本日の東京市場はNY市場の大幅下落とシカゴ225先物の14.780円引けに加えて寄り付き前の外人動向が5.000万株を超える売り越しとなった事から173円安で始まり安値291円安を付ける非常に厳しい前場となったが後場に入っては先物から急激に戻しに入って高値179円高を付けて大引け168円高の15.211円、先物は18万393枚の大商いで15.210円引けの終りとなっている。売り一巡から買い戻しに入った動きに依って安値291円安から高値179円高まで約470円一気に上昇する久しぶりの踏み上げであるが、本日はあくまで安値に於ける売り方の買戻しに依る動きで買い方不在に変わりは無いだけに市場にはかつての踏み上げに依る上昇相場の様な感激も無い所である。しかし、目先の売り一巡からに依るマイナスからプラスに転じる約470円の踏み上げと先物を含めた全体の出来高増加は東京市場が大きな変化を迎えた証である。しばらくはNY市場の影響を受ける事になるであろうが東京市場は本日の動きを以って転換したものと筆者は見る所であり、大きな希望が出て来た明日からの相場に期待したい。

本日の株式市場の全般的な動き

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 11月20日の東京株式市場は日経平均株価が反発いたしました。
昨晩の米NY株式市場は下落。DOWは−218ドルの12958ドル、NASDAQ総合指数は−43.86ポイントの2593.38ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値−290円の14,780円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り7030万株、買い2010万株、差し引き5020万株の大幅売り越し観測(金額ベースも売り越し)でした。

 東京株式市場は安値圏から大きく切り返し、反発に転じております。日経平均株価始値14,868円と前日終値15,042円から174円安くスタート。前場は米NY株安を嫌気した売り物が広がり、−291円の14,751円まで下落する場面がありました。後場中頃から上昇基調に転じ、引けにかけて一段高。終値は+168円の15,211円で引けております。

 東証1部の騰落数は、値上がり734銘柄に対し、値下がりは882銘柄、変わらずは98銘柄。東証1部の売買代金は3兆2098億円、売買高は27億2097万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は「下がって上がって」と大きな動きを演じました。昨晩の米NY株式市場の下落を嫌気し朝方は大きく売られましたが、後場に入り先物主導で上昇し日経平均株価は15,200円台まで戻しております。
 個別では、ジェイ・シー・フラワーズ・アンド・カンパニー・エルエルシー関係者による株式公開買い付けと、同社に対する第三者割当増資を発表した新生銀行(8303)を始め、りそなホールディングス(8308)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)などの銀行株が上昇。住友信託(8403)との包括提携を発表した あおぞら銀行(8304)も+22円の340円と大きく買われております。

 大和証券グループ本社(8601)、野村ホールディングス(8604)、新光証券(8606)など証券株も上昇。新日本製鐵(5401)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)など鉄鋼株の一角や、住友金属鉱山(5713)、三井金属(5706)、三菱マテリアル(5711)など非鉄金属株も上昇。
 また、伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)、三菱商事(8058)など商社株や、商船三井(9104)、川崎汽船(9107)、乾汽船(9113)など海運株の一角も反発。アイフル(8515)、武富士(8564)、アコム(8572)など消費者金融株も買われました。

 目立った銘柄では、JTと日清食品が共同で買収する方針を固めたと報じられたことから加ト吉(2873)がストップ高買い気配。業績の上方修正が好感された東京電波(6900)、野村証券がレーティングを「3」→「2」へ引き上げたダイフク(6383)なども大幅上昇。その他では、日本電子(6951)、ソラン(9750)、フォスター電機(6794)などが幅のある上昇を演じております。
 反面、ニチアス(5393)が−54円の339円と大幅下落。ミサワホーム(1722)は大幅続落した他、ドリームインキュベータ(4310)、シナネン(8132)、東洋ゴム工業(5105)などが大きく売られております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は朝安後引けにかけて反発しております。主力株では、ミクシィ(2121)、SBIイー・トレード証券(8701)、日本ベリサイン(3722)、インテリジェンス(4757)、インデックス・ホールディングス(4835)、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ(8458)、ダヴィンチ・アドバイザーズ(4314)などが上昇しております。
新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数は続落となりましたが、ヘラクレス指数は反発いたしました。

