本日の東京市場、NY市場の上昇とシカゴ225先物の15.860円引けを受けて173円高で始まり引けにかけて一段高の高値289円高を付けて大引け265円高の15.874円、先物に至っては11万4.565枚の出来高で15.930円高値引けと一日を通した非常に強い相場付きとなっている。相場の中身に於いても折からの相場の柱となっている銘柄群が揃って堅調な動きとなって来ている事に加えて銀行株とハイテク株の強い上昇が全体相場を押し上げている動きが目立っている。昨日は先物の上昇に中身が付いて来ていない動きが目立ったが本日は逆に非鉄金属、商社、鉄鋼、船株、これ等を基礎として銀行株やハイテク株の動きを中心とする相場の中身から全体が上昇している点に注目である。先月までの相場は中身に関係無く先物に依って大幅に上昇しては直ぐに先物への大量の売り物で大幅に下落する波乱の動きが続いて来たが、最近は先物が大幅に踏み上げて直ぐに中身が追って上昇する事で下げにくい強い相場付きとなって来ているという事である。毎度解説の通り全体相場の強い上昇には先ずその柱となる流れの上昇が必要であり、折からの先物の定期的な踏み上げにその柱となる流れがあるこの所の芯の通った相場付きから師走に向けた上昇に大いに期待する所である。

本日の株式市場の全般的な動き

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 12月6日の東京株式市場は日経平均株価が続伸いたしました。
昨晩の米NY株式市場は反発。DOWは+196ドルの13444ドル、NASDAQ総合指数は+46.53ポイントの2666.36ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+210円の15,860円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り2120万株、買い3260万株、差し引き1140万株の買い越し観測(金額ベースも買い越し)でした。

 東京株式市場は、米NY株式市場の急反発や為替の円安を好感し大幅に続伸。日経平均株価始値15,782円と前日終値15,608円から174円高くスタート。その後15,800円台で堅調に推移いたしました。後場に伸び悩む場面もありましたが引けにかけて買い直され、結局+265円の15,874円で取引を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり1,069銘柄に対し、値下がりは506銘柄、変わらずは143銘柄。東証1部の売買代金は2兆7007億円、売買高は19億378万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は、米NY株高を好感し大幅続伸いたしました。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、みずほフィナンシャルグループ(8411)など大手銀行株や、大和証券グループ本社(8601)、野村ホールディングス(8604)など証券株が上昇。

 三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、東急不動産(8815)など不動産株や、三井住友海上火災保険(8752)、ミレアホールディングス(8766)、T&Dホールディングス(8795)など損保株が上昇。オリックス(8591)、アイフル(8515)、武富士(8564)、プロミス(8574)などノンバンク株も買われております。
 また、アドバンテスト(6857)、東京エレクトロン(8035)、エルピーダメモリ(6665)、SUMCO(3436)など半導体関連株や、ソニー(6758)、TDK(6762)、京セラ(6971)などハイテク株も買われております。

 目立った銘柄では、売上げ回復のタカキュー(8166)が+63円の291円と大幅上昇を演じ東証1部上昇率ランキングトップに君臨。「ザラ場の銘柄情報」でピックアップしたNISグループ(8571)、ドリームインキュベータ(4310)も揃って上昇率ランキング上位にランクイン。
 その他、事務機器・通信回線・携帯電話販売大手の光通信(9435)、携帯電話業界向けの営業・販売促進支援のジェイコム(2462)、ゴールドマン・サックス証券が強気のフジクラ(5803)、カジュアル衣料専門店を展開するハニーズ(2792)、コンピュータ用タブレット世界首位のワコム(6727)などが大きく買われました。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は高安マチマチながら売り物に押される銘柄が散見されます。主力株では、ミクシィ(2121)、ディー・エヌ・エー(2432)、アルデプロ(8925)、GCAホールディングス(2126)、サイバーエージェント(4751)などは売られましたが、ACCESS(4813)、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ(8458)、ゼンテック・テクノロジー(4296)などは上昇いたしました。
 新興3市場は、JASDAQ平均、ヘラクレス指数は続伸いたしましたが、マザーズ指数は反落となっております。

 個別では、「特別会員銘柄」のトライアイズ(4840)、セプテーニ(4293)、ウィズ(7835)がストップ高まで買われたのを始め(ザラ場も含む)、カービュー(2155)、さくらインターネット(3778)、コムチュア(3844)、光波(6876)、SBIフューチャーズ(8735)などもストップ高。その他、サイバーステップ(3810)、ディーバ(3836)、ACCESS(4813)、e−まちタウン(4747)なども幅のある上昇を演じております。

 さて、サブプライム問題や米景気減速懸念、石油価格の上昇、一時円安に傾いた為替などから「下がる・下がる」と弱気な声が大きい中、しっかりと上げてきております。本日も先物主導とはいえ、大手銀行株が大きく上昇し「買い転換」に至る銘柄が出現するなど変化を感じさせる動きとなっております。

 年末に向けての相場を期待している新興市場銘柄は、資金が東証1部の主力株などに向かった為、本日は小休止となっております。焦らずじっくりと見ていく事となります。
 個別では、東ソー(4042)、新光商事(8141)、ニチハ(7943)など反発出遅れ銘柄や、暴騰銘柄の暴落後の反発狙いで岡本硝子(7746)。岡本硝子は本日ストップ高まで暴騰したウィズ(7835)と同じ見方です。また引き続き、ミクシィ(2121)、ディー・エヌ・エー(2432)、サイバーエージェント(4751)、ngi group(2497)などマザーズ市場の主力株の動向にも注目。再度ジリジリと上昇する動きとなった場面では、その動きにのっていきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+265円の15,874円と大幅続伸。昨晩の米NY株式市場は大幅反発。10月製造業新規受注額が市場予想を上回ったことや、11月ADP雇用報告で民間部門の雇用者数増加などが好感され買いが広がり全面高となりました。
 東京株式市場は、米NY株式市場の上昇や為替の円安、シカゴ平均株価先物大証終値+210円の15,860円と大きく買われたことなどから買い優勢で始まりました。

 日経平均株価は+174円の15,782円と高くスタート。後場に入り+132円の15,740円まで上げ幅を縮小した場面もありましたが、しっかりとした動きが続き引けは+265円の15,874円と、12月3日の15,799円を超えて引けました。
 中期基調は上向き。短期基調は下向きから上向きに転換。日経平均株価のサイコロは○●○○○●○○●●○○と「8勝4敗」。25日移動平均線は15,560円と下向き継続。日足は短い下ヒゲを持つ陽線を形成。陽線2本連続で直近高値を更新、リバウンド継続となっております。

 昨日に「再度15,751円をしっかりと抜く動きとなれば、次は16,000円を目指す動きが期待されます」と書かせて頂きましたが、そうした動きとなっております。市場では本日の動きを見て「これは本物だ!戻り本格化だ!」と強きな見方も出ております。
 しかし、16,000円台に乗せてきた場面では売り物も多く上値も重いことが予想されますので、ここから更に上げた場面での強気な買いには注意も必要といえます。