昨日のNY市場はコーンFRB副議長の講演で追加利下げの観測が強まった事に加えてバンクオブアメリカシティグループの合併への動きが報道された事からダウ331ドル高ナスダック82p高シカゴ225先物も15.535円引けといずれも大幅な上昇となっている。これを受けて本日の東京市場買い気配となって185円高で始まり高値401円高を付けて大引け359円高の15.513円、先物も9万3.724枚の出来高で15.570円高値引けである。昨日の一日おいて再び先物から大幅に動く相場付きとなって来た所であるが、本日の相場の中身は柱となっている銘柄群の強い動きを中心とする全面高となっている点に注目である。これに依って最近よく見られる一時の大幅上昇で終わる事無く大引けまで高値を保っており、昨日触れた触れたこの所の中身の伴わずに先物に振り回されて来た相場に大きな変化が出てきた本日の動きは今後に期待を持つ事のできる大いに注目すべき点である。先物の踏み上げに中身が付いて来ただけでなく物色が広がり市場に明るさが見えて来た本日の上昇はこれまでの瞬間的な上昇とは全く違う理想的な上昇の動きとなって来た。今年も残す所あと1カ月、掉尾の一振に大いに期待である。

本日の株式市場の全般的な動き

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 11月29日の東京株式市場は日経平均株価が大幅反発いたしました。
昨晩の米NY株式市場は暴騰。DOWは+331ドルの13289ドル、NASDAQ総合指数は+82.11ポイントの2662.91ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+375円の15,535円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り3370万株、買い3800万株、差し引き430万株の買い越し観測(金額ベースも買い越し)でした。

 東京株式市場は米株式市場の大幅上昇を好感し幅広い銘柄が買われました。日経平均株価始値15,339円と前日終値15,153円から186円高くスタート。買戻しの動きが広がり、終始高値水準で推移。前日比+402円の15,555円まで上昇する場面がありました。引けは+359円の15,513円で本日の取引を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり1,449銘柄に対し、値下がりは203銘柄、変わらずは66銘柄。東証1部の売買代金は2兆5871億円、売買高は19億4639万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は米NY株式市場の大幅高を好感し全面高の様相となりました。サブプライムローン問題は引き続きマイナス材料と指摘されますが、12月11日のFOMC(米連邦公開市場委員会)での追加利下げ期待から米NY株式市場が大きく切り返したことなどから買い安心感が高まっております。

 個別では、為替の円安からトヨタ自動車(7203)、ホンダ(7267)、マツダ(7261)など自動車株や、富士通(6702)、ソニー(6758)、キヤノン(7751)などのハイテク株が上昇。
 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、横浜銀行(8332)、関東つくば銀行(8338)など地銀株、大和証券グループ本社(8601)、野村ホールディングス(8604)など証券株も買われております。

 また、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)など不動産株や、新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、神戸製鋼所(5406)など鉄鋼株、住友金属鉱山(5713)、DOWAホールディングス(5714)、東邦亜鉛(5707)など非鉄金属株が上昇。伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)、三菱商事(8058)など商社株も大きく買われております。
 目立った銘柄では、リーマン・ブラザーズ証券が投資判断を引き上げたダイエー(8263)を始め、東北ミサワホーム(1907)、インボイス(9448)が人気化しストップ高。「マエストロ」一般会員注目銘柄の森永乳業(2264)、ミサワホーム(1722)も揃って大幅な上昇を演じた他、乳製品の値上げを発表した明治乳業(2261)、大型な自社株買いが好感されたユーシン(6985)なども大きく買われております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場後場は伸び悩んでおりますがしっかりと推移しております。主力株では、ACCESS(4813)、インデックスHD(4835)、ワークスアプリケーションズ(4329)、アルデプロ(8925)などが上昇いたしましたが、インテリジェンス(4757)、フルスピード(2159)などは売られております。
新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数が揃って続伸いたしました。

 個別では、「特別会員銘柄」のスパークス・グループ(8739)が連日のストップ高となった他、トラストワークス(2154)、セントラルサービスシステム(2304)、セキュアード・キャピタル(2392)、モジュレ(3043)、ジェイプロジェクト(3063)、イントランス(3237)、ナノ・メディア(3783)、ジーダット(3841)、LTTバイオファーマ(4566)などがストップ高
 SBIイー・トレード証券(8701)、エムティーアイ(9438)、GMOペイメントゲートウェイ(3769)なども大きく買われております。

 さて、日経平均株価も大きく上昇し、大きく下げていた東証1部の中・低位銘柄の一角にも目立った反発を演じる銘柄が散見されます。チャートでは海運株や商社株、鉄鋼株、非鉄金属株など、これまでの下落を考慮するとまだまだ戻り不足と思われる銘柄があり、明日以降反発継続となるかが注目されます。
 本日の新興市場銘柄は売り物に押され気味となりましたが、ミクシィ(2121)、サイバーエージェント(4751)、ngi group(2497)などのチャートを見ると『三角保ち合い上放れ』が期待される形となっており、高値を抜けるようならその動きに乗って行きたい。
 その他の銘柄では、先日特別会員様に提案させて頂いた銘柄ですがウィズ(7835)に暴騰後の暴落から反発が期待されます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+359円の15,513円と大幅反発。昨晩の米NY株式市場は大幅続伸。コーンFRB副議長の発言から追加利下げに期待する見方が高まった他、NY原油価格の下落も好材料となり全面高となりました。NYDOW、NASDAQ総合指数共に大幅続伸し底入れ感を強めております。
 東京株式市場は、米NY株式市場の大幅続伸や、シカゴ平均株価先物大証終値+375円の15,535円と大きく買われたことから買い優勢で取引を開始いたしました。

 日経平均株価は+186円の15,339円と高く寄り付き、その後もしっかりと推移し+359円の15,513円引けと、約3週間ぶりに15,500円台に乗せて取引を終えました。「寄り付き天井から下げるだろう」と取引開始前は弱気な見方も多かった中、予想以上にしっかりとした動きが続きました。
 本日、寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況が、差し引き430万株の買い越し観測と買い転換したことも好感。先物の買戻しもさることながら、本日の動きを見て『底打ちした』と年末高に期待する見方も出ております。

 中期基調は下向き。短期基調は上向き。日経平均株価のサイコロは●○●●●○●○○○●○と「6勝6敗」。25日移動平均線は15,744円と下向き継続。日足は窓空け陽線を形成しております。
 先週末に「今後は15,000円台をキープしながら下値をしっかりと切り上げる動きを続け、15,500円台にしっかりと乗せてくれば『底入れ感』が強まるのですが、再度15,000円を割り込む動きとなると引き続き軟調な動きが続くこととなるでしょう」と書かせて頂きましたが、本日の上昇で15,500円台に乗せてきました。明日以降反落せずに2・3日15,500円台で推移するしっかりとした動きになれば、次は16,000円台に向う上昇が期待されます。

 「マエストロ」では引き続きジリジリと16,000円に向かう反発継続の動きに期待しております。しかし、この上昇も「あくまでリバウンドに過ぎない」とも見られるだけに慎重性そのままに焦らずじっくりとしたスタンスで見ていきます。