまった為、続落に対しての注意も必要です。16,500円を守って頂きたいと思っておりますが、来週前半の動きを見ていく形となります。