本日の東京市場、NY市場の下落とシカゴ225先物の15.425円引けを受けて61円安で始まりドル安円高を背景に114円安の安値を付ける弱い前場となったが英住宅金融大手のノーザン・ロックが「08年2月までに国有化される可能性がある」との報道を受けて後場から一転して高値132円高を付けて大引け128円高の15.608円、先物も12万7.232枚の出来高で15.650円の終りとなっている。前場の昨日に続く調整の動きからサブプライムローン問題に絡んだ好材料をキッカケに先物から踏み上げた非常に明るい動きとなっており、この一変と先物の強い上昇は3日続いた先週の大幅な連騰に対する一服から次の段階へと完全に切り返させた相場付きである。
日本政府も米国サブプライムローン問題や原油の上昇に対してようやく政治的手段を取る動きが出て来ている。消費税の引き上げ先送り、高速道路料金の値下げ、証券税制10%存続への方向、いずれも市場に取っては遅いという所であるが好材料には変わりない。各国とも金融不安を改善すべく積極的に動き出した所であり、今月のFOMCに於ける金利引下げは0.5%となる可能性も出て来ている。相場もこの所は危なげながらも上げる時は大きく下げる時は小さくなって確実に下値を切り上げる動きとなって来ている点に注目である。市場はまだまだ弱気であるが、だからこそ今月は意外な高値が期待できるものと筆者は見る所である。掉尾の一振に大いに期待である。

本日の株式市場の全般的な動き

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 12月5日の東京株式市場は日経平均株価が反発いたしました。
昨晩の米NY株式市場は続落。DOWは−65ドルの13248ドル、NASDAQ総合指数は−17.30ポイントの2619.83ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値−45円の15,425円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り4620万株、買い2960万株、差し引き1660万株の売り越し観測(金額ベースでも売り越し)でした。

 東京株式市場は後場から買いが優勢となりました。日経平均株価始値15,418円と前日終値15,480円から62円安くスタート。前場は冴えない動きが続き下げ幅が100円を超える場面もありしたが、後場に入って反転上昇。先物の買い戻し主導で上げ幅を広げました。引けは+128円の15,608円で取引を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり1,031銘柄に対し、値下がりは597銘柄、変わらずは92銘柄。東証1部の売買代金は2兆6785億円、売買高は20億6665万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は、朝安後に押し目買いが広がり反発いたしました。
 個別では、アイフル(8515)、武富士(8564)など消費者金融株の一角が反発。TDK(6762)、キヤノン(7751)、シャープ(6753)、富士通(6755)などハイテク株の一角、三井住友海上火災保険(8752)、日本興亜損害保険(8754)、ミレアホールディングス(8766)など損保株が上昇。
 JR東日本(9020)、JR西日本(9021)、京王電鉄(9008)、小田急電鉄(9007)などの電鉄株も買われ上昇いたしました。

 反面、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)など不動産株や、商船三井(9104)、川崎汽船(9107)、明治海運(9115)など海運株が下落。
 新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)など鉄鋼株や、住友金属鉱山(5713)、三菱マテリアル(5711)、東邦亜鉛(5707)など非鉄金属株、三菱商事(8058)、伊藤忠商事(8001)、丸紅(8002)などの商社株も売られ株価を落としております。

 その中目立った銘柄では、今期の大幅な増益見通しが好感されたFDK(6955)が大幅高となったのを始め、低位材料株物色の流れからシルバーオックス(8024)、エス・サイエンス(5721)、ホウスイ(1352)などが上昇。
 鳥インフルエンザ関連銘柄のダイワボウ(3107)、IT関連銘柄物色からカカクコム(2371)も上昇。その他、マツモトキヨシホールディングス(3088)、サンフロンティア不動産(8934)、小田急建設(1834)なども買われております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は高安マチマチながらしっかり。主力株では、アルデプロ(8925)、ダヴィンチ・アドバイザーズ(4314)、スパークス・グループ(8739)などは売られましたが、ミクシィ(2121)、ACCESS(4813)、インテリジェンス(4757)、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ(8458)、サイバーエージェント(4751)などは上昇いたしました。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数は揃って反発いたしました。

 個別では、「ザラ場の銘柄情報」ピックアップ銘柄のユビキタス(3858)がストップ高となったのを始め、MICメディカル(2166)、SBIベリトランス(3749)、さくらインターネット(3778)、ビットアイル(3811)、イー・キャッシュ(3840)、インフォテリア(3853)、シナジーマーケティング(3859)、トライアイズ(4840)、SBIフューチャーズ(8735)などがストップ高
 その他、アイフリーク(3845)、GMOペイメントゲートウェイ(3769)、リアルコム(3856)、エムティーアイ(9438)などが大きく買われております。

 さて、前場安い場面を作りましたが日経平均株価は引けにかけて反発。昨日にズルズルと売られた新興市場銘柄も引けにかけて直近公開銘柄を筆頭とした足の軽い銘柄が買われております。
 新興市場銘柄は本日も売られると調整色が強まってしまうと懸念されておりましたが、本日は踏み留まり投資家心理の更なる悪化は防いでおります。

 今週は引き続き新興市場銘柄を中心に値動きの良い銘柄を狙っていきます。また、ミクシィ(2121)、ディー・エヌ・エー(2432)、サイバーエージェント(4751)、ngi group(2497)などマザーズ市場の主力株の動向にも注目。再度ジリジリと上昇する動きとなった場面では、その動きにのっていきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+128円の15,608円と反発。昨晩の米NY株式市場は続落。JPモルガンがゴールドマン、リーマン・ブラザーズモルガン・スタンレーメリルリンチなどの一株利益見通しを引き下げた事などが嫌気され金融株が売られております。
 東京株式市場は、米NY株式市場の下落やシカゴ平均株価先物大証終値−45円の15,425円と売られたことなどから冴えない展開で始まりました。

 日経平均株価は−62円の15,418円と小安くスタート。寄り付き直後に−115円の15,365円まで売られる場面がありましたが、15,400円を割り込んだ場面では押し目買いも入り前場は15,400円前後でもみ合う動きが続きました。
 しかし後場に入ると、売り飽き気分の高まりや円高一服感、米ナスダック100株価指数先物高などからジリジリと下値を切り上げる動きとなり、その後は売り方の買戻しも手伝い先物主導で上昇。+128円の15,608円と反発し本日の取引を終えました。

 中期基調は上向き。短期基調は下向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは●○●○○○●○○●●○と「7勝5敗」。25日移動平均線は15,594円と下向き継続。日足は短い下ヒゲを持つ陽線を形成。陰線2本で切り返して来ました。
 日々、強弱感が対立し為替や海外株式市場の動向、更には先物への仕掛けなどに振り回される形となっております。11月22日の14,669円を安値に反発してきた日経平均株価ですが、12月3日の15,751円まで買われた後は売りに押され下落。再度15,751円をしっかりと抜く動きとなれば、次は16,000円を目指す動きが期待されます。

 日経平均株価は、本日終値で25日移動平均線を超えたことから市場では強気な見方も高まっております。ただ、昨日の後場は反発が期待される位置で反発できない弱い動きだったにもかかわらず、本日後場は一変して強い動きと、予想し難い動きとなっているだけに「上」「下」決め付けての売買には注意も必要です。
 引き続き、慎重姿勢はそのままに値動き重視で動きの良い銘柄を見ていきます。