本日の東京市場、NY市場の下落とシカゴ225先物の15.185円引けを受けて157円安で始まり為替のドル安円高を背景に366円安を付けて大引け241円安の15.154円引け、先物は13万6.632枚の出来高で15.190円の終りとなっている。欧州大手銀行バークレーズがサブプライムローン問題で2.900億円の損失計上の発表とNY市場に於ける高いモノライン保険会社の格付けが引き下げられるとの観測に加えて大手銀行ウェルズ・ファーゴの経営責任者が住宅市場の先行きに悲観的な見解を発表した事から再び世界の金融市場にサブプライムローン問題に対する不安が広がった事が本日の大幅下落の背景であるが、後場の安値366円安は何とか15.000円台を割る事無く大引けにかけて戻した点は今週火曜日の一時15.000円割れと合わせて先の8日連続安に対する二番底を入れた形となっている点に注目である。これで相場としては完全に目先反発の形となったが折からの一番の悪材料であるサブプライムローン問題は未だ底が見えず数日おきに世界に大きな不安を与えて相場を崩しているだけに安心する事もできない場面である。いずれにしてもここ数日の相場の中身はそれぞれの流れに独自性を持った動きが出て来ているだけに来週の相場の柱としての銘柄群の活躍に期待する所である。
 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 11月16日の東京株式市場は日経平均株価が続落いたしました。
昨晩の米NY株式市場は続落。DOWは−120ドルの13110ドル、NASDAQ総合指数は−25.81ポイントの2618.51ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値−205円の15,185円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り4310万株、買い1950万株、差し引き2360万株の売り越し観測(金額ベースも売り越し)でした。

 東京株式市場は米国株安、円高などの悪材料が重なり大幅に続落。日経平均株価始値15,238円と前日終値15,396円から158円安くスタート。前場軟調な動きが続き後場に入り一段安。後場入り後に−366円の15,030円まで下げる場面がありましたが引けにかけて反発し、終値は−241円の15,154円で引けております。

 東証1部の騰落数は、値上がり253銘柄に対し、値下がりは1,409銘柄、変わらずは55銘柄。東証1部の売買代金は2兆2857億円、売買高は18億2988万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 週末金曜日、本日の東京株式市場は主力株を筆頭に幅広い銘柄が売られ日経平均株価が続落。昨晩の米NY株安を嫌気し朝方から売られ軟調商状が続きました。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、大和証券グループ本社(8601)、松井証券(8628)など証券株が売り物に押され下落いたしました。

 また、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、住友不動産(8801)など大手不動産株や、クリード(8888)、パシフィックマネジメント(8902)、ケネディクス(4321)など不動産ファンド関連株も売られております。
 新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、神戸製鋼所(5406)など鉄鋼株や、三井金属(5706)、三菱マテリアル(5711)、住友金属鉱山(5713)など非鉄金属株、伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)、三菱商事(8058)など商社株が下落。NY原油先物安から石油資源開発(1662)、新日本石油(5001)、昭和シェル石油(5002)など石油株も売られております。

 その中目立った銘柄では、「ザラ場の銘柄情報」ピックアップ銘柄から日本パーカライジング(4095)、ドワンゴ(3715)が揃って大幅上昇し東証1部上昇率ランキング1位・2位に顔を並べております。その他、業績予想の上方修正から千葉興業銀行(8337)、エディオン(2730)が上昇。11月9日347円の位置で提案した注目銘柄のニチアス(5393)も+34円の429円と大幅上昇を演じております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り物に押され軟調。主力株ではディー・エヌ・エー(2432)を始め、ミクシィ(2121)、ACCESS(4813)、サイバーエージェント(4751)、サイバー・コミュニケーションズ(4788)などマザーズ市場主力株が揃って上昇。SBIイー・トレード証券(8701)、インテリジェンス(4757)、インデックス・ホールディングス(4835)、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ(8458)などは売られております。
 新興3市場は、マザーズ指数は反発いたしましたが、JASDAQ平均、ヘラクレス指数は下落いたしました。

 個別では、地域新聞社(2164)を始め、ヴァリック(2387)、ウェルネット(2428)、ラヴィス(2465)、アプリックス(3727)、トライアイズ(4840)、プラネックスコミュニケーションズ(6784)、アストマックス(8734)などがストップ高まで買われたほか、「ザラ場の銘柄情報」でピックアップしたアクロディア(3823)、ngi group(2497)なども幅のある上昇を演じました。

 しかし、日経平均株価が大きく下落する中、マザーズの主力株を中心に新興市場人気銘柄は逆行高を演じるなど強さを感じた1日でした。新興市場人気銘柄は外部環境の更なる悪化など無ければ来週更なる上昇が期待されるだけに、来週も動きを追っていく形となります。
 ただ、米NY株式市場を始め、世界の主要マーケットが揃って弱い動きにとなっております。為替動向によっては世界同時株安が更に進行することも考えられるだけに引き続き慎重姿勢で臨みます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−241円の15,154円と続落いたしました。昨晩の米NY株式市場は大手百貨店の業績見通しの下方修正が嫌気された他、住宅市場の先行き不透明感、金融機関のクレジット関連損失が懸念され下落。
 東京株式市場は、米NY株安やシカゴ平均株価先物大証終値−205円の15,185円と安く回ってきたこと、寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況が差し引き2360万株の大幅な売り越し観測となったことが嫌気され売り気配で取引を開始いたしました。

 日経平均株価は−158円の15,238円と安寄りスタート。寄り付き後は様子見ムードが続き15,100円台の安値圏でもみ合い。後場に入ると香港ハンセン指数の大幅下落などアジア株安が嫌気され一段安。一時、366円安の15,030円と15,000円割れが意識される位置まで下落した場面もありました。引けは−241円の15,154円と下げ幅を縮小し今週の取引を終えました。

 中期基調は下向き。短期基調は上向き継続。日経平均株価のサイコロは○●●●●●●●●○●●で「2勝10敗」。25日移動平均線は16,289円と下向き継続。日足は下ヒゲを持つ陰線を形成。
 日経平均株価は、11月13日安値の14,988円から前日高値の15,587円まで599円の反発を演じた後は下げが続いております。本日後場に15,030円まで売られましたが、3度目となる15,000円割れは回避いたしました。

 来週月曜日から強く反発し15,500円を抜いてくれば、反発継続となり上げ下げしながらも16,000円を目指す展開も期待されます。しかし、再度15,000円を終値で割り込んでくれば、ズズズーと14,000円付近まで早く厳しい下落となる可能性もございます。
 相場は病み上がりで極めて不安定な状態です。米NY株式市場や為替の動向によっては更に大きく下落することも考えられる状態です。来週の月曜日もズルズルと下げ崩れそうなムードとなった場合は注意が必要となります。