昨日のNY市場はブッシュ米大統領が「低借入金利を5年間据え置く」とのサブプライムローン問題に対して大きく踏み込んだ対策の発表を背景にダウ174ドル高ナスダック42p高シカゴ225先物も16.090円と堅調な動きとなっている。これを受けた東京市場は朝からまとまった買戻しが入った事から買い気配となって118円高で始まり後場寄りから再び大量の買戻しが入った事に依って一時16.100円台に乗せる高値233円高を付けて大引け82円高の15.956円、先物も12万184枚の出来高で15.940円引けと本日も一日を通した堅調な動きで今週を終えている。大引けにかけて多少とも上げ幅を縮めた点は昨日一昨日で約400円上げての本日の上昇であるだけに常識的な利食いの動きとして心配無しであり、むしろ折からの下値切り上げの動きから本日は一時16.100円に乗せて大引けでも3連騰とした点は相場が完全な上値指向に入って来たものと筆者は見る所である。
この所はアメリカを中心に各国とも金融不安に対して手を打つ動きが目立って来たているが日本政府も住宅優遇税制の延長を発表、これを受けてサブプライムロ−ン問題から売り一色となっていた住宅関連株や不動産株が一気に上昇して来ている。サブプライムローン問題の解決はまだまだ程遠く未だ誰にも底が見えないものであるが、市場は今までこれを長期に渡って深く織り込んで来ただけに改善策を好材料として大きく評価する動きとなっている点に注目である。ここ数日の相場は中身から着実に好転して来ており、これにサブプライムローン問題に対する不安で下げ続けていた銘柄もが回復に向かって来た事は目先の全体相場を相当に明るくする事になるであろう。来週11日のFOMCに於ける追加利下げとこれに対する相場の反応を楽しみにしたいものである。
 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 12月7日の東京株式市場は日経平均株価が続伸いたしました。
昨晩の米NY株式市場は大幅続伸。DOWは+174ドルの13619ドル、NASDAQ総合指数は+42.67ポイントの2709.03ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+160円の16,090円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り2760万株、買い4430万株、差し引き1670万株の大幅買い越し観測(金額ベースも買い越し)でした。

 東京株式市場は主力株中心に買われ三日続伸。日経平均株価始値15,992円と前日終値15,874円から118円高くスタート。堅調に推移し、後場には+233円の16,107円と16,000円台を回復する場面がありました。引けにかけては伸び悩む動きとなり上げ幅を縮小。結局+82円の15,956円で取引を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり1,053銘柄に対し、値下がりは539銘柄、変わらずは127銘柄。東証1部の売買代金は2兆8358億円、売買高は21億8419万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 週末金曜日本日の東京株式市場は、米NY株高を好感し続伸いたしました。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、大和証券グループ本社(8601)、野村ホールディングス(8604)など証券株の一角が利益確定の売りに押され冴えない動きとなりました。

 一方、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、東急不動産(8815)など不動産株や、新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、神戸製鋼所(5406)など鉄鋼株が上昇。マエストロ注目銘柄のDOWAホールディングス(5714)を始め、住友金属鉱山(5713)、東邦亜鉛(5707)など非鉄金属株も買われ上昇。
 また、新和海運(9110)、商船三井(9104)、第一中央汽船(9132)など海運株や、伊藤忠商事(8001)、三菱商事(8058)、住友商事(8053)などの商社株、大成建設(1801)、大林組(1802)、鹿島(1812)など建設株が買われました。

 目立った銘柄では、iPod対応のスピーカーシステムを手掛けているとされているティアック(6803)が大幅上昇。11月の売上高が前年比18.6%増となったことが好感されたセシール(9937)も上昇。桐蔭横浜大などと共同で「色素増感型」太陽電池の実用化が報じられた藤森工業(7917)はストップ高
 その他、自社株買い発表が好感されたエイチ・アイ・エス(9603)を始め、北陸電気工業(6989)、システムプロ(2317)、牧野フライス製作所(6135)なども買われました。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り物に押され下落いたしました。主力株では、ミクシィ(2121)、ディー・エヌ・エー(2432)、ACCESS(4813)、サイバーエージェント(4751)、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ(8458)、アルデプロ(8925)、GCAホールディングス(2126)などが揃って売られました。
 新興3市場は、JASDAQ平均は続伸いたしましたが、ヘラクレス指数、マザーズ指数は下落いたしました。

 個別では、「特別会員銘柄」のトライアイズ(4840)がストップ高を重ねた他、ジェイホーム(2721)、エー・ディー・ワークス(3250)、ジー・エフ(3751)、アルチザネットワークス(6778)、光波(6876)、フリード(9423)などがストップ高ブイ・テクノロジー(7717)、ゲームオン(3812)、LTTバイオファーマ(4566)なども買われております。

 さて、米NY株式市場の連騰から買い気が高まっております。ただこの所の東証1部銘柄の反発を見て、新興市場から資金が流出。三角持合いを先日上放れ更なる上昇が期待されたサイバーエージェント(4751)、ngi group(2497)が下落。三角持合い上放れが期待されたミクシィ(2121)も大幅下落となり、年末高を期待していた新興市場は残念な動きとなりました。
 例えば、週明け東証1部の主力株が一服し、新興市場銘柄に再度資金が移る形となり空かさず強く切り返して来れば、本日の下落は「需給改善の為の振るい落としだった」となりますが、ダラダラ下げるようだと「物色対象が変わった」となります。どちらとなるか来週前半の動きが注視されます。

 個別では、KOA(6999)、DOWAホールディングス(5714)を始め、東ソー(4042)、ニチハ(7943)など東証1部銘柄から反発が期待される銘柄をじっくりと追っていきます。

  ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+82円の15,956円と続伸ながら引けにかけて伸び悩む形となっております。昨晩の米NY株式市場は大幅続伸。ブッシュ米大統領が現行の低借入金利を5年間据え置くことを柱としたサブプライム住宅ローン借り手救済策の正式発表が好感され全面高となりました。
 東京株式市場は、米NY株式市場の上昇や為替の円安、シカゴ平均株価先物大証終値+160円の15,860円と大きく買われたことなどから昨日に続き買い優勢で始まりました。

 日経平均株価は+118円の15,956円と高くスタート。後場に入り+233円の16,107円まで上げ幅を広げる場面もありましたが、その後は流石に買いは続かず上げ幅を縮小。現地7日に11月米雇用統計の発表を控えていることや、週末要因からポジション調整の売り物も多かったようです。引けは+82円の15,956円。終値で16,000円乗せはお預けとなりました。

 中期基調は上向き。短期基調も上向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは●○○○●○○●●○○○と「8勝4敗」。25日移動平均線は15,523円と下向き継続。日足は短い上ヒゲを持つ陰線を形成いたしました。

 昨日に「16,000円台に乗せてきた場面では売り物も多く上値も重いことが予想されますので、ここから更に上げた場面での強気な買いには注意も必要といえます」と書かせて頂きましたが、実際は16,100円まで買われた後に少し下げております。
 テクニカル的には短期テクニカル指標では上げいっぱいですので、来週から調整となることが予想されます。ただ、売り方の踏み上げや新規買いの動きも強まっておりますので、米NY株式市場の動向によっては来週火曜日前後まで強い動きが続く可能性もございます。

 ひとまず、11月27日15,222円の時点で目標と掲げた16,000円までの反発を達成いたしました。チャートのリズムでは来週以降また売られて15,300円前後まで下げる動きが予想されますが、基調は強いことから「下」と決め付けての売り仕掛けには注意も必要です。来週から年末にかけてはどうやら個別株重視の展開となりそうです。