本日の東京市場、3連騰に続く昨日の一転した急上昇から一夜明けて終始揉み合いの動きとなっている。ダウはNY市場の上昇とシカゴ225先物の15.270円引けを受けて小高く始まり高値58円高を付ける堅調な朝方となったが10時前から先物へ売り物が続いて入った事からマイナスに転じて大引け69円安の15.153円引け、先物は11万6.249枚の出来高で15.160円の終りである。昨日の材料は昨日で織り込み済みという事で本日は珍しくこの所目立つ上下波乱の動きも無い一日を通した揉み合いとなっており、相場の中身に於いても高安まちまちの集中力に欠けた散漫の相場付きとなっている。久々に先物に大きな上下の無かった本日の相場付きがここ数日の上昇の場面でも中身が付いて来ない無気力な正体を現しており、いかに先物の上下に指標面だけが振り回されているかがハッキリした本日の相場となっている。相場は昨日まで先物の瞬間的な踏み上げを繰り返して15.000円を固めて来たが、ここからの上昇には中身がついて来ない事には先物で上げても先物で下げて結果的には一喜一憂の停滞になるものと筆者は見る。毎度の事であるが全体相場の上昇には必ずその柱となる流れが必要であり、全体相場に好影響をもたらす事のできる大型株の強い上昇が望まれる所であるだけに今後とも動きに注目である。

本日の株式市場の全般的な動き

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 11月28日の東京株式市場は日経平均株価が反落いたしました。
昨晩の米NY株式市場は大きく反発。DOWは+215ドルの12958ドル、NASDAQ総合指数は+39.81ポイントの2580.80ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+30円の15,270円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り売り4660万株、買い3170万株、差し引き1490万株の大幅売り越し観測(金額ベースは買い越し)でした。

 東京株式市場は高安マチマチ。日経平均株価始値15,271円と前日終値15,222円から49円高くスタート。積極的な買いは見られず前場中頃から下げに転じました。その後も下値でもみ合いが続き、引けは−69円の15,153円で取引を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり835銘柄に対し、値下がりは762銘柄、変わらずは121銘柄。東証1部の69売買代金は2兆4521億円、売買高は19億7637万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は売り物に押され高安マチマチとなっております。昨日は後場に入り米シティグループアブダビ投資庁による出資を受け入れるとの発表が好感され大幅上昇となりましたが、本日は小休止となっております。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、大和証券グループ本社(8601)、みずほインベスターズ証券(8607)など証券株が反落。

 三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、東宝不動産(8833)など不動産株も一服。住友金属鉱山(5713)、東邦亜鉛(5707)、DOWAホールディングス(5714)など非鉄金属株や、伊藤忠商事(8001)、三菱商事(8058) など商社株も下落。
 商船三井(9104)、川崎汽船(9107)、乾汽船(9113)など海運株も売り物に押され株価を落としております。

 一方、東京電力(9501)、北陸電力(9505)など電力株や、武富士(8564)、アコム(8572)、プロミス(8574)など消費者金融株が上昇。
 目立った銘柄では、これまで大きく売り込まれていたエイチ・アイ・エス(9603)が+280円の2,130円と大幅上昇。ニコニコ動画を材料に大幅上昇を演じてきたドワンゴ(3715)は+49,000円の437,000円、一時ストップ高まで買われるなど人気復活。
 その他、東急リバブル(8879)、ミヤチテクノス(6885)、バンテック・グループ・ホールディングス(9382)、シンキ(8568)、GMOインターネット(9449)などが幅のある上昇を演じております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は買い人気が更に高まり続伸。主力株では、一般会員注目銘柄の楽天(4755)を始め、ディー・エヌ・エー(2432)、ミクシィ(2121)、ACCESS(4813)、GCAホールディングス(2126)、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ(8458)、日本ベリサイン(3722)、サイバーエージェント(4751)、サイバー・コミュニケーションズ(4788)などが揃って上昇。
新興3市場は、JASDAQ平均は反発、マザーズ指数、ヘラクレス指数は揃って続伸いたしました。

 個別では、「ザラ場の銘柄情報」ピックアップ銘柄からテクノマセマティカル(3787)、オー・エイチ・ティー(6726)がストップ高となり、「特別会員銘柄」からは、駐車場綜合研究所(3251)、ゼンテック・テクノロジー・ジャパン(4296)、スパークス・グループ(8739)がストップ高。その他では、インタースペース(2122)、アイレップ(2132)、アドウェイズ(2489)、バリューコマース(2491)、イントランス(3237)、ザッパラス(3770)、データ・アプリ(3848)、光波(6876)、エムティーアイ(9438)などが値幅制限いっぱいまで買われるなどストップ高銘柄が続出いたしました。

 さて、昨日買いが入った新興市場ですが本日も買いが継続し主力株を筆頭に大幅続伸となっております。「マエストロ」の提案銘柄からもファンコミュニケーションズ(2461)を始め、イー・ギャランティ(8771)、プロパスト(3236)、駐車場綜合研究所(3251)、ゼンテック(4296)、スパークス・グループ(8739)などが暴騰。良い動きとなっております。
 新興市場銘柄は、明日以降の値動きも期待していきますが、幅のある上昇を演じたものからしっかりと利益確定を行いながら追っていきます。

 一方、動きの鈍い東証1部の大型株ですがジリジリと売り物を吸収している状態です。伊藤忠商事(8001)、双日(2768)などの商社株や、長谷工(1808)、鹿島(1812)なども売り物一巡から反発を試す形に移行しつつありますし、大きく売り込まれている非鉄金属株や海運株もそろそろ目立ったりバウンドを見せるのではないでしょうか。
 今後は、東証1部銘柄、新興市場銘柄共に順番に動き出してくることが予想されますので、ミサワホーム(1722)、太平洋セメント(5233)、森永乳業(2264)、日本金属工業(5479)などの大幅下落銘柄もリバウンド待ちで動きを追っていきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−69円の15,153円と反落。昨晩の米NY株式市場はシティグループへのアブダビ投資庁による出資発表を好感し大きく反発。NYDOW、NASDAQ総合指数共に大幅上昇を演じ、上下に大きな動きが続いております。
 東京株式市場は、米NY株高やシカゴ平均株価先物大証終値+30円の15,270円と小高く買われたことなどから反発継続となり買い優勢の展開で始まりました。

 日経平均株価は+49円の15,271円と小高くスタート。寄り付き直後に15,280円まで買われましたが、その後は売り物に押され前日比マイナス圏に沈み、後場も15,150円前後での動きが続きました。引けは15,153円で静かに取引を終えております。
 中期基調は下向き。短期基調は上向き。日経平均株価のサイコロは●●○●●●○●○○○●と「5勝7敗」。25日移動平均線は15,778円と下向き継続。日足は短い下ヒゲ持つ陰線を形成。陽線3本を重ねた後の一服となりました。

 先週末に「今後は15,000円台をキープしながら下値をしっかりと切り上げる動きを続け、15,500円台にしっかりと乗せてくれば『底入れ感』が強まるのですが、再度15,000円を割り込む動きとなると引き続き軟調な動きが続くこととなるでしょう」と書かせて頂きましたが、本日下落したものの下値を切り上げる動きは続いております。
 日毎に強弱感が対立し、為替や海外株式市場などの動向に影響を受け上に下に大きく振れる方向感の定まらない動きが続いております。ジリジリと反発を継続し16,000円に向かう動きに期待しておりますが、未だ明確に底打ちを果たしてはおりません。引き続き更なる下落に対し注意しながらのトレードとなります。