大幅な切り返しから一夜明けた本日の東京市場はNY市場に於ける緊急追加利下げが思惑に終わって実現しなかった事から昨日の上昇分を埋める行って来いの動きとなっている。ダウは97円安で始まり円高ドル安を背景に441円安の安値を付けて大引け373円安の14.837円、先物は18万8.830枚の大商いで14.820円の終りである。NY市場と共に上下荒れた相場付きで本日は昨日と一転した全面安となって市場には益々悲観が広がって来ているが、本日の安値14.770円は昨日の安値を割る事無く目先の下抜けを守った点として注目する所である。相変わらずNY頼みの相場であるが昨日の動きに依って東京市場もキッカケ次第で大幅に上昇するという事を証明しているだけにNY市場の動向に注目しながら底入れを見極める事が大切な場面である。

本日の株式市場の全般的な動き

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 11月21日の東京株式市場は日経平均株価が大幅反落いたしました。
昨晩の米NY株式市場は反発。DOWは+51ドルの13010ドル、NASDAQ総合指数は+3.43ポイントの2596.81ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値−25円の15,185円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り5330万株、買い2630万株、差し引き2700万株の大幅売り越し観測(金額ベースも売り越し)でした。

 東京株式市場は円の急上昇から大幅に下落。日経平均株価始値15,113円と前日終値15,211円から98円安くスタート。その後も軟調な動きが続き、後場に入ると一段安。15,000円を割り込み−441円の14,770円まで下げ幅を拡大いたしました。引けは−373円の14,837円で取引を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり422銘柄に対し、値下がりは1,223銘柄、変わらずは70銘柄。東証1部の売買代金は2兆7902億円、売買高は21億7218万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は前日の反発の動きを継続するかと思われましたが、売り物に押され大幅下落。主力株を中心に幅広い銘柄が売り直されております。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、大和証券グループ本社(8601)、野村ホールディングス(8604)など証券株が売り物に押され反落。

 住友不動産(8830)、三菱地所(8802)、東宝不動産(8833)など不動産株や、新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)など鉄鋼株の一角や、住友金属鉱山(5713)、三井金属(5706)、三菱マテリアル(5711)など非鉄金属株も上昇。
 また、伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)、三菱商事(8058)など商社株や、商船三井(9104)、川崎汽船(9107)、乾汽船(9113)など海運株の一角も反落。ソニー(6758)、キヤノン(7751)、京セラ(6971)などハイテク株も売られております。

 一方、NY原油先物高から国際石油開発帝石ホールディングス(1605)、AOCホールディングス(5017)など石油株の一角が上昇。東京電力(9501)、関西電力(9503)、北陸電力(9505)など電力株が買われております。
 目立った銘柄では、加ト吉(2873)が人気継続となり大幅続伸。大和総研クレディ・スイス証券が揃ってレーディング引き上げを行ったマツモトキヨシホールディングス(3088)も上昇。連結子会社イデアキューブの株式を一部譲渡し特別利益を計上したネクシィーズ(4346)はストップ高。その他、太平電業(1968)、東日カーライフグループ(8291)、テイクアンドギヴ・ニーズ(4331)、新興プランテック(6379)などが幅のある上昇を演じております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り物に押され下落。主力株では、楽天(4755)を始め、ディー・エヌ・エー(2432)、ミクシィ(2121)、ACCESS(4813)、GCAホールディングス(2126)、SBIイー・トレード証券(8701)、スパークス・グループ(8739)、インテリジェンス(4757)など揃って売られております。
新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数は続落、ヘラクレス指数は反落いたしました。

 個別では、ウェッジホールディングス(2388)、ウィズ(7835)がストップ高となり、ハブ(3030)、駐車場綜合研究所(3251)、ブイ・テクノロジー(7717)、データリンクス(2145)などが逆行高となっております。反面、高値更新から1段高が期待されたngi group(2497)が売り物に押され大幅下落となった他、デジタルガレージ(4819)、アイレップ(2132)、大崎エンジニアリング(6259)なども大きく売られております。

 さて、前日後場に入っての上昇から「底打ちか」と思われた東京株式市場ですが、前日の反発に対しメッキがはがれたような動きとなり大きく沈みました。しかし「いったい何処から湧いてくるのか?」と思われるほどの売り物に押され下落。投資家心理は後退しております。
 ここからは底打ち反転を待つ形となります。底打ちに至ればこれまでの下落がきつかっただけに年末に向けて幅のある上昇を演じることとなります。本日の続伸は裏切られた形となっておりますが中長期的に見れば安値圏での動きです。大幅反転は近づいております。更に売られた場面は反発を期待して『買い』で見ていきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−373円の14,837円と下落し終値ベースで安値を更新いたしました。昨晩の米NY株式市場は原油価格の上昇などからエネルギー関連株が買われ、NYDOW、NASDAQ総合指数共に反発いたしました。
 東京株式市場は、為替の円高、寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況が大幅な売り越し観測と外国人売りが続いていることなどから朝方から売り優勢の展開となりました。

 日経平均株価は−98円の15,113円と安寄りスタート。10時前後に15,154円まで買われましたが、その後は売り物に押され下落基調に転じました。後場に入り下げ幅を拡大。前日の後場とはまったく逆の動きとなり、引けは−373円の14,837円と15,000円を割り込みました。

 中期基調は下向き。短期基調は上向き。日経平均株価のサイコロは●●●●●●○●●●○●で「2勝10敗」。25日移動平均線は16,034円と下向き継続。日足は短い下ヒゲを持つ陰線を形成。前日から上下に激しい動きが続いております。。
 本日改めて売られ15,000円を割り込んだことから再びムードは悪化し、市場では「個人の手仕舞い売り・投売りが出ている。為替や海外株式市場の動向によっては何処まで下げるか判らない」といった弱気な見方に支配されております。

 しかし、本日下げたといっても前日の後場の上げを売り消しただけで、前日安値の14,770円は割り込んではおりません。明日以降反発に転じれば「安値切り上げ」となり徐々に押し目買いも入ってくることと思われます。
 テクニカル的にはいつ反発しても可笑しくない位置まで大きく下げており、反騰相場への移行はきっかけ次第となります。