注目された昨日のNY市場は2時過ぎまで堅調であったがFOMCの利下げが0.25%と発表された所から一転してダウ294ドル安ナスダック66p安の大幅下落となっている。折からの市場予想の通りであっただけに材料出尽くしの動きとなっている所であるが、声明文では「今日の措置は以前に取られた政策措置と合わせて時間と共に緩やかな成長を促進するだろう」「今後とも物価安定と持続的経済成長の促進のため必要に応じて措置を講じる」との事であり今回0.5%でなく0.25%の下げ幅となった事は今後更に0.25%の利下げを行う余地を残したという点に注目である。本日の東京市場はこのNY市場の動きとシカゴ225先物の15.615円引けを受けて216円安で始まり直後に344円安の安値を付けたが大引けにかけては大きく戻して112円安の15.932円引け、先物も10万3.046枚の出来高で15.900円の終わりとなっている。昨日のNY市場が大幅下落の期待外れとなった事を受けての動きであるが、昨日のNY市場の約300ドルの大幅な下落に対して本日の東京市場は一日を通してまとまった押し目買いが入った事に依って底堅く安値から232円戻して小幅な下落に留めている点に注目である。この所の相場はこのキッカケから好転が進む中で個人投資家が元気を取り戻す事で中小型材料株の動きが良くなると同時に相場本来の柱となる流れの上昇を軸に着実に下値を切り上げる動きとなっている。要するに相場の中身が中小型株と大型株の両輪で動く強い形となって来たという事であり、これがNY市場が下げっぱなしで終わっても大引けにかけて切り返す強さにつながっているものである。今月に入って相場は日々目に見える改善が進んで来ている年末までの一相場に大いに期待する所である。

本日の株式市場の全般的な動き

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 12月12日の東京株式市場は日経平均株価が反落いたしました。
昨晩の米NY株式市場は大幅下落。DOWは−294ドルの13432ドル、NASDAQ総合指数は−66.60ポイントの2652.35ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値−465円の15,615円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り2490万株、買い1560万株、差し引き930万株の売り越し観測(金額ベースも売り越し)でした。

 東京株式市場は米NY株式市場の急落を嫌気し反落。日経平均株価始値15,828円と前日終値16,044円から216円安くスタート。全面安商状となり前日比−344円の15,700円まで下げ幅を広げました。後場中頃から押し目買いが膨らみ下げ幅を縮小。引けは−112円の15,932円で取引を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり753銘柄に対し、値下がりは838銘柄、変わらずは132銘柄。東証1部の売買代金は2兆5437億円、売買高は21億1813万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は米NY株式市場の下落を嫌気し売られております。ただ、時間外取引のGLOBEX(シカゴ先物取引システム)で米株価指数先物が上昇したことなどから、下値を買う動きが広がり押し目買い意欲も見せております。
 個別では、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、東急不動産(8815)など不動産株や、大和証券グループ本社(8601)、日興コーディアルグループ(8603)、野村ホールディングス(8604)など証券株が売られ下落。

 また、アイフル(8515)、武富士(8564)、アコム(8572)など消費者金融株や、三井住友海上火災保険(8752)、日本興亜損害保険(8754)、あいおい損害保険(8761)など損保株などは続落。キヤノン(7751)、京セラ(6971)、アドバンテスト(6857)、東京エレクトロン(8035)などハイテク株も売られております。
 一方、伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)、丸紅(8002)など商社株や、第一中央汽船(9132)、乾汽船(9113)など海運株は買われております。

