週明けの東京市場は先週から再燃したNYサブプライムローン問題に対する懸念と民主党代表小沢氏の辞意表明に依る政治不安で終始大幅下落の一日となっている。59円安の始まりから305円安の安値を付けて248円安の16.268円引け、先物も9万3.542枚の出来高で16.300円の終りである。相場の中身もナスダックの堅調を受けた一部のハイテク株のしっかりを除けば主力株を中心とする下落で流れもうねりも無い全面安の非常に悪い相場付きとなっている。この数日で再び市場は暗くなって目先の光も見えない事から本日は守りに入るべく一旦手持ちを処分する動きが背景にあるが、確実に良い銘柄までも一緒に売られている点に注目する所である。
小沢氏は安倍氏退任のキッカケともなった人物であるだけに目先は相場を見る意味でも小沢一派の動向が注目される事になる。今回の小沢氏の辞意表明は第二のロッキード事件になるとも言われる防衛庁問題が裏にあり福田氏の歩み寄りに対して小沢氏が同調したものと筆者は見るが、今後慌ただしくなるであろう防衛庁問題の成り行きと小沢氏の動向に注目しながら相場の変化を見極める所である。
■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 11月5日の東京株式市場は日経平均株価が続落いたしました。
先週末の米NY株式市場は反発。DOWは+27ドルの13595ドル、NASDAQ総合指数は+15.55ポイントの2810.38ポイントとなりました。

 シカゴ平均株価先物大証終値+20円の16,510円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り4230万株、買い4130万株、差し引き100万株の売り越し観測(金額ベースでは買い越し)でした。
 東京株式市場は幅広い銘柄が売られ続落。日経平均株価始値16,458円と前日終値16,517円から59円安くスタート。前場は16,400円前後でもみ合う動きが続きましたが、後場に入ると一段安となり16,300円を割り込み推移いたしました。引けは−248円の16,268円で本日の取引を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり270銘柄に対し、値下がりは1,376銘柄、変わらずは67銘柄。東証1部の売買代金は2兆6613億円、売買高は20億556万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 週明け月曜日、本日の東京株式市場は金融株を筆頭に幅広い銘柄が売られております。サブプライムローン問題から米金融機関に対して先行き不透明感が強まり、様子見ムードが強まる中、香港・ハンセン指数の急落も重なり売り物に押される形となりました。

 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、りそなホールディングス(8308)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、西日本シティ銀行(8327)、関東つくば銀行(8338)など地銀株が下落。大和証券グループ本社(8601)、新光証券(8606)など証券株も売られております。
 また、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)など大手銀行株や、クリード(8888)、パシフィックマネジメント(8902)、リサ・パートナーズ(8924)など不動産ファンド関連株も売られております。

 更に、新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、神戸製鋼所(5406)など鉄鋼株や、住友金属鉱山(5713)、三菱マテリアル(5711)、DOWAホールディングス(5714)など非鉄金属株も下落。伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)、三菱商事(8058)など商社株は外国人売りから大きく売られ東証の業種別株価指数で値下がり率トップとなり、商船三井(9104)、新和海運(9110)、乾汽船(9113)など海運株も大幅な下落を演じております。

 その中目立った銘柄では、業績の上方修正からクボテック(7709)、福島工業(6420)、KIMOTO(7908)、宇部興産(4208)、TBK(7277)などが人気化し上昇。その他、ドワンゴ(3715)、フォスター電機(6794)、タムラ製作所(6768)などが買われました。本日は上昇が期待されているソフトバンク(9984)も売られております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り物に押され軟調。主力株では楽天(4755)を始め、SBIイー・トレード証券(8701)、スパークス・グループ(8739)、ミクシィ(2121)、インテリジェンス(4757)、インデックスHD(4835)、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ(8458)などが下落いたしましたが、ディー・エヌ・エー(2432)、アンジェス MG(4563)はしっかりです。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数が揃って下落いたしました。

 個別では、フルキャストテクノロジー(2458)、フュートレック(2468)、テクノアルファ(3089)、駐車場綜合研究所(3251)、ジー・エフ(3751)、ブロードバンドタワー(3776)、デジタルデザイン(4764)、日本コンピュータグラフィック(4787)などがストップ高まで買われ、コモンウェルス・エンターテインメント(7612)、フライトシステムコンサルティング(3753)、ジェイプロジェクト(3063)なども逆行高となっております。

 さて、日経平均株価が続落。先週末は東証1部銘柄全面安の中、マザーズの主力株を中心に新興市場銘柄の一角が買われたのですが、本日は揃って売られ残念な動きとなりました。ただ、ここから更に暴落するような動きは現時点では考え難く、下げた場面では強い銘柄の押し目買いで小刻みに取っていきます。
 引き続き、アリババ香港上場を材料としたソフトバンク(9984)の動きに注目しつつ、新興市場の人気株や東証1部の底値もみ合いから抜け出した銘柄などを追っていきます。富士エレクトロニクス(9883)、日本パーカライジング(4095)などをじっくりと。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−248円の16,268円と大幅続落。先週末の米NY株式市場は10月米雇用統計が市場予想を大きく上回ったことから上昇いたしました。しかし、サブプライムローン関連の損失拡大懸念から金融株は売られており、市場では「底入れ感は出ていない。まだ米NY株式市場には注意が必要」とした見方が続いております。

 東京株式市場は、民主党小沢一郎代表の辞意表明からの政局不透明感や、欧米市場での金融株の下落などが嫌気され売り優勢で取引を開始いたしました。
 日経平均株価は−59円の16,458円と小安い位置でスタートいたしましたが、反発という反発は見られず後場に入り一段安。24時間取引のGLOBEXで米株価指数先物が売られていたことや香港ハンセン指数の急落などから先物主導で下落いたしました。

 中期基調はフラット。短期基調は上向きから下向きに転換いたしました。日経平均株価のサイコロは●●○●●○○●○○●●で「5勝7敗」。25日移動平均線は16,861円と下向き眷属。日足は下放れ陰線2本連続で下落足となっております。
 先週末の米NY株式市場はしっかりでしたが、日経平均株価は続落です。空かさず反発できなかったことから、チャートは更に悪化し更なる下落に対し注意が必要な形となりました。

 本日終値は16,268円と、直近安値10月25日の16,199円は守っておりますが、終値ベースでは直近安値を割り込んでおり厳しい展開となっております。テクニカル的には1日2日の反発が期待されますが、反発した場面での強気の買いには注意も必要といえます。