本日の東京市場、NY市場の下落とシカゴ225先物の14.850円引けを背景に181円安で始まり333円安を付ける大幅下落の前場となったが昼休み中の米シティグループアブダビ政府から75億ドルの出資を受けとの発表を受けて先物から大量の買い物が入って後場寄り直後には177円高の高値を付けて大引け87円高の15.222円、先物も17万5.266枚の大商いで15.240円の終りとなっている。一向に改善しないアメリカのサブプライムローン問題という悪材料に対して昨日の中国政府の日本株投資との報道に続いてドバイ政府のソニー買いやアブダビ政府のシティへの多額投資と新興国の積極的な動向が大きな好材料となって来ており相場も素直に反応している点に注目である。これに依って本日は安値から高値まで510円上昇して前場で割った15.000円も大引けには大きく上回って終わった事で相場は完全に最悪期を脱して目先好転に向かうものと筆者は見る所である。ただし、目先の質は先物を中心とする瞬間的な踏み上げ相場であるだけに早々に相場の中身から上昇する本来の上昇相場への進展に期待する所である。
 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 11月27日の東京株式市場は日経平均株価が小幅続伸いたしました。
昨晩の米NY株式市場は大幅下落。DOWは−237ドルの12743ドル、NASDAQ総合指数は−55.61ポイントの2540.99ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値−350円の14,850円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り4250万株、買い3620万株、差し引き630万株の売り越し観測(金額ベースは買い越し)でした。

 東京株式市場は底堅い動きとなり3日続伸。日経平均株価始値14,953円と前日終値15,135円から182円安くスタート。前場は下値で推移し前日比−334円の14,801円まで大きく売られました。後場に入ると急速に切り返し前日終値付近でのもみ合いとなりました。引けは+87円の15,222円で取引を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり1,084銘柄に対し、値下がりは537銘柄、変わらずは98銘柄。東証1部の売買代金は2兆9708億円、売買高は23億3978万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は前場は売り物に押され大きく売られましたが、米シティグループアブダビ投資庁による出資を受け入れるとの発表が好感され、後場に入り反発いたしました。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、横浜銀行(8332)、関東つくば銀行(8338)など地銀株が買われ続伸。大和証券グループ本社(8601)、野村ホールディングス(8604)など証券株も続伸。

 また、ソニー(6758)、京セラ(6971)などハイテク株も堅調。三井住友海上火災保険(8752)、日本興亜損害保険(8754)、ニッセイ同和損害保険(8759)など損保株も買われております。
 目立った銘柄では、三井鉱山(3315)が短期資金流入から大幅上昇。昨日ストップ高まで買われたサイボウズ(4776)は大幅続伸。その他、ドトール・日レスホールディングス(3087)、セントラルファイナンス(8588)、アイネス(9742)、市田(8019)なども買われております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場押し目買いが入り反発。主力株では、ディー・エヌ・エー(2432)、ミクシィ(2121)、ACCESS(4813)、GCA(2126)、インテリジェンス(4757)、フルスピード(2159)、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ(8458)、サイバー・コミュ(4788)、サイバーエージェント(4751)などが上昇いたしました。
新興3市場は、JASDAQ平均は下げておりますが、マザーズ指数、ヘラクレス指数は揃って続伸いたしました。

 個別では、「ザラ場の銘柄情報」ピックアップ銘柄からナチュラム(3090)、地域新聞社(2164)がストップ高となり、ユビキタス(3858)、アプリックス(3727)、ブイ・テクノロジー(7717)なども大幅上昇。
 「特別会員銘柄」からは、駐車場綜合研究所(3251)がストップ高となったのを始め、ゼンテック・テクノロジー・ジャパン(4296)、ngi group(2497)などが暴騰いたしました。

 さて、日経平均株価は続伸し更に新興市場の主力株も買われたことからムードはやや好転しております。明確な底打ち感はありませんが先週まで大きく売られていたことからリバウンドを試す形となっております。
 東証1部の中・小型の個別株は指数の動きほど元気はありませんが、徐々にではありますが「高値安値切り下げ」の動きから「高値安値切り上げ」の動きに変化する銘柄も出始めております。ここから更にもう1日、東京株式市場が大きく上昇し、それぞれが幅のある陽線を形成する形となれば底打ち感も高まってくるものと思われます。

 しかし、この所何があるかわからない状況となっております。引き続き慎重姿勢そのままに元気良いIPO銘柄や新興市場の人気株などに注目しトレードを組み立てていきます。
 大きく出遅れている野村マイクロ・サイエンス(6254)の上昇に期待し、その他では、イー・ギャランティ(8771)、ゼンテック(4296)、アールエイジ(3248)、駐車場綜合研究所(3251)、マネースクウェア・ジャパン (8728)などを追っていきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+87円の15,222円と続伸。昨晩の米NY株式市場はクリスマス商戦の初日は堅調だったと続伸基調でスタートとなりましたが、引けにかけサブプライム関連の悪材料から大きく売られました。NYDOW、NASDAQ総合指数共に大幅反落となりました。
 東京株式市場は、米NY株安やシカゴ平均株価先物大証終値−350円の14,850円と大きく売られたことなどを嫌気し売り優勢の展開で始まりました。

 日経平均株価は−182円の14,953円と下放れてスタート。寄り付き後も売り物に押され前場終値は−320円の14,814円と15,000円を割り込むばかりか、14,800円台も割り込む勢いで下落いたしました。
 しかし、米シティグループがアブ・ダビ・インベストメント・オーソリティに75億ドルで出資証券を売却するとの発表から円安が進み、後場は一転し買い気配でスタート。+87円の15,222円で本日の取引を終えましたが、ザラ場では+177円の15,312円と15,300円台に乗る場面もありました。

 本日の値動きは安値の14,801円から高値の15,312円まで実に511円幅と上下に大きく動くなど、海外の動向や材料に振り回され先物主導で日々乱高下し神経質な展開が続いております。
 中期基調は下向き。短期基調は上向き。日経平均株価のサイコロは●●●○●●●○●○○○と3連騰で「5勝7敗」と改善。25日移動平均線は15,830円と下向き継続。日足は長めの下ヒゲ持つ陽線を形成。陽線は3本連続です。
 日経平均株価は米NY株安に失望し再度15,000円を大きく割り込みましたが、先物主導で反発に転じ15,222円引けと15,200円台に乗せてきました。

 昨日に「今後は15,000円台をキープしながら下値をしっかりと切り上げる動きを続け、15,500円台にしっかりと乗せてくれば『底入れ感』が強まるのですが、再度15,000円を割り込む動きとなると引き続き軟調な動きが続くこととなるでしょう」と書かせて頂きましたが、下値をしっかりと切り上げる動きは続いております。
 日毎に強弱感が対立し上に下に大きく振れる方向感の定まらない動きとなっております。このまま次第に16,000円に向かう反発継続の動きに期待しておりますが、未だ明確に底打ちを果たしてはおりません。引き続き更なる下落に対し注意しながらのトレードとなります。