 個別では、「ザラ場の銘柄情報」でピックアップした銘柄から地域新聞社(2164)、ターボリナックス(3777)、TFPコンサルティンググループ(4792)が揃ってストップ高まで買われた他、テレウェイヴ(2759)、フライトシステムコンサルティング(3753)、オリコン(4800)、フリード(9423)などもストップ高。その他、ngi group(2497)、ぐるなび(2440)、エイチアイ(3846)、フルスピード(2159)なども大きく買われております。

 さて、米NY株安を嫌気し大きく売られましたが、時間外取引のGLOBEXでナスダック100株価指数先物が堅調に推移したことや、FRBの利下げ思惑が広がったことなどから先物主導で急反発となりました。市場では「ヘッジファンドの換金売りも一巡しただろう。需給は好転する、底打ちした」と強気な見方も出ております。
 東証1部の騰落銘柄数では値上がり734銘柄、値下がり882銘柄と値下がり銘柄が多く、個別ではまだまだ弱い銘柄がほとんどですが、本日の指数の反騰からムードは改善に向かっており、これで米NY株式市場も反発相場に移行すれば年末に向けた反発相場も期待されます。

 東証1部銘柄ではDOWAホールディングス(5714)、ブックオフコーポレーション(3313)、フジミインコーポレーテッド(5384)、ニチユ(7105)など大きく売り込まれた銘柄の反発を狙う形となります。
 また新興市場では、ngi group(2497)、フルスピード(2159)、ディー・エヌ・エー(2432)、ミクシィ(2121)、ACCESS(4813)、サイバーエージェント(4751)、サイバー・コミュニケーションズ(4788) などの人気銘柄を追っていくのも良いでしょう。その後は動きを見ながら幅が生まれそうな銘柄に資金を傾けていきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+168円の15,211円と反発いたしました。昨晩の米NY株式市場はサブプライムローン問題が嫌気され下落。DOWは−218ドルの12958ドルと下落し8月の安値に接近いたしました。
 東京株式市場は、シカゴ平均株価先物大証終値−290円の14,780円と大きく売られたことや、為替の円高、寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況が差し引き5020万株の大幅な売り越し観測と外国人売りが続いていることなどから朝方から売り優勢の展開となりました。

 日経平均株価は−174円の14,868円と15,000円を割り込み取引を開始。前場軟調な動きが続き−291円の14,751円まで売られた場面がありましたが後場に入り様相は一変。ジリジリと買われ+168円の15,211円まで上昇し本日の取引を終えました。ジェットコースターのような動きで本日安値は14,751円ですので安値から460円上昇し引けております。

 中期基調は下向き。短期基調は上向き継続。日経平均株価のサイコロは●●●●●●●○●●●○で「2勝10敗」。25日移動平均線は16,119円と下向き継続。日足は下ヒゲを持つ幅のある陽線を形成。底打ち感を感じさせる動きとなりました。
 日経平均株価直近の動きを見ると、11月13日安値の14,988円から11月15日高値の15,587円まで599円の反発を演じた後に下落。本日安値14,751円まで836円幅の下落を演じた後に反発し15,211円引けです。

 今後は11月15日高値の15,587円を抜く動きとなれば16,000円方向への動きが期待されますが、抜けきれずダラダラと下落し本日安値の14,751円を割り込んでくると14,000円付近を目指すような更なる下落の動きが予想されます。
 何はともあれ幅のある下落を演じた後に買い気が高まり反発いたしましたので、16,000円方向に向かうリバウンドの展開が期待されます。ただ、NY株式市場やアジア株式、為替の動向によって上下に大きく動く日々が続いております。引き続き海外の動きを気にしながら組み立てていきます。