昨日のNY市場はFOMCを控えて小動きが予想された所であるがスイス銀行大手UBSのサブプライムローン問題を背景とする100億ドルの追加損失に対する115億ドルの資本増強、これに続いて金融大手各社の資本を増強するとの発表が相次いだ事からダウ101ドル高ナスダック12p高シカゴ225先物も16.030円と堅調な動きとなっている。相変わらずサブプライムローン問題の底は見えない所であるが、相場は確実に出て来る損失額よりも対応策を好材料として受け止める動きとなっている点に注目である。これを受けて東京市場も朝から先物へのまとまった買戻しを中心に買い気配で始まり78円高の寄付きから高値151円高を付けて大引け120円高の16.044円、先物は7万9.088枚の出来高で16.080円と一日を通して上昇を保った非常に動きの良い一日となっている。また、中身に於いても以前は先物の上昇に一日置いて追いかける動きが目立っていたが本日は相場の柱となっている流れを中心に先物と共に上昇して来ている点に注目である。
相場は今月に入って明るさが増して来ており相場の中身から上昇する本来の動きに加えて定期的に先物が踏み上げる非常に強い相場付きとなって来た。NY市場に於いて今晩発表される追加利上げ、14日の日銀短観、更にはこれを背景とする週末のSQ、いずれも更なる上値を取るキッカケとなるものと筆者は見る所であり、大いに期待しながら注目したいものである。
■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 12月11日の東京株式市場は日経平均株価が反発いたしました。
昨晩の米NY株式市場は上昇。DOWは+101ドルの13727ドル、NASDAQ総合指数は+12.79ポイントの2718.95ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+140円の16,030円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り1990万株、買い2160万株、差し引き170万株の買い越し観測(金額ベースでは小幅売り越し)でした。

 東京株式市場は堅調展開。日経平均株価始値16,003円と前日終値15,924円から79円高くスタート。資源関連物色が広がり前日比+151円の16,075円まで上昇。後場に入り伸び悩む場面もありましたが、引けは+120円の16,044円と16,000円台を回復し取引を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり907銘柄に対し、値下がりは664銘柄、変わらずは149銘柄。東証1部の売買代金は2兆1696億円、売買高は16億8859万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は米NY株式市場の上昇を好感し上昇。日経平均株価16,000円台から上は上値も重くもみ合う動きが続きました。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、りそなホールディングス(8308)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)などの大手銀行株や、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、東急不動産(8815)など不動産株が買われしっかりと推移しております。

 また、新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、神戸製鋼所(5406)など鉄鋼株や、三井金属(5706)、三菱マテリアル(5711)、住友金属鉱山(5713)など非鉄金属株が上昇。伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)、三菱商事(8058)など商社株も買われ株価を上げております。
 昨日大きく売られた商船三井(9104)、川崎汽船(9107)、乾汽船(9113)など海運株も反発。徐々に底入れ感が出てきております。ソニー(6758)、京セラ(6971)、TDK(6762)、ファナック(6954)などのハイテク株も堅調です。

 反面、アイフル(8515)、武富士(8564)、アコム(8572)など消費者金融株や、三井住友海上火災保険(8752)、日本興亜損害保険(8754)、あいおい損害保険(8761)など損保株は売られております。
 その中目立った銘柄では、決算発表を経て巴工業(6309)がストップ高となり東証1部上昇率ランキングトップに君臨。メリルリンチの投資判断格上げからニプロ(8086)、株式分割が好感されたパイロットコーポレーション(7846)なども買われ上昇。
 その他、旭テック(5606)、ニチアス(5393)、長谷工コーポレーション(1808)、鬼怒川ゴム工業(5196)などが幅のある上昇を演じました。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場押し目買いから反発する銘柄もございますが、売られる銘柄も多く高安マチマチ。主力株では、ミクシィ(2121)、サイバーエージェント(4751)、スパークス・グループ(8739)、インテリジェンス(4757)、インデックス・ホールディングス(4835)などは売られましたが、日本ベリサイン(3722)、リプラス(8936)、ダヴィンチ(4314)、ガンホーオンライン(3765)などは買われております。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数が上昇いたしましたが、ヘラクレス指数は続落となっております。

 個別では、ジェイテック(2479)、サイオステクノロジー(3744)、ナノ・メディア(3783)、シーエスアイ(4320)、e−まちタウン(4747)などがストップ高。NTTドコモ(9437)などと共同でLinuxベースの携帯向けプラットフォーム構築が発表されたACCESS(4813)は+74,000円の575,000円と大幅高となり、デジタルアーツ(2326)、ベリサーブ(3724)、フュートレック(2468)、ゲームオン(3812)などが幅のある上昇を演じました。

 さて、FOMCをはじめ週末14日の日銀短観発表、先物オプション12月物SQ算出など日米共に重要イベントが予定されていることから積極的な買いは手控えられております。
 しかしその中大きく崩れるような動きはなく、昨日まで売られていた新興市場もACCESS(4813)、デジタルアーツ(2326)などが大きく買われるなど、徐々に落ち着きを取り戻しております。

 買い銘柄は、引き続き売り込まれた東証1部銘柄の反発をじっくりと狙っていきます。鉄鋼・非鉄金属・海運株など大きく売られた銘柄へも押し目買いが入っております。KOA(6999)、DOWAホールディングス(5714)、東ソー(4042)、新和海運(9110)、第一中央汽船(9132)などをじっくりと。
 また、ジャスダックからもピックアップさせて頂いたミライアル(4238)のような割安株を狙っていきます。

 ディー・エヌ・エー(2432)が野村証券の投資判断引き下げなどからストップ安に沈んでおります。将来性の高い高成長銘柄でも大きく上昇した後はその後の下げも大きくなります。更に売られた場面では反発が狙えます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+120円の16,044円と反発。昨晩の米NY株式市場は上昇。UBSの資本増強や10月米中古住宅販売成約指数の2ヶ月連続上昇などから、金融株を筆頭に買われました。

 東京株式市場は、米NY株高に加えシカゴ平均株価先物大証終値+140円の16,030円と高く買われたことなどから買い優勢で始まりました。
 日経平均株価は+79円の16,003円と昨日に続き16,000円台でスタート。市場では「寄り付き天井でまた下げる」と弱気な見方もあり、一時15,972円と16,000円台を割り込む場面もありましたが、大きく売られること無く+120円の16,044円としっかりで終えました。終値16,000円台乗せです。

 中期基調は上向き。短期基調も上向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは○○●○○●●○○○●○と「8勝4敗」。25日移動平均線は15,491円と下向き継続。日足は短い下ヒゲを持つ短小陽線を形成。もう一段上に行きたがっているような形となっております。
 先週までは「16,000円まで反発してくれば目標達成感から売られる」と予想しておりました。16,000円から再度売られ15,300円程まで調整し2番底確認へ向かうような動きとなると思われました。

 しかし、予想以上にしっかりとした動きが続いてます。もしかすると16,300円前後まで上昇し、下げても16,000円台をキープし調整完了後は17,000円を目指すような強い動きとなる可能性も出てきました。
 テクニカル的には過熱感もあることからいつ下げても可笑しくありません。ただ、米NY株式市場などの動向によってはもう一段上があることも考えられる為、安易に売りも仕掛けられません。引き続き個別株重視で見ていきます。