本日の東京市場、NY市場に於ける物価指数の上昇を背景とするインフレ懸念と追加利下げへの期待が後退した事に依る大幅下落とシカゴ225先物の15.490円引けを受けて81円安で始まり前引けにかけてほぼ変わらずの6円安まで戻す強さもあったが後場から大引けにかけて再び売られて安値295円安を付けて大引け264円安の15.249円引け、先物も9万7.196枚の出来高で15.240円引けの終わりとなっている。NY市場に於ける金融保証業務専門会社モノラインの格下げ観測から再びサブプライムローン問題への不安が広がって再び世界株安の様相となって来た事が本日の東京市場の大幅下落の背景である。薄商いも相まって再び市場は総悲観となっているが、ここ数週間はNY市場の動きや新興国の動向に依って大幅に一転二転しながら16.100円に乗せるまで下値を切り上げて来た相場である。今回も以前からあるサブプライムローン問題に対する不安と変わりやすいNY市場の利下げに対する期待に依る動きであるだけにこれまで通りこの一転から更に下値を切り上げる事になるものと筆者は見る。先ずは今夜のNY市場であるが動揺する事無く腰を据えて相場の変化を見極める事が大切な場面である。
 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 12月17日の東京株式市場は日経平均株価が続落いたしました。
先週末の米NY株式市場は下落。DOWは−178ドルの13339ドル、NASDAQ総合指数は−32.75ポイントの2635.74ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値−80円の15,490円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り2580万株、買い1770万株、差し引き810万株の売り越し観測(金額ベースも売り越し)でした。

 東京株式市場は全面安の様相となり4日続落。日経平均株価始値15,433円と前日終値15,514円から81円安くスタート。前場は15,400円台で推移しておりましたが、後場に入ると先物主導で下げ幅を拡大。終盤に−295円の15,219円まで下落する場面がありました。引けは−264円の15,249円で本日の取引を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり130銘柄に対し、値下がりは1,547銘柄、変わらずは47銘柄。東証1部の売買代金は2兆2420億円、売買高は17億7649万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 週明け月曜日、本日の東京株式市場は米NY株式市場安などから引けにかけて下げ幅を拡大。全面安となっております。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、りそなホールディングス(8308)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)など不動産株、三井住友海上火災保険(8752)、日本興亜損害保険(8754)、富士火災海上保険(8763)など生保株も売られております。

 また、新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、神戸製鋼所(5406)など鉄鋼株や、東邦亜鉛(5707)、三菱マテリアル(5711)、住友金属鉱山(5713)など非鉄金属株、伊藤忠商事(8001)、三菱商事(8058)、丸紅(8002)など商社株も売られております。
 更に、アイフル(8515)、プロミス(8574)、アコム(8572)など消費者金融株や、京セラ(6971)、ファナック(6954)、アドバンテスト(6857)などハイテク株も下落。商船三井(9104)、乾汽船(9113)、太平洋海運(9123)など海運株は大幅続落となっております。

 その中目立った銘柄では、東北ミサワホーム(1907)がストップ高三菱地所による子会社化が好感された藤和不動産(8834)も大幅高。その他、GSIクレオス(8101)、ニチアス(5393)、パイロットコーポレーション(7846)、フタバ産業(7241)、NECトーキン(6759)などが買われ逆行高を演じております。
 反面、ドワンゴ(3715)がストップ安に沈み、ディー・エヌ・エー(2432)、GMOインターネット(9449)、日本M&Aセンター(2127)、フェイス(4295)などは大幅安。ケンウッド(6765)、ダイワボウ(3107)、光通信(9435)、ヤフー(4689)なども大幅下落。投資家人気の高かった銘柄が相次いで崩れておりダメージは広がっております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売りに押され大幅続落。主力株では、楽天(4755)を始め、SBIイー・トレード証券(8701)、スパークス・グループ(8739)、インテリジェンス(4757)、ミクシィ(2121)、ACCESS(4813)、GCAホールディングス(2126)、サイバーエージェント(4751)、ガンホーオンライン(3765)などが揃って下落いたしました。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数共に続落です。

 個別では、エイジア(2352)、アールエイジ(3248)、ガイアックス(3775)、データ・アプリケーション(3848)、ガーラ(4777)、アイフィスジャパン(7833)などがストップ高まで買われましたが、モック(2363)、バリューコマース(2491)、イーサポートリンク(2493)、ナチュラム(3090)、スタートトゥデイ(3092)、イントランス(3237)、ネットプライス(3328)、コネクトテクノロジーズ(3736)、ディー・ディー・エス(3782)、フリービット(3843)、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(4281)、オー・エイチ・ティー(6726)などが値幅制限いっぱいまで売られるなど、ストップ安銘柄が続出しております。

 日経平均株価が大幅続落、新興市場マザーズ指数が−50.02の784.47ポイントと大幅安となり大陰線を重ねております。マザー指数は11月22日の780.60ポイントを割り込んでくると、750ポイントほどまでもう一段の下落を演じる可能性も出てきました。
 東証1部の騰落銘柄数では値下がり銘柄数が1,547銘柄と全面安の状態。個別銘柄では安値を割り込む銘柄も散見されているだけに、強気で買い向かう場面ではありません。とにかく「買い」で儲かる相場環境ではないので、先週もお伝えさせていただいたようにトレードは割り切れる範囲の資金に留め、ここからは更に大きく下落した場面で買い向かえるようキャッシュポジションは高めたままとなります。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−264円の15,249円と大幅続落。
 先週末の米NY株式市場は下落。11月の米CPIは総合指数が前月比0.8%上昇と、2005年9月以来の高い伸びとなったことなから、追加利下げの可能性が低下し売られております。
 東京株式市場はシカゴ平均株価先物大証終値−80円の15,490円と安く売られたことなどから売り優勢で始まりました。

 日経平均株価は−81円の15,433円と安くスタート。寄り付き後に−6円の15,508円まで反発いたしましたが、後場に入り先物主導で下落。引けは−264円の15,249円と大きく下落いたしました。
 中期基調は下向き。短期基調も下向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは○●●○○○●○●●●●と「5勝7敗」。25日移動平均線は15,432円と下向き継続。日足は上ヒゲを持つ幅のある陰線を形成、陰線を重ね下げが続いております。

 先週13日に「空かさず強い動きに転じ幅のある反発を見せれば良いのですが、続落し12月5日安値の15,365円を割り込んでくると、暴落後の戻りは終了で今度は2番底形勢に向かう可能性も高まってきました」と書かせて頂きましたが、本日12月5日安値の15,365円を割り込みました。

 12月7日の16,107円から本日安値の15,219円まで僅か6日営業日で888円もの下落を演じていることから、明日以降反発が期待されます。
 15,000円付近まで大きく下げてくれば「小反発狙いで買い」となりますが、中途反発に高く始まり反発する形となると買い一巡後は再度売られる可能性もあることから、明確に下落終了となるまではキャッシュポジションを高く、トレードは小すくいで見ていきます。