昨日のNY市場はコーンFRB副議長の発言に続いてバーナンキ議長の「警戒態勢と柔軟性を維持する必要がある」との発言から追加利下げの期待が更に高まった事に依ってダウナスダック共に堅調シカゴ225先物の15.585円の終りとなっている。東京市場もこれを受けて小高く始まり237円高の高値を付けて大引け166円高の15.680円、先物も11万1.140枚の出来高で15.730円引けと昨日に続いて非常に堅調な動きで11月を終えている。
来週より12月相場を迎える東京市場であるが、本日で安値から約1.000円戻り25日移動平均線15.700円を射程距離に入れて終わる今までに無い月末となっている点に注目である。今月はサブプライムローン問題や円高ドル安に加えて政治不安から完全な総悲観となって買い手不在の状態が続いたが、後半になって中東、中国、ロシア、いずれも新興国日本株に対する積極的な姿勢から事情は大きく変わって来た。サブプライムローン問題については解決したわけでは無いだけにまだまだ油断はできないがNY市場は既に好転しており12月の金利引き下げも決定的で何より新興国日本株に大きな興味をハッキリと示しているだけに来週からの12月相場には期待して良いものと筆者は見る所である。いずれにしても相場は完全に変わっている。掉尾の一振に大いに期待である。

本日の株式市場の全般的な動き

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 11月30日の東京株式市場は日経平均株価が続伸いたしました。
昨晩の米NY株式市場は続伸。DOWは+22ドルの13311ドル、NASDAQ総合指数は+5.22ポイントの2668.13ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+15円の15,585円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り4750万株、買い4270万株、差し引き480万株の売り越し観測(金額ベースも売り越し)でした。

 東京株式市場は主力株を中心に堅調な展開。日経平均株価始値15,520円と前日終値15,513円から7円高くスタート。ジリジリと上昇し前日比+238円の15,751円まで上げ幅を拡大する場面がありました。引けは+166円の15,680円で本日の取引を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり1,229銘柄に対し、値下がりは406銘柄、変わらずは84銘柄。東証1部の売買代金は3兆1195億円、売買高は26億1581万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 週末金曜日、本日の東京株式市場は堅調。前日までの反発の流れそのままに反発継続の動きとなりました。これまで大きく売り込まれていた中・低位銘柄にも半端狙いの資金が向かっております。
 個別では、りそなホールディングス(8308)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、トヨタ自動車(7203)、いすゞ自動車(7202)、マツダ(7261)など自動車株が上昇。

 新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、神戸製鋼所(5406)など鉄鋼株、住友金属鉱山(5713)、DOWAホールディングス(5714)、三菱マテリアル(5711)など非鉄金属株が上昇。伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)、三菱商事(8058)など商社株も大きく買われております。
 目立った銘柄では、バルチック海運指数上昇から海運株が大幅高。太平洋海運(9123)は+72円の328円と暴騰し東証1部上昇率ランキングトップに君臨。明治海運(9115)はストップ高乾汽船(9113)、第一中央汽船(9132)、共栄タンカー(9130)なども大幅な上昇を演じております。

 また、「特別会員銘柄」の栗本鐵工所(5602)、東邦亜鉛(5707)や「一般会員銘柄」の日本金属工業(5479)も大幅上昇となりました。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り買い交差にもみ合い商状。主力株では、ゼンテック・テクノロジー・ジャパン(4296)、アセット・マネジャーズ(2337)などは上昇いたしましたが、ディー・エヌ・エー(2432)、ミクシィ(2121)、ACCESS(4813)、GCAホールディングス(2126)、スパークス・グループ(8739)、インデックスHD(4835)などは下落いたしました。
 新興3市場は、JASDAQ平均、ヘラクレス指数は小幅続伸、マザーズ指数は反落いたしました。

 個別では、セントラルサービスシステム(2304)、ゼンケンオール(2446)、オールアバウト(2454)、イージーユーズ(2495)、さくらインターネット(3778)などがストップ高まで買われた他、エーティーエルシステムズ(4663)、ユー・エム・シー・ジャパン(6939)、シナジーマーケティング(3859)、そーせいグループ(4565)なども大きく買われております。
 「特別会員銘柄」の野村マイクロ・サイエンス(6254)も+198円の1,872円と大幅上昇を演じました。

 さて、これまでは先物主導で先物の乱高下に振り回される形が続いておりましたが、本日は大きく売り込まれていた銘柄に買いが入り内容ある上昇となりました。
 昨日に「チャートでは海運株や商社株、鉄鋼株、非鉄金属株など、これまでの下落を考慮するとまだまだ戻り不足と思われる銘柄があり、明日以降反発継続となるかが注目されます」と書かせて頂きましたが、本日はこれらの銘柄が強く買われ反発基調に転じました。

 来週以降もリバウンド継続の流れが続くものと思われます。ただ上昇も下げる時間をこなしながらとなるので、ガンガンと上昇し過熱感を感じさせる銘柄ではなく、海運株のように動き出したばかりの銘柄や、木・金と休んだマザーズ主力株などのように短期調整を入れた新興市場銘柄などを追っていきます。
 ミクシィ(2121)、サイバーエージェント(4751)、ngi group(2497)などは『三角保ち合い上放れ』に至るか日々注目。材料株ではクラリオン(6796)に続く低位銘柄として注目度が高まりつつある池上通信機(6771)もマーク。
 反発出遅れでは、黒崎播磨(5352)、ゼファー(8882)、新光商事(8141)などがピックアップされます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+166円の15,680円と続伸。昨晩の米NY株式市場は堅調。下げる場面もございましたが追加利下げへの期待から買われております。NYDOW、NASDAQ総合指数共に3日続伸し底入れ感を強めております。
 東京株式市場は、米NY株式市場の続伸やシカゴ平均株価先物大証終値+15円の15,585円と小高く回ってきたことなどから堅調展開となっております。

 日経平均株価は+7円の15,520円と穏やかにスタート。寄り付き後は買いが続きジリジリと上昇。後場に入り+238円の15,751円まで買われた場面がありましたが、引けは+166円の15,680円と上げ幅を縮小し本日の取引を終えました。
 先物の買戻しに来週の上昇に期待した買いも入り、15,600円台に乗せてきました。本日の動きを見て市場では『底打ちした』との見方が高まっております。

 中期基調は下向きから上向きに転換。短期基調は上向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは○●●●○●○○○●○○と「7勝5敗」。25日移動平均線は15,720円と下向き継続。日足は短い上ヒゲを持つ陽線を形成。陽線を重ねております。
 先週末に「今後は15,000円台をキープしながら下値をしっかりと切り上げる動きを続け、15,500円台にしっかりと乗せてくれば『底入れ感』が強まるのですが、再度15,000円を割り込む動きとなると引き続き軟調な動きが続くこととなるでしょう」と書かせて頂きましたが、本日の続伸で15,600円台に乗せてきました。弱くはありません、強い動きです。

 来週売り物に押された場面でも15,300円台をキープする形となれば、次は16,000円台に向う上昇が期待されます。
 「マエストロ」では引き続きジリジリと16,000円に向かう反発継続の動きに期待しております。