本日の東京市場、NY市場の下落とシカゴ225先物の16.205円引けを受けて116円安で始まり直後に付けた124円安を安値にプラスに転じて前引けは85円高と高値で終えたが後場に入って再びマイナスに転じて大引け19円安の16.249円、先物も10万8.175枚の出来高で16.270円の終りとなっている。この所の下落に対する反発の動きがようやく出た所であるが大引けが寄り付きを上回る一応の形を作ったまでで相場は未だ非常に弱く重い動きであるだけに全く安心できない所である。中身に於いても主力株を中心とする方向感の無い不安定な動きに加えて新興市場を始めとする個人好みの銘柄群も弱い動きが目立っている。現在の相場は下げる時には必要以上に大きく下落し上げるべき時にも上昇できない動きとなっているだけにここは確実に良いにも関わらず連れ安している銘柄に注目しながら相場の柱である銘柄の強い上昇に依る全体相場の変化を待つ事が大切な場面である。
■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 11月6日の東京株式市場は日経平均株価が小幅続落いたしました。
昨晩の米NY株式市場は反落。DOWは−51ドルの13543ドル、NASDAQ総合指数は−15.20ポイントの2795.18ポイントとなりました。

 シカゴ平均株価先物大証終値−95円の16,205円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り6250万株、買い2720万株、差し引き3530万株の大幅売り越し観測(金額ベースでも大幅売り越し)でした。
 東京株式市場は上値重く3日続落となりました。日経平均株価始値16,152円と前日終値16,268円から116円安くスタート。好業績銘柄が買われ反発に転じる場面もありましたが、引けにかけて再び売りが優勢となりました。結局−19円の16,249円で本日の取引を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり1,016銘柄に対し、値下がりは588銘柄、変わらずは107銘柄。東証1部の売買代金は2兆6515億円、売買高は19億7104万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は日経平均株価は小幅下落となりましたが、東証1部騰落銘柄数では値上がり銘柄1,016銘柄と多く、反発の動きを見せている銘柄も散見されます。
 個別では、新日本製鐵(5401)、神戸製鋼所(5406)など鉄鋼株や、伊藤忠商事(8001)、丸紅(8002)など商社株の一角が反発。

 また、アコム(8572)が+275円の2,870円と暴騰。ゴールドマン・サックス証券が投資判断を「売り推奨」から「買い推奨」に2段階引き上げ、「強い買い推奨リスト」に採用、目標株価を3,100円から4,100円に引き上げたことが好感されております。アコム(8572)と歩調をあわせ、アイフル(8515)、武富士(8564)、プロミス(8574)など消費者金融各社が上昇いたしました。

 反面、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)など不動産株や、クリード(8888)、パシフィックマネジメント(8902)、リサ・パートナーズ(8924)など不動産ファンド関連株が下落。ソニー (6758)、シャープ(6753)、ローム(6963)などハイテク株も売られております。
 その中目立った銘柄では、ドワンゴ(3715)、クボテック(7709)が揃ってストップ高。業績の上方修正から明和産業(8103)、山水電気(6793)、日本光電(6849)、福島工業(6420)などが人気化し上昇。日新電機(6641)、凸版印刷(7911)、クラリオン(6796)なども買われております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り物に押され大幅続落。主力株では楽天(4755)を始め、スパークス・グループ(8739)、インデックスHD(4835)、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ(8458)、ディー・エヌ・エー(2432)、ミクシィ(2121)などが揃って大きく売られました。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数が大幅続落いたしました。

 個別では、10月30日の特別会員中期注目銘柄(昨日買いの一般会員銘柄)のアプリックス(3727)がストップ高となったのを始め、デジタルアーツ(2326)、エイジア(2352)、モック(2363)、ぐるなび(2440)、フュートレック(2468)、ジー・エフ(3751)、デジタルデザイン(4764)、日本コンピュータグラフィック(4787)、オプトエレクトロニクス(6664)などが逆行高にストップ高
 反面、グーグルが携帯OSを無償で提供するとの報道からACCESS(4813)がストップ安。総医研ホールディングス(2385)、バリューコマース(2491)、アクロディア(3823)、アイ・ビー・イー(2347)などもストップ安に沈むなど、これまで買い進められてきた新興市場銘柄が大きく売り込まれております。

 アリババ上場を材料に期待していたソフトバンク(9984)が続落と期待を裏切られ、新興市場銘柄もその動きに連動してか資金流出が一気に進み主力銘柄を筆頭に大きく崩れました。
 本日日経平均株価は小幅安となっておりますが、投資家心理は後退し嫌なムードに変化しております。市場ではこの嫌なムードを断ち切るべく、新たな材料株や仕手株の出現が待たれます。また、今後は暴騰を演じた新興市場銘柄の下落に注目し、更に深く売られた場面で反発も狙っていきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−19円の16,249円と小幅続落。昨晩の米NY株式市場はサブプライム問題の一段の深刻化が嫌気され下落。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は大幅売り越しとなり、シカゴ平均株価先物大証終値−95円の16,205円と安く回ってきた為、東京株式市場は売り優勢で取引をスタートいたしました。

 日経平均株価は−116円の16,152円と安寄りスタート。売り物一巡後はジリジリと上昇し、前場終了間際に+85円の16,353円まで買われました。後場に入り上げ幅を縮小し引けは−19円の16,249円で本日の取引を終了。3日続落となりました。
 中期基調は下向き。短期基調も下向きとなっております。日経平均株価のサイコロは●○●●○○●○○●●●で「5勝7敗」。25日移動平均線は16,837円と下向き継続。日足は上ヒゲを持つ陽線を形成し短期底入れを思わせる形となっております。

 昨日に「テクニカル的には1日2日の反発が期待されます」と書かせて頂きましたが、安寄り後はそうした動きとなっております。今晩の米NY株式市場や為替の動向次第では本日の安値を起点とした反発の動きは継続し16,400円台に向かう上昇を演じることも考えられます。
 しかし、このまま16,000円割れに向かう下落となる可能性も高く、未だ強気で買い向かう場面ではございません。引き続き更なる下落に対し注意が必要です。明日以降のはっきりとした「陽線形成」を待つ形となります。