昨日のNY市場はFRBを中心とする米欧5つの中央銀行が協調して大量の資金供給を行う事でサブプライムローン問題を初めとする金融不安の沈静化を目指すとの発表から200ドルを超える大幅上昇で始まったがシティグループバンクオブアメリカの損失が拡大するとの報道を受けて一時マイナスに転じてる所もあって大引けダウ41ドル高ナスダック18p高と好材料と悪材料の入り乱れた荒れた相場となっている。本日の東京市場は明日に注目される日銀短観とSQを控えている事に対する様子見にNY市場の動きが加わった事で終始下落の大引け395円安の15.536円引け、先物も7万9.379枚の出来高で15.520円の終わりとなっている。今回の米欧5中銀の資金供給は折からのサブプライムローン問題に対する改善策として評価する所であるが、先に米大手銀行が設立した対策基金に比較的影響の小さい我が国の大手銀行がそれぞれ約5.500億円ずつの融資を求められている事を背景とする銀行株の大幅な下落が本日の全面安につながっている。市場は本日の大幅な全面安に依って昨日まで取り戻して来た明るさも振り出しに戻っているが明日の日銀短観とSQ通過に依って再び一変する事になるものと筆者は見る。その意味で明日の前場は目先の方向性を決定付ける動きとして注目する所である。

本日の株式市場の全般的な動き

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 12月13日の東京株式市場は日経平均株価が大幅続落いたしました。
昨晩の米NY株式市場は反発。DOWは+41ドルの13473ドル、NASDAQ総合指数は+18.79ポイントの2671.14ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+20円の15,920円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り2610万株、買い2380万株、差し引き230万株の売り越し観測(金額ベースも売り越し)でした。

 東京株式市場は再びムードが悪化。日経平均株価始値15,818円と前日終値15,932円から114円安くスタート。幅広い銘柄が断続的に売られ下げ幅を拡大しました。引けにかけて一段安となり、結局−395円の15,536円で取引を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり131銘柄に対し、値下がりは1,544銘柄、変わらずは51銘柄。東証1部の売買代金は2兆8081億円、売買高は21億6201万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は全面安。24時間取引のGLOBEX(シカゴ先物取引システム)で米株価指数先物軟調となり、アジア株安や為替の円高から大きく売られました。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、りそなホールディングス(8308)など大手銀行株や、野村ホールディングス(8604)、大和証券グループ本社(8601)、新光証券(8606)など証券株が下落。

 三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)など不動産株や、三井住友海上火災保険(8752)、あいおい損害保険(8761)、ニッセイ同和損害保険(8759)など損保株、アイフル(8515)、シンキ(8568)、アコム(8572)など消費者金融株も大きく売られております。
 更に、新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)など鉄鋼株や、住友金属鉱山(5713)、三井金属(5706)、東邦チタニウム(5727)など非鉄金属株も売られました。

 その中目立った銘柄では、ヤフーとの資本提携が好感され人気化したGMOインターネット(9449)がストップ高となり東証1部上昇率ランキングトップに君臨。業績予想修正と自社株買いが好材料視された日本駐車場開発(2353)、大幅下落銘柄のアビリット(6423)、ニチアス(5393)も上昇。
 「特別会員銘柄」のハルテック(5916)を始め、酒井重工業(6358)、松尾橋梁(5913)、日本橋梁(5912)など中低位銘柄の一角が買われております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売りに押され下落。主力株では、楽天(4755)を始め、スパークス・グループ(8739)、ミクシィ(2121)、アルデプロ(8925)、リプラス(8936)、サイバーエージェント(4751)、ダヴィンチ・アドバイザーズ(4314)、フルスピード(2159)、サイバー・コミュニケーションズ(4788)、ガンホーオンライン(3765)などが売られ下落。
 インテリジェンス(4757)、マネーパートナーズ(8732)、ユー・エス・ジェイ(2142)などは逆行高。新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数は揃って下落いたしました。

 個別では、フライトシステムコンサルティング(3753)、マルマエ(6264)、ユビテック(6662)、リアルビジョン(6786)、セイクレスト(8900)、日本通信(9424)などがストップ高となった他、地域新聞社(2164)、日本風力開発(2766)、セプテーニ(4293)などが買われました。
 反面、フルスピード(2159)、スター・マイカ(3230)、デジタルアーツ(2326)、MICメディカル(2166)、ngi group(2497)、ブイ・テクノロジー(7717)などは大きく売られております。

 さて、昨日の後場の強い動きを見ていただけに今日の動きは指数の下落幅同様に個別株の弱さを感じました。しかし、ゼファー(8882)を始め、ブックオフ(3313)、シーズクリエイト(8921)、日本ギア工業(6356)などのように、既に大きく売られベタベタの銘柄もございます。ニチアス(5393)、GMOインターネット(9449)など大幅下落銘柄が代わるがわる飛び出してきます。
 引き続き下げすぎ銘柄の反発に期待し見ていきます。また「ザラ場」では中低位銘柄物色の波に乗り小高く動いた銘柄も追ってきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−395円の15,536円と大幅続落。
 昨晩の米NY株式市場は反発。米欧5カ国の中央銀行による流動性供給策の発表が好感され買われました。
 しかし、東京株式市場はシカゴ平均株価先物大証終値+20円の15,920円とほぼ変わらずで回ってきたことや、8時45分に取引が開始されるシンガポール取引所で225先物が売られたことなどからこの流れを受け売り優勢で始まりました。

 日経平均株価は−114円の15,818円と15,900円を大きく割り込みスタート。寄り付き後も反発という反発を見せることなく下げ幅を拡大。2時30分前後からは流石に売り方の買戻しから少し戻して引けるかとも思われましたが、売り圧力は大引けまで続き、終値は−395円の15,536円と本日の安値圏で取引を終えました。
 中期基調は上向きから下向きに転換。短期基調は下向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは●○○●●○○○●○●●と「6勝6敗」。25日移動平均線は15,456円と下向き継続。日足は下放れての大陰線を形成いたしました。

 昨日は、米NY株式市場の大幅下落を嫌気し日中大きく下落いたしましたが、押し目買いが入り下げ幅を縮小。日足は長い下ヒゲを形成し「今までの弱い動きとは違うぞ」と『下げを否定』いたしましたが、本日はその動きを『再否定』しております。
 明日空かさず強い動きに転じ幅のある反発を見せれば良いのですが、明日も続落し12月5日安値の15,365円を割り込んでくると、暴落後の戻りは終了で今度は2番底形勢に向かう可能性も高まってきました。