 目立った銘柄では、「ザラ場の銘柄情報」で朝方動き出した場面でピックアップしたシンキ(8568)が+36円の157円と暴騰し東証1部上昇率ランキングトップに君臨。同じく「ザラ場の銘柄情報」で取り上げた銘柄からKIMOTO(7908)が+100円の792円とストップ高まで買われ、中低位材料株から三井松島産業(1518)、ダイワボウ(3107)、石原産業(4028)、ケンウッド(6765)、クラリオン(6796)が揃って幅のある上昇を演じております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場押し目買いから反発。主力株では、スパークス・グループ(8739)、ミクシィ(2121)、サイバーエージェント(4751)、フルスピード(2159)、サイバー・コミュニケーションズ(4788)、マネーパートナーズ(8732)、ガンホーオンライン(3765)などが買われております。
 新興3市場は、JASDAQ平均は下落いたしましたが、マザーズ指数、ヘラクレス指数は上昇いたしました。

 個別では、ジェイホーム(2721)、GMOペイメントゲートウェイ(3769)、ビットアイル(3811)、アルファ・トレンド(4352)、まぐクリック(4784)、メディアシーク(4824)、ダブルクリック(4841)などがストップ高となった他、ぐるなび(2440)、エーアイテイー(9381)、シナジーマーケティング(3859)、ブイ・テクノロジー(7717)、ユビキタス(3858)などが大きく買われました。

 さて、米NY株式市場の大幅下落から、東京株式市場も朝から大幅な下落が想定されましたが、実際には引けにかけて下げ幅を縮小し小幅安。新興市場に至っては反発に転じる銘柄が目立っております。新興市場は現時点では単なるリバウンドといえますが、調整一巡から本格上昇に向かう動きに繋がるか日々チェックしていきます。
 また、大きく下落している鉄鋼・非鉄金属・海運株なども押し目買いが入っております。商社株も強い動きに転じており、中低位材料株物色が一段落してくれば鉄鋼・非鉄金属・海運株などもしっかりとした反発を演じてくるでしょう。

 買い銘柄は、新興市場の動きを気にしつつ引き続き売り込まれた東証1部銘柄の反発をじっくりと狙っていきます。鉄鋼・非鉄金属・海運株など大きく売られた銘柄へも押し目買いが入っております。KOA(6999)、DOWAホールディングス(5714)、東ソー(4042)、新和海運(9110)、第一中央汽船(9132)などをじっくりと追っていきます。
 また、新興市場からもミライアル(4238)、イマジニア(4644)のような大幅下落銘柄を狙っていきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−112円の15,932円と反落。
 昨晩の米NY株式市場は大幅下落。注目されたFOMCでは政策金利公定歩合の0.25%引き下げを決定、期待された0.5%引き下げに至らなかったことや、声明文で先行き不透明感に言及したことなどが嫌気され、米金融株中心に失望売りが広がる形となりました。

 東京市場も米NY株安を嫌気し連鎖安。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況が差し引き930万株の売り越し観測となったことや、シカゴ平均株価先物大証終値−465円の15,615円と大きく売られたことから売り優勢で始まりました。

 日経平均株価は−216円の15,828円と16,000円を大きく割り込みスタート。その後−344円の15,700円まで売られた場面もありましたが、週末のメジャーSQ算出に絡めてか先物に仕掛け買いが入り反発。引けは−112円の15,932円と安値から232円戻して取引を終えました。
 中期基調は上向き。短期基調は上向きから下向きに転換しております。日経平均株価のサイコロは○●○○●●○○○●○●と「7勝5敗」。25日移動平均線は15,478円と下向き継続。日足は下放れての下ヒゲを持つ短陽線を形成。下げ渋りを見せております。

 昨日に「予想以上にしっかりとした動きが続いてます。もしかすると16,300円前後まで上昇し、下げても16,000円台をキープし調整完了後は17,000円を目指すような強い動きとなる可能性も出てきました」と書かせて頂きましたが、ズルッと下げてきました。ただ、日足は長い下ヒゲを形成しており「今までとは違うぞ」とばかり下げ渋っております。
 先週から「大きく下げるか」と思われる場面で予想以上にしっかりと推移したり、本日もまた大きく崩れても可笑しくないところで踏ん張りを見せます。売り方も難しくなってきました。年末に向けしっかりとした動きに期待